2002年度支援事業の報告


Think the Earthプロジェクトからの支援は、2001年度に引き続きカンボジア・日本間でで実施されている『レインボー事業』に活用されました。

1975〜79年のポル・ポト政権時代に学校の存在が否定され、先生の多くが処刑されたカンボジアでは、今でも先生が不足しています。また、学校教育の重要性が家庭にじゅうぶん認識されていません。そのため、小学校の就学率は87%と高いにも関わらず、貧困のために子どもを家事や収入のある仕事に就かせるために、親の希望で退学することもあります。特に女の子の退学率が高いのも特徴です。こうした状況を少しでも改善し、子どもたちに絵を描く楽しさや学校に来る喜びを知ってもらうことを目的に実施しているのが『レインボー事業』です。絵の交流を通じて日本・カンボジア間の小中学生が異文化理解と国際交流を進めているのですが、カンボジアの先生に美術の指導方法を教えて欲しいという ニーズも高いようです。

対象地域はカンボジア王国 カンダール州 ルックダイク地区。
『レインボー事業』は、1997年から行っている女子教育支援事業(2001年からは女子教育奨学制度事業)と連携し実施しています。


2002年度活動実績

日本からの文房具・絵の材料の送付
2001年度のレインボー事業参加校や問合せのあった小中学校、団体、個人に呼びかけ、前年度(140校)とほぼ同じ、全国から138校・団体・個人の参加がありました。うち半数が新規参加でした。鉛筆53,179本、ノート10,028冊、色鉛筆8,285本、クレヨン8,811本など、送った箱(レインボー箱)は256箱分。小学校14校、中学校3校に贈呈されました。活動地の教育事情は年々よくなってきているものの、学用品不足は深刻な問題のひとつ。文房具の贈りものは、現地の家庭の負担を減らし、子どもが学校に通いやすいようになっているとのこと。

絵のワークショップ
2003年4月1日〜4日に、ルックダイク地区プレックダッチ小学校にて、周辺地区の小中学生425名、先生40名が参加して行われました。先生が自分で生徒を指導できる体制を作るために、参加する先生は増えています。直前にイラクへの軍事行動が始まり、SARS問題が重なり、日本から絵の先生が参加できなかったため、今回はケア・ジャパンおよびケア・カンボジアのスタッフがインストラクターを務めました。
カンボジアの授業は先生が一方的に教える形が主流だったので、先生と生徒がお互いに楽しみながら行うワークショップは、双方にとって良い経験となっています。
2000年から行っているこの事業は、着実に浸透しています。日本からスタッフが来ない時でも、絵の具以外にも草やとうもろこしや豆といった、身近にある素材を使って、独自で授業をしています。

日本とカンボジアの生徒による絵の交換
日本の生徒から送られた1230枚の絵を各学校で展示。カンボジアで描いた絵1355枚が手紙といっしょに日本に送られました。
絵の交流のほかに、日本国内ではケア・ジャパンのスタッフによる講演会も行っています。こうした活動を通じて、一方的な先進国から途上国への協力ではなく、相手の国のことを理解し自分の生活を見直すきっかけにもなっています。


今後の課題

なるべくたくさんの子どもが参加できるように
事業を行っているルックダイク地区は、メコン河沿い、南北70kmにわたって細長く、そこに23の小中学校が点在します。活動の中心はその中心に位置するプレックダッチ小学校なのですが、そこから20〜30km離れた学校の中には、交通手段が足りなくて日本からの箱が受け取れず、絵のワークショップにも参加できないのが実情です。ワークショップに参加した生徒は地域全体の4%にも満たないのです。先生とのワークショップを実施し、各学校で美術の事業が行なわれ、より多くの生徒が参加できるように、検討を重ねています。

先生対象のワークショップ拡大
現地の先生が自分で生徒を指導できる力を身につけたい、という強い要望に答えるため、先生対象のワークショップを拡大します。

現地の子ども、先生、親の反応と事業効果の調査
一連の事業で、(1)就学率、進学率がどう向上しているか、(2)子どもの教育に一番影響力を持っている親が、事業をどのように認識しているか、ヒアリングを行います。

その他、日本国内の活動をより良くするためのアンケートを行うなど、活動の充実をはかります。


新たな展開

ワークショップを行ったプレックダッチ小学校の校長先生から、敷地内に“Cultural Learning Center”を設置したいという提案・打診がありました。実現すると、地域活動の拠点になります。


ワークショップに参加した子どもたちの声

サーリー スライニッチさん
プン トゥマイ小学校 3年
サーリー スライニッチさん私の学校ではレインボー事業が始まるまでは絵の授業がなかったのですが、今は週に1回、絵の授業があります。私は絵の授業が大好きで今日の授業もとても楽しく、絵の具を使って絵を描くのがとても楽しかったです。(中略)私の夢は先生になることです。先生になって、村の子どもたちが学校で勉強できるようにしたいです。

プーン ソムライさん
プレックダッチ小学校 4年
プーン ソムライさん今日はすごく楽しかったです。私の学校では、たくさん絵の授業があるのでとても楽しいです。(中略)将来は先生になって男の子も女の子も、みんな教育を受けて文字を読めるようにしてあげたいです。日本の皆さん、今度カンボディアへ是非遊びに来てください!


2002年度レインボー事業事業費

¥4,536,095-
このうち、管理費用は1,657,986円でした。

管理費には、スタッフ給与、法定福利費、電話代(国内)、事務局維持費用の一部(家賃、光熱費)などが含まれています。


活動のようす

文具の引き渡し
ケアスタッフの玉熊さんから先生へ、文具の詰まったレインボー箱を引き渡し
先生に対するワークショップ
先生に対するワークショップ。約40人が参加しました
熱中する生徒
熱中する生徒
とうもろこしの実で作られている立体的な絵
黄色い部分は乾燥したとうもろこしの実で作られている立体的な絵なのです!



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