航海日誌

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 39回航海

2002.10.23
パレンケの若者たち
2002.10.20
キューバの路地裏の少年たち
2002.10.15
第2回「蹴球祭」
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ラスパルマス: 本気のサッカー
2002.10.06
マルセイユ: サッカークラブ
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トルコサッカー
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マッサワ: ピースボール発祥地
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ペットボトルサッカー教室
2002.09.16
コーチン: サッカー交流
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サッカー大会「蹴球祭」
2002.09.10
フィリピン・パヤタス地区
2002.09.09
マニラ北東部: 子どもたち歓迎
2002.09.06
ほのぼのサッカー

 
  2002年10月6日 マルセイユ/フランス サッカークラブ訪問

10月6日、ピースボートはフランス・マルセイユに入港。「マルセイユ」と聞いてもピンと来ない人も多いかもしれない。では、1998年のフランスW杯で素晴らしいプレーを見せたジネディーヌ・ジダン、と言えばどうだろう。「世界一の司令塔」と称される、彼の華麗なボールさばきは、ここマルセイユで生まれ、マルセイユで培われたものだ。また、元名古屋グランパスエイトのドラガン・ストイコビッチの名前を知っている人も多いのではないだろうか。彼はかつて、マルセイユをホームグラウンドとする「オリンピック・マルセイユ」でプレイしていた選手だ。

UNION SPORTIV FOOTBALL CLUB-1僕たちはこのマルセイユで「UNION SPORTIV FOOTBALL CLUB」というサッカークラブを訪問した。ここは子どもから大人まで、たくさんの人が所属するサッカークラブで、日本ではあまり見られない女子チームもある。僕らはこの女子チームと、ピースボール史上初となる女子チーム同士のサッカー交流を実施した。ピースボールチームの女の子のほとんどは、実際にサッカーをプレイするのは初めて。対するマルセイユチームは、ユニフォームもスパイクもおそろいで気合い十分。そして十分なのは気合いだけではない。普段から練習しているだけあって、とにかく上手い。小学生の頃からサッカーをやっている僕でも思わず見とれてしまうような、鮮やかなプレイをやってのけるのだ。素人同然のピースボールチームとの差は歴然だ。しかし、試合が始まってしまえば、後は必死にボールを追うのみ。結果はもちろん、マルセイユチームの圧勝だったが、試合後は「同じボールを追った仲」、僕ら男子チームの試合観戦もそっちのけでおしゃべりに花が咲く。たった1試合サッカーをしただけですっかりうち解けている姿を見ると、やっぱり「サッカーっていいスポーツだな」と思わずにはいられない。
交流試合終了後はボールの贈呈式。30個のサッカーボールをクラブの代表者に手渡した。

UNION SPORTIV FOOTBALL CLUB-2今回僕らが訪れたUNION SPORTIV FOOTBALL CLUBは、「移民」だけで構成されているサッカークラブだ。「フランス人」と聞けば「白人」をイメージしがちだが、フランスには第二次世界大戦後から多くの移民が訪れるようになり、現在は400万人以上の移民がいるという。事実、98年にW杯優勝を遂げたフランス代表チームだって、アフリカ・カリブ・南米など、世界中にルーツを持つ選手たちによる「他民族」チームだったのだ。

フランスは移民の受け入れには寛容だと言われるが、実際には就職や住居をはじめとする、日常生活で差別が生じることも少なくない。僕らが訪れたサッカークラブも、移民だけのクラブだからか、マルセイユ市からの支援金をもらうことが出来ず、財政面は厳しいという。
98年のフランス代表チームは、W杯大会前は「移民の寄せ集め」「国家さえ歌えない」と批判されたこともある。しかし、自国での初優勝を遂げることで、その逆風を「移民とフランス社会統合のシンボル」という賛辞に変えた。
港町マルセイユは、フランス国内でも特に移民の多い地域で、約80万人の移民がいるという。先に書いたあのジダンも、アルジェリア系移民の子孫だ。かつて貧しい移民の子どもだったジダンの成功は、この町の人たちには特別な意味を持っているようだ。事実、ジダンがスタープレイヤーとなったことで、この町における「移民への差別」が減ったという。また、明日のスタープレイヤーを目指してサッカーに興じる子どもが増えたことで、子どもたちが非行に走ることも少なくなったという話もある。

マルセイユで僕は、昼食がてら町のサッカーファンの「たまり場」として有名な「OMカフェ(オリンピック・マルセイユ・カフェ)」を訪れた。そこには大きなジダンのポスターが飾ってある。鮮やかなボールさばきで僕をうならせたあの女の子も、目指すプレイヤーはジダンなのかな…とポスターを見ながらふと思った。
(PEACE BALL project スタッフ: 岡部直樹)