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超大陸の形成

 地球は約46億年前に誕生し、長い時間をかけて進化を続けてきました。岩石の証拠から44億年前には既に海と陸があったと考えられています。
 プレート・テクトニクスやプルーム・テクトニクス(第4回 世界の地震参照)の研究が進んだことで、20億年くらい前からは、4〜5億年ごとに全ての大陸が集まる「超大陸」が形成されたことがわかってきました。
 超大陸の形成と分裂については、最近の研究によって6億年前頃まではかなり詳しい動きがわかるようになってきました。過去の地球磁場の様子を記憶した岩石を探して年代を測定し、大陸移動の様子を調べる古地磁気学と呼ばれる学問が発達したためです。今回のアースリウムで使用している画像は、北アリゾナ大学の地質学者、ロナルド・ブレイキー博士から提供していただきました。

 さて、はるか昔の地球にはどんな超大陸があったのでしょうか。現在わかっている超大陸を簡単にご紹介しましょう。

ヌーナ大陸
 約19億年前に誕生した最初の超大陸。誕生したあと、すぐに分裂したことがわかっており、その姿を再現するのは難しいようです。NeuNaの名前はハーバード大学の地質学者ポール・ホフマン博士によって、North Europe and North Americaの頭文字からつけられました。いまも世界のいたるところに、19億年前の造山活動の痕跡が残っており、特に現在のアメリカ大陸は、その大部分がヌーナ大陸の残骸だと考えられています。

ロディニア大陸
 10億年前〜7億年前に存在していたとされる超大陸。ロディニアが分裂をはじめる前に、赤道付近の海も含めて、地球全体が凍り付いてしまう大規模な氷河期があったことがわかってきました。宇宙から見ると白い雪の固まりのように見えただろうということから、この説はスノーボールアース(雪玉地球)仮説と名付けられています。
 ヌーナとロディニアの間に、コロンビア大陸(15億年前)という超大陸があったという説がありますが、まだはっきりしたことはわかっていません。

ゴンドワナ大陸
 ロディニア大陸が分裂して新たに誕生した大陸。主に南半球に位置していたといわれています。左の地球儀で「6億年前」をクリックしてみると、南半球にひとかたまりになっている大きな大陸があることがわかります。ゴンドワナ大陸には、現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸、インドが含まれていました。

パンゲア大陸
 2億9000万年前頃に成立した超大陸。2億5000万年前頃から分裂がはじまり、現在の6大陸に分かれました。2億5000万年前、史上最大規模の生物の大量絶滅事件が起きています。この大量絶滅事件は、パンゲア大陸の分裂と深く関わっているのではないかと考えられ、世界中で活発に研究が行われています。

未来の超大陸
 現在、全ての大陸はアジアに向かって移動していることがわかっています。この動きが続くと、まず5000万年後にオーストラリアが日本列島に衝突。その後、2〜3億年後には、アフリカとアラビア半島に続き、アメリカ大陸もアジアと合体し、ひとつの超大陸アメイジアが形成されるという説があります。

2.5億年後の大陸分布の予想図 『生命と地球の歴史』(丸山茂徳/磯崎行雄著 岩波書店)より



 1年間に1cmにも満たない大陸の動きですが、時間を短縮してみることで、地球が常に変動を繰り返している惑星だということがなんとなくわかっていただけたでしょうか。
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