←もどる
拡大するエネルギー消費

「夜の地球」をエネルギー消費という観点から見てみるとどうでしょう。
 現在、人類が1年間に使っている一次エネルギー※1の量は、石油換算にすると2008年度で年間113億トンに達し、毎年増えています。

※1一次エネルギー
石油、石炭、天然ガスなど自然界から直接手に入れているエネルギー資源のこと。電気や都市ガスなどは、一次エネルギーを加工して作られたものなので、二次エネルギーと呼ばれている。

一次エネルギー消費量の推移

出典:BP Statistical World Energy Report 2009

一次エネルギーの消費 割合の円グラフ

出典:BP Statistical World Energy Report 2009

 宇宙から見ると、明るい場所と暗い場所が分かれていたように、世界のエネルギー消費には地域的な偏りがあります。上のグラフを見ると、世界全体の6割以上を上位10カ国が消費しています。たとえば1位のアメリカは、人口は世界全体の1/20に満たないにも関わらず、エネルギーは世界の1/5を使っています。
「夜の地球」に戻って、北アメリカの様子を拡大して見てみましょう。国全体が光り輝いていますね。都市に集中した光が、まるで星のように見えます。

アメリカの写真

 アメリカだけでなく、中国をはじめとするアジア諸国、インド、南アメリカなどでもエネルギー消費量はどんどん増えています。一次エネルギー資源を化石燃料※2に頼っている現在、エネルギー使用量の増加はそのまま二酸化炭素の増加にもつながり、地球温暖化への影響は必至です。また資源の量にも限界があります。石油は現在の埋蔵量から試算すると、21世紀半ばには底をつくと言われています。今後は生産量が減り、価格の高騰も避けられません。世界の人口が90億人を超える2050年には、各国が自国の文明を維持するために、今以上に少ない資源を奪い合うことになりかねません。

※2化石燃料
石油、石炭、天然ガスなどを指す。数億年前の動物や植物の死骸(化石)が、長い時間をかけて圧力や熱によって変化してできたもの。「化石」燃料と呼ばれるのはそのため。

←もどる