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未来につながるエネルギー

 いつかはなくなってしまう埋蔵資源ではなく、太陽や風、バイオマスなど再生可能な資源を使った自然エネルギーを増やしていくことが大事です。発電効率やコストの問題など、まだまだ課題がありますが、課題克服に向けて日夜研究が進んでいます。普及に向けては政治的な決断が必要ですし、助成制度や創ったエネルギーの買い取り制度など、需要を促進する政策にも期待が寄せられています。

 水素を原料とする燃料電池も注目されています。水素は水を分解して創られ、発電後は空気中の酸素と結びついてまた水に戻ります。水から電気を創り出し、排出されるのは水だけ、というクリーンなエネルギー技術としてすでに実用化が進んでいます。ただ、触媒としてレアメタル(希少金属)を使うため、大量に普及すると資源問題を抱えることになりかねず、まだまだ克服すべき課題が多いようです。でも、石油の代わりに水素が社会の基盤となる「水素社会」という言葉には魅力がありますね。

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 海洋温度差発電という技術もあります。深海の冷たい海水と表面近くの温かい海水の温度差を使って発電する技術です。南の暖かい海が有利なため、赤道近くの小さな島国がエネルギー産出国になれる可能性もあります。ほかにも潮の干満を利用した潮力発電や、高々度の風を利用した風力発電、人工衛星を使った宇宙太陽光発電など、そのアイディアは枚挙にいとまがありません。

 自然を眺めていると、川が流れ、潮が干満を繰り返し、風が吹き、一刻たりともとどまることはありません。動きがあるところには必ずエネルギーが眠っています。これからもエネルギーを生み出す技術やアイディアは次々に生まれてくると思います。

 地域や家庭での取り組みも可能です。大きな発電所が電気を作り出し、それを広い地域に供給する集中型のシステムから、自治体単位、住宅単位で発電する分散型の社会への移行は重要なポイントです。つまり、エネルギーの地産地消です。一部をまかなうだけでも、自給率を上げることができます。エネルギーを生み出す家は、コストさえかければ今でも可能ですし、駐車場に止まっている間に太陽光で発電をする車も開発されています。
 2005年にイギリスのトットネスという小さな町で始まった「トランジション・タウン」という活動は、化石燃料に頼らない地域作りを目標とした運動で、わずか数年で世界に1000箇所を超える市町村が参加する取り組みに広がりました。国が動かなければ、市民で動く。かつて、大型コンピュータが主流だった時代から、インターネットと高機能なパーソナルコンピューターが普及して、分散型ネットワークの時代に急速に変化したように、エネルギーにも同じような動きが起きつつあるのです。

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 今後、人口の増加、地球温暖化問題、途上国や新興国の発展などにより、エネルギー問題はますます重要なテーマになることは間違いありません。夜の地球の光は、これからも明るさを増していくでしょう。エネルギーが資源の奪い合いによるものでなく、分け合って使える時代がやってくれば、その光は暖かみのあるものとして見ることができるようになるのではないでしょうか。

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