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最近の主な気象災害:2006-2008

 気象庁の「気候変動監視レポート」を参考にしながら、各年の異常気象を見てみましょう。左の地球義に示したように、主に高温と低温(気温の異常)、多雨と小雨(降水量の異常)に分けてプロットしています。たとえば高温は熱波や森林火災の原因になります。大雪の後に高温が重なると雪崩や融雪洪水(雪融け水による洪水)が発生することがあります。低温は寒波の原因になり、多雨と重なると大雪による被害が起きます。大雨は洪水や地滑りなどの原因になり、小雨は干ばつを引き起こします。


2006年

 2月にフィリピンのレイテ島で大規模な地滑りが発生。3月から4月にかけてヨーロッパで雪融け水による洪水。年の後半にオーストラリアで史上最低の雨量となり、小麦の収穫が大きな打撃を受けました。またアフリカ東部で年の前半は干ばつ、後半は大雨になり、同じ場所において極端な変動が見られました。

2006年

気象庁「気候変動監視レポート2006」より作図 拡大する

高温:ヨーロッパ東部で融雪洪水(3-4月)、ヨーロッパで熱波(6-7月)、アメリカで熱波(7-8月)

低温:ヨーロッパ・インドで寒波(1月)

多雨:インドネシアで地滑り(1-2月)、コロンビア(1-4月)、フィリピンで地滑り(2月)、中国南部で洪水(4-8月)、タイ(5月)、インド・パキスタンで洪水と地滑り(5-8月)、インドネシアで地滑り(6月)、日本・朝鮮半島(7月)、インドネシア・エチオピア(8月)、ネパールで洪水と地滑り(8-9月)、タイ(8-10月)、ソマリア・ケニア・アフガニスタン(11月)、インドネシア・マレーシアで地滑り(12月)

台風やハリケーン:中国南東部(5-8月)、フィリピン・ベトナム(5月)、インド・バングラデシュ(9-10月)、フィリピン・ベトナム(9-12月)

少雨(干ばつ):アフリカ東部(1-6月)、オーストラリア(6月以降)、中国南西部(8月)、中国東北-華南(10-11月)

詳細は気象庁のレポートをご覧ください。


2007年

 ブラジル北東部で雨季にも関わらず小雨となり、農業などにも大きな影響がありました。またアジア西部はモンスーンや台風などによる大雨で大勢の死者が出ています。特に11月にサイクロン「シドル」によってバングラデシュで3000人もの死者を出す被害になりました。

2007年

気象庁「気候変動監視レポート2007」より作図 拡大する

高温(熱波):ヨーロッパ西部(4月)、東シベリア(4-5月)、ヨーロッパ南東部(5-8月)、東シベリア(8-11月)

低温:アメリカで寒波(1-2月)、アルゼンチン周辺で寒波(5-8月)

多雨:パキスタンで大雪(2-3月)、インド・ネパール・バングラデシュ(6-8月)、アフリカ中西部から東部(7-9月)

台風やハリケーン:アジア西部(6月)、朝鮮半島―中国南東部(8月)、バングラデシュ(11月)

少雨(干ばつ):アメリカ東部・西部(通年)、ブラジル北東部(通年)、オーストラリア南部(7-10月)、中国南部(9-11月)

詳細は気象庁のレポートをご覧ください。


2008年

 5月にミャンマーに上陸したサイクロン「ナルギス」の影響で13万人以上の死者が出る大災害になりました。6月から9月にかけてインド北部でモンスーンによる大雨で2700人以上が亡くなりました。オーストラリアでは数年間連続で雨が少ない年が続き、干ばつに苦しむ農家の様子などがニュース等でも多く報道されました。

2008年

気象庁「気候変動監視レポート2008」より作図 拡大する

高温:シベリア南東部-アフリカ北部(3-11月)、グリーンランド周辺(6-12月)、アフリカ南東部(8-12月)

低温:中国-中央アジア(1-2月)、オーストラリア東部(3-5月 8月)

多雨:中米南部-南米北部(通年)、マレーシア-インドネシア東部(通年)、アメリカ北東部−中部(2-3月)、アメリカ北東部-中部で洪水(5-6月)、中国南部(5-6月)、ヨーロッパ北西部(6-8月)、インド北部周辺(6-9月)、地中海西部周辺(7月)、ウクライナ周辺で洪水(7月)、地中海西部周辺(9-11月)、アメリカ北東部-中部(9月)、イエメン(10月)

台風やハリケーン:ミャンマー(5月)、中国南部・フィリピン・ベトナム(6-11月)、アメリカ南部・カリブ海諸国(8-9月)

少雨(干ばつ):オーストラリア南部(通年)、アメリカのカリフォルニア州で森林火災(10月)

詳細は気象庁のレポートをご覧ください。

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