著者からの手紙へもどる 手紙-1
お返事が届きました
私の母は、3年前に乳ガンの告知を受け、度重なる手術と治療を続けてきました。今年の4月に肝臓に転移している事がわかり、今も抗がん剤の副作用と戦っています。
私には、お見舞いの際、たくさんの笑顔を見せることくらいしかできないと思っていました。体のつらさを、私が、代わってあげられたらどんなに良いかと、もがいてばかりいました。しかし、鳥越さやかさんの手紙を読み、こんなに近くのところから体のことを考えていけることに気付きました。私自身がもがいていてもしょうがないですね。笑顔を見せてあげられるのも、毎日元気に過ごせるのも、大地の恵みがあるからこそであり、自然なリズムに心と体を預けることがいかに素直なことか。そして忘れてはならないことですね。自然なリズムに、心と体を預けることで、今まであたり前の様に使っていた資源や、エネルギーの無駄なところに気付くものですね。
急に大きな事はできませんが、家族を大切にしたいと思う気持ちと、地球を守る事は、とても大きく繋がっていると思いました。


東京都 20代 女性

私はあなたからのお手紙を読んで胸がしめつけられるような気持ちになりました。なぜなら私も、ここ数年あなたと同じ心の闘いをしてきたからです。うちの父も現在、再発、転移の心配をしながら治療を続けています。体に優しい食事はガンには強いということで、徹底的な東洋医学の考えに習った食事療法を心がけています。あなたは“笑顔を見せることくらいしかできないと思っていた”とおっしゃってましたよね、私も全くそうだったんです。あなたの言う通り“もがく”という言葉が当時の私にはぴったりの表現でした。
でも、あなたにもストレスがいっぱいありましたよね?(今ももちろんそうでしょう)ご自分の健康生活はきっとぐちゃぐちゃになってしまったでしょう。それを思うと私も涙がでてきてしまいます。そんな時、「地球環境」のことなんて考えられるか!って思ってしまうのが普通です。でもあなたはとても寛容な心で、母のような気持ちで私の手紙を読んで下さいました。そして“笑顔を見せてあげられるのは大地の恵みがあるからであり、その大地の自然なリズムを大切にしたい”とおっしゃってるあなたの言葉を通して、私はまたキリキリとして余裕のない自分を発見し反省しました。

最近、私は父に健康管理のことをキビシく言いすぎたり、過剰に心配して一人で苦しんでいたんです。そんな自分に気付かせてくれて本当にありがとう。あなたは若くして、愛する家族を守ることは自分の身のまわりの環境を愛することと一緒だと、分かってらっしゃるんですね。お母さまはそんなあなたに大きく包まれてとても幸せだと思います。でも頑張りすぎないで・・・空気や水を愛するようにご自分の体をどうぞ愛してあげて下さい。そして「地球に笑顔で接したら必ず地球はあなたに微笑み返す」ということを忘れないで下さいね。
お母さまが元気でいらっしゃることを心より願っております!

鳥越さやか   


朝日新聞×Think the Earthプロジェクト