2017年03月08日

「ファシリテーショングラフィック〜議論の本質を可視化する」[セミナー&サロン]

セミナー&サロン

今年度のセミサロ第2回目は、Tokyo Graphic Recorderとしての活動を軸に、ファシリテーショングラフィック(以下ファシグラ)をされている清水淳子さんをゲストにお迎えし、清水さんのお話とワークショップの2本立てで開催しました。どんなお話が聞けるのか、どんなワークショップになるのか、楽しみです!

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清水さんは現在、ヤフー株式会社でUXデザイナーとして働きながら、カンファレンスや企業の戦略会議での議論の可視化を行っています。

「議論をグラフィックで可視化すると、議論が詰まったときに、話を進めるためのヒントが見つかるようになるんですよ。記録をすることで、場の議論が活性化します。」と言いながら見せてくれたのは、清水さんが実際に議論の中でグラフィックを描いている映像。みるみるうちに、カラフルな図や文字が壁に描き出されていきます。

Androidホーム画面アプリ『Widgets』開発チームによるミーティングの様子

議論を聞きながらも、可愛らしい絵とわかりやすい図解を描いていく姿に会場からは「すごい!」という感嘆の声。果たして、私たちも清水さんと同じようなことをできるのでしょうか?



グラフィックは文字や言葉に匹敵するコミュニケーションツール

清水さんが議論を可視化する活動を始めたきっかけは、とても身近な問題を解決することでした。

「多摩美術大学のデザイン学科を卒業し、ゲームやプロダクト(工業製品)、アプリのUX(ユーザーエクスペリエンス:利用者がサービスや製品を使うことで得られる体験のこと)をデザインしてきたなかで、どの業務にも共通するものがあることに気づきました」

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共通するものとは、"会話、対話、議論"です。

「優秀な人が集まってもうまく進まない会議では、この3つがスムーズにいっていなかったんですね。それを改善するにはどうしたらいいだろう? と悩みました。こんがらがった会議中に『この方法しかない!』と思ってグラフィックで議論をまとめたら、スルスル進んだんです」

清水さんが最近出版した書籍『Graphic Recorder --議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』には、清水さんによる可愛い絵とともに、その手法がわかりやすくまとめられています。


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『Graphic Recorder --議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』
ビー・エヌ・エヌ新社
(書影をクリックで書籍のページに飛びます)

清水さんの活躍は、まちづくりの場でのブレストやシンポジウムでの登壇者の発言を可視化したり、パーティーで一つの問いに対する来場者の意見をまとめたり、と議論の場にとどまりません。

「大人が仕事の場でグラフィックを描くのは恥ずかしい感じるかもしれません。でも、地図を描いて道を説明するのも、グラフィックです。グラフィックを描くことは、スピーチなどに匹敵する立派なコミュニケーションツールです。今後、国語、英語、グラフィック言語のように、学校の科目の一つになっているかもしれませんね。」



初心者がファシグラをする時のための心得

今回のセミサロでは、参加者から多数の質問がありました。そのうちのいくつかをピックアップします。

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来場者:実際にファシグラをするときに、きちんと描ける気がしないのですが......。

清水さん:私のこれまでを振り返ってみると、段階があったように思います。最初は話についていくのが精一杯でした。それに慣れると、対話のなかから似ている単語を抜き出せるようになります。単語のグルーピングができるようになると、マトリクス化などグラフィックを構造化して描けるようになりました。初めのほうはスピードについていくのが難しいですが、慣れることで技術が進化していきます。まずは試してみてください。

来場者:議論の内容を書き間違えたり、自分の意見を書いてしまったりしたときのフォローはどうしていますか?

清水さん:そもそも対話の内容は自分の脳で情報を整理するので、どうしても主観が入ってしまいます。自分が描いたことは基本的に主観的な解釈であり、間違っている可能性もある、という前提を持ちましょう。間違いをや勘違いを防ぐためには、描いたグラフィックを常に出席者みんなの見える位置に置き、違うところは指摘してもらったり、「これで合ってますか」と聞いたりするとよいですよ。

来場者:グラフィックの内容をフィードバックするタイミングにコツはありますか?

清水さん:タイミングは全部で3つあります。その1・議論が行き詰まって10秒ぐらい沈黙がきたときに「ちょっと振り返ってみましょうか」と言ってみる。その2・会議が2/3に来た時に「今日はこの方向でよいですか?」と聞いてみる。その3・ファシリテーターの人に「進行に困ったらこっちを向いてもらえば、フィードバックします」と言うこともあります。3つ目は上級ですね。

photo1-1.jpg(提供:清水淳子)

来場者:グラフィックとして形に残ったことに納得のいかない人がいたときに、そのまま残ったこと前提で話が終わってしまうことに抵抗を覚えるとおもうのですが、何か対策されていますか?

清水さん:グラフィックには、人々の理解を促す良いパワーがあると同時に、暴力になりうる可能性も潜んでると、私は常に気をつけています。というのも、もし仮に本人の発言を大げさに解釈してしまったものがグラフィックとして残った時に、描いたことが本人の発言よりも影響力を持つこともありえます。しかも当の本人は気が付いても指摘しにくいということもあると思います。なので最近は参加者に3色のシールを配って、いいねとおもうところ、よくわからないところ、などの役割をつけて、ペタペタ貼ってもらっています。そうすると、参加者の本音が見えるようになって、議論がさらに発展することがあるんです。結構おすすめな方法ですよ!

C-3-2.jpg(提供:清水淳子)



日常的な問題の解決策をみんなで考えよう!

清水さんの公演の後は、20分ほどのワークショップを行います。

清水さんによる人物の描き方のレクチャーを受け、円卓型のコミュニケーションボード「えんたくん」に、それぞれの日常の悩みを書き込んでいきます。

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使うのは、3色のペン。以下のように使い分けます。

1、どんな場所でどんな課題がるのか考えよう(黒いペン)
2、それはなぜ起きているのか、原因を考えよう(赤いペン)
3、どういう風に議論を可視化すれば、それが解決するのか考えよう(青いペン)

「会議が連絡の場になっている」「議題内容をだれも話そうとしない」「問題点を伝えようとしない」「話す人が固定している」「どこで何が決定したのかわからない」という、皆さんの悩みが書き込まれていきます。すでに人物の描き方をマスターしている方は、内容にそった絵を描いています。


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描いたものをみんなでぐるぐるまわして、他のひとのアイディアにアンダーラインを引いたり、似ている意見があったら線で繋いだりして、解決点をさぐります。

和気あいあいとした雰囲気のなか、7グループ中2グループが、それぞれの解決までたどり着けました。話し合った後は、皆さん、スッキリした様子で「今日出てきた解決方法を、早速ためしてみます!」という嬉しい声も。

皆さんおつかれさまでした!

グラフィックレコードの研究 / Tokyo Graphic Recorder 清水 淳子 日本デザイン学会 第62回研究発表大会 2015/06/14 

写真提供:萩原楽太郎


(まつもと)

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2017年02月09日

「KP法で学ぼう!環境教育とコミュニケーションの未来」[セミナー&サロン]

セミナー&サロン

1月25日に行った今年度最初のセミサロは、KP(紙芝居プレゼンテーション)法を生み出した川嶋直(かわしま・ただし)さんがゲストです! 川嶋さんは、公益社団法人日本環境教育フォーラム理事長であるとともに、1985年代半ばからの30年間は山梨県清里のキープ協会で「環境教育・インタープリテーション」として活躍されていました。

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「みなさんこんばんは、川嶋直と言います。本名は『ただし』なんですけども『ちょくさん』と呼ばれています。今日は紙芝居を20セットほど持ってきました。」とおもむろに取り出したのは、厚さ3cmもある紙の束。

「この中から10数セットを抜き出して使います。本当はこの20セット以外にもたくさんあるんですけどね」

KP法のセットの新作をどんどんつくるので、川嶋さんのご自宅には、この15倍の量(300セット!)が置かれているそうです。どんな話が飛び出すのか、ワクワクしますね!


次々と出てくる直筆のスライド

1時間半をお話いただくセミサロ。今回は、前半「環境教育について」後半「KP法について」の2部で構成されています。まずは川嶋さんの自己紹介からスタート。川嶋さんがファシリテーターとして踏んできた"数えきれないほどの場数"とはどんなものだったか、生い立ちを交えながら話が展開されます。

一つ目のセットは『川嶋直のファシリテーター修行歴』というタイトルです。「いま思えばこれも場数のうちでした」と「ボーイスカウトと学校」と川嶋さん直筆で書かれたA4用紙が出てきます。異なる2つの異空間に所属することで自分自身を客観的に見る力が培われたそう。次の1枚は「生徒会長(15才)」。「ここで、みんなの意見が自分とは違うことを、身を持って体験し......」と「高校で学生運動」「32才--清里」と次々とホワイトボードに貼りだされます。

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川嶋さんの口からポンポンとでてくる言葉と貼りだされるA4用紙のテンポの良さに、聞いているうちに楽しい気分になってきます。

ちなみに、川嶋さんが自己紹介につかった時間は10分弱。本当は1セットにつきおよそ4分〜5分が目安だそうで、「ちょっとゆっくりすぎたかな......」と参加者の笑いを誘います。プレゼンをしている間にも参加者に話しかけたり、腕を大きく動かしたり、ととにかくコミュニケーションを絶やしません。


環境教育は子どもだけが対象ではない

環境教育については、川嶋さんの考えがあるそうです。

環境問題を解決するための方法はたくさんあります。その中でも以下の3つの方法が重要だとよく言われています。

1、規則
2、技術
3、教育

この3つのうちどれが欠けても、地球の環境は改善されません。さらに、川嶋さんは「環境教育は子どもだけが対象なのではない」といいます。

「大人を教育しようと思ってもいまさらダメだから、未来を担う子どもにこそ環境教育を、という意見もありますが、そんな無責任なことを言う大人の言うことを、どこの子どもが聞くのでしょう? 子どもは大人のツケを払うためにいるのではありません」

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「子どもたちへの環境教育で大事なことは2つあります。1、自然のなかで遊ばせること 2、環境問題の解決に向かって頑張っている大人の姿を見せることです」

子どもたちは親しんできたものが好きになる、というお話もありました。自然と遊ぶこと、普段から自然に親しむこと、その自然と共にいる人たちを身近に感じてもらうことが、地球を大事にすることに繋がるのですね。


良いKP法のポイントは情報を詰め込みすぎない

後半は川嶋さんによるKP法の作成方法です。

KP法の基本を、5つのポイントに絞って教えてくれました。

1、絞り込んだキーワードで構成する
2、詰め込みすぎない
3、レイアウトをデザインする
4、色をデザインする
5、良いKPとは?

「重要なのは内容を絞って詰め込みすぎないこと。伝えなくてもいいことはどれかを判断して捨てる。15枚5分以内でまとめて構造化するのが良いです。」

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「色も大事です。同じ種類の言葉には同じ色を当てましょう。良いKPと言うのは、話を聞かなくても後でそのKPを見ただけで内容がわかるもの、最も伝えたいことが記憶にのこるものです。YouTubeにKP法の動画を24本上げているので、もし興味がでたら、そっちもチェックしてみてください!」

「KP法 Kamishibai Presentation」のチャンネル

川嶋さんのさりげない1言で、会場の空気が和らぎます。プレゼンの最中にも、1セットが終わり片付けている時にも小ネタが出てきます。「用紙を片付けている間には、力を抜いて参加者同士で雑談もしてください、KP法は呼吸のようなものなんです」と呼びかけました。

さらに、説明とプレゼンの違いを解説します。

「説明は論理的に、プレゼンは感性に訴えます。知性と感性、どちらで人が動くのか。"感動"という言葉はあるけれど"知動"という言葉はないでしょう? 感性に訴えて裏に理論を付けることが大事です。僕達は、人に行動を起こしてほしいからプレゼンをしているのです」

参加者で振り返り

今回のセミサロでは、前半と後半の間と最後に、「ペチャクチャタイム(PKT)」の時間がありました。参加者同士で思ったことを話すこの時間では「1セット終わるごとに、ひと目で全体が見えるのが楽しい」「KP法を会社のプレゼンでも使いたい」という率直な感想が聞けました。

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その他、じゃんけんでアンケート(GCPアンケート)を取るなど、内容のバリエーションも豊富です。

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「これを押さえれば大丈夫です! 不安な人には本もあります!」とさりげなくご自身の著書も宣伝される川嶋さんのお話は、1時間半もあっという間に過ぎてしまうほど、とても濃密で楽しい内容でした。



\川嶋さんのKP法がよくわかる本です!/

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『アクティブラーニングに導くKP法実践:教室で活用できる紙芝居プレゼンテーション法』(みくに出版)


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『KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション』(みくに出版)



(まつもとあさみ)

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2016年10月06日

未来の働き方を考える 〜おもいやりの"スイッチ"を入れる人を増やす〜

プロジェクト裏話おすすめ infoお知らせ

自分の中で、新しい時間軸と関係のフレームが再構築された。

これからの働き方、企業に所属しながらの複業に関心がある人が増えている。
今回のラウンジスイッチでは、会社員でありながら、社会との関係に目を向け、仕事(会社)だけにとらわれない生き方を提案している一般社団法人Work Design Lab代表の石川貴志さんをゲストに、参加者と共にこれからの働き方を模索した。

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石川さんは、1978年広島生まれの38歳。現在、企業の経営企画室で働きながら、社外活動も含め7枚の名刺を持ちながら様々な活動をしている。3児のパパだ。奥さんも、働きながら、社外活動もしている。石川さんが仕事以外に目を向けようと思ったきっかけは2つある。

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ひとつは、32歳の時、子供が生まれ「父」になったこと。「今まで、自分中心だけの社会構造だった世界観が『親--自分--子供』という新たな時間軸の関係性ができ、子供に何を残せるかを考えるようになりました。それは短期的なことではなく、100年後の他人事が自分事に変わるという意識の変化になり、地域に関わりたいと思い始めたんですよね」。石川さん自身、『社会性が増した』と笑いながら話す。

もう一つは、その考えのもと、社外活動のひとつとして関わった「SVP東京」の存在だ。簡単に言えば、士業の人を中心にお金を出し合い、これからの社会に必要な団体に、お金と知恵を投資していくシステム。最近では多くのサラリーマンも参加しており、プロボノの上級編と言ってもいいかもしれない。社会課題を解決させていく事業を育て、社会にインパクトを与えていくやり方に石川さんの意識もどんどん社会性を増し、自身が実現したい活動への一歩を踏み始めていった。

石川さん自身が家族を持ち、会社以外の時間でも「未来」を考えるようになり、いままで希薄だった自分の中の「家族」・「社外コミュニティ」・「企業」・「地域」のフレームが新しくカタチ作られていったのだ。


今は、会社をやめなくても面白いことができる。

「スイッチの入った人を応援したいんですよ」。熱量高く、けど爽やかに話す石川さんのメッセージは次のことだ。「例えば、個人に想いがあって仕事をしているけど、そのやり方や成果は会社の通常ルールからするとNGで怒られる。けど、社会的側面からすると、とても必要でいいこと言っているケースってないですか?新しい事業開発や、未来のコミュニケーションを作り出す際によくあり、会社のリソースを活用しながら、どうやって実現できるかに悩む人が多くいるはず。そういった会社を辞めずに社会にいい活動を行う人を応援したいんです。」

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また、考え方の整理として次のようにも語る。「Work(仕事)、Life(家庭)、Social(社会)の3つの枠が重なるポイントに継続的で、現実的な個人の理想的な活動があります。想いが先行しすぎると、経済的に成り立たなくなるケースも多いため、個人だけ応援していくのではなく、関係性を見ながら解決していくことが大切なんです。いまそれをしている一部の企業人が、自分がやりたいことをきちんと会社の利益を考えて実行している人が出てきていると思います。」

企業・組織の枠を越えていき、一緒に解決していく時代がいま既に起きている。石川さん自身も、運営するWork Design Labの始まりである『働き方と組織の未来ダイアログセッション』を通じて、本業を活かしながらいまのあらゆる活動つなげている。


働き方の未来は、個人と組織の関係性にある。

Work Design Labのビジョンは『イキイキと働く大人で溢れる社会、そんな大人をみて、子どもが未来に夢を描ける社会を創る』こと。

活動のひとつである『働き方と組織の未来ダイアログセッション』では、まずは社会と会社の今を知ることで、参加者に勇気と気付きを生みだす場を作っている。様々なゲストを呼び、事例を知れることもあり平日夜開催にも関わらず100名以上集まる回も少なくない。場の特徴として、企業側と個人側で、"ルール違反者"のゲストを呼ぶ。(※違反者とは時代に必要で新しいコトに挑戦している人を指し、現状の会社ルールが合わなくなっていることを指す)。

「働いていて、個人のミッションと組織のミッションのバランスが完全に一致するケースってどれだけ多いでしょうか(笑)。お互いが描くイメージの円が一緒に重なればハッピーですけど、ズレ続けると、個人は転職したくなり組織との距離が遠くなっていきます。長い期間会社で働いている人は苦労をした経験は見に覚えはないですか?」会場の参加者はドキリとしつつ、深く頷く。

もうひとつの活動として、サラリーマンイノベーターネットワークがある。これはオープンな対話の場ではなく、出会いの中で知り合った各企業のイントレプレナー同士を引き合わせ、事業を起こしやすい仕掛けを研究していく場だ。まずは、フレンドリーな研究の場から事前に一緒に考え、お互いにいい時期になったら正式な事業として、きちんとした段取りや許可を取って会社のリソースを使いビジネスとして実現していく。会社を辞めずに、会社にも個人にも社会にも利益をもたらす準備と言い換えても良いかもしれない。まさに所属する会社との関係性を継続させながら、自己実現させるためのやり方だ。また、基本的には人事やCSR部の人に声をかけ、組織としての新しい挑戦として社会に同じタイミングでコトを仕掛けようとしているのが面白い。


複業を成立させるための"個人の法人化"とは?

活動から3年が経過して社会が変わってきたと石川さんは語る。石川さんのように企業で働きながら社会に貢献したい人が増え、働き方の変化が個人と組織間で起こっているようだ。「主観ですが、個人の変化では、ライフワークバランスのように、個人の時間のコントロールをしたい人が増えているんじゃないかと思います。一方で、組織の変化では、パフォーマンスが高い社員ほど、社会貢献の場に参加することが多く、個人にとって利用価値の高い「場」として会社が機能しないと人材流出する可能性が増えている。両方の立場に立って考えることがこれからは必要ですが、個人がやりたいことを実現するためには、企業と個人のWhat/How/Why の3重円を行ったり来たりして考え、その人の根本的な考え方のWhyを共有することが仕事をする上でとても大事になってくると思います」。

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石川さんは、会社というコンセプトを手放し、新しい組織の雛形をつくることで、「個人の法人化」が成立し、人材の適材適所や業界を超えたスキル共有が、これからのキーワードとなってくると見ている。

また、個人だけのメリットだけを考えるのではなく、変化と成長をするには、場に貢献し育てていくことがやはり大切であることが前提であることも、しっかりと語る。「幸せの価値観の多様化があるからこそ、うまくいかないこともあるし、思い通りにならないこともたくさんあります。でもそこをしっかり向き合うことで自分が成長させられるんだなと実体験として感じています。自己の主体性と他者との関係性を考えながら行動する。これがこれからの働き方と複業のヒントになると思っています」。

石川さんの実体験を元に、なぜ今それをするのかというWhyの部分の話は、同世代の参加者や組織での管理クラスにも大きな共感があり、後半のスイッチトークも大いに盛り上がった。今後の個人と組織の関係性について、興味があれば、ぜひWork Design Labの場に参加してみたらいかがだろうか。働き方の新しいスイッチが、きっとONになるに違いない。

(推進スタッフ 鈴木高祥)

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2016年09月20日

壮大な大自然!@グランドキャニオン・ヨセミテ

地球日記

こんにちは、曽我です。
先日、夏休みをいただきサンフランシスコに行ってきました。そして、せっかく行くのでと思い、グランド・キャニオンとヨセミテにも行ってきました!

SFLV_01.jpgグランド・キャニオン

SFLV_02.jpgヨセミテ国立公園

まずは旅の前半、グランドキャニオンに行きました。ラスベガスからグランド・キャニオンまでの距離はなんと450km!これは、東京ー会津若松、大阪ー福岡間と同じくらいの距離になるそうです。今回はこの距離を陸路で向かいます。ほぼ信号がない道をずーーーーっと進みます。そのため、450kmという距離ですが4時間〜5時間で着きます。(飛行機で行くこともできます)

途中、東西アメリカ大陸を横断するのにとても重要な役割を果たしていた国道66号線、通称ルート66(Route66)が通る町セリグマンに寄りました。ルート66は1926年に国道として創設され、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結んだ全長3755kmにもおよぶ国道。物資や人々が西に移動するための主要道路として使われていたそうです。高速道路の発達によりに1985年に役目を終え、廃線になりました。

SFLV_04.jpgSFLV_05.jpgピクサー映画のカーズのモデルになった車だそう!

1985年に廃線になりましたが、セリグマンに住む1人の男性が歴史的なルート66の保存を認めるよう働きかけ、再び地図上に名前がのるようになりました。セリグマンには30分ほどしか滞在しませんでしたが、思わぬ寄り道で少しアメリカの歴史を知ることができました。

さて、いよいよグランド・キャニオンに到着です!
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目の前に広がる巨大な峡谷!景色が壮大すぎて、これはいったい...と、ため息が漏れました。グランド・キャニオンの一番古い地層は恐竜時代より古く、最古の地層は20億年前だそう。一番新しい層でも2億5000万年前です。壮大な景色だけでなく、その地層の古さにもただただ驚くばかりでした。

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グランド・キャニオンは今から7000万年前に、この地を含む広い地域が地球の地殻運動で隆起し、広大な台地が形成されました。さらに、約4000万年前コロラド川による浸食が始まり、約200万年前に今の形状になりました。侵食は今も続いているそうです。

私が訪れた日は天気が悪く、途中雷雨にあいましたが夕方にはとても綺麗な夕日を見ることができました。グランド・キャニオンに沈む夕日を見ながら、地球の偉大さを感じました。

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さて、次に向うのはヨセミテ国立公園です!ヨセミテへは、サンフランシスコから、こちらも陸路で向いました。片道300km。グランド・キャニオンよりは近いですが、なかなかの距離です。

ヨセミテへ向う途中にAltamont Pass Wind Farmというとても大きな風力発電所を通過しました。

SFLV_08.jpgSFLV_09.jpgこの辺り一帯に数多くの風力発電が設置されています

後日調べたのですが、アメリカ国内でもカリフォルニア州は風力発電の数が一番多く、Altamont Pass Wind Farmは最も古い風力発電所だそうです。また、騒音問題や鳥類への被害も深刻で、新しい風力発電を導入するなど対策を行っていることがわかりました。一度ゆっくり見学に行ってみたいなと思いました。

さて、車はヨセミテへと近づいていきます。岩が白くとても天気がよかったので最初、遠目では雪山に見えたのですが、近くにくると全て岩ということに驚きました。

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ヨセミテ国立公園には森も川もあり、とても緑が多く気持ちのいい場所でした。これまでにアメリカの国立公園はいくつか行ったことがあるのですが、私が訪れた公園の中では一番緑が多く、ハイキングコースも多くありました。

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今回訪れたヨセミテ渓谷は一番観光客が訪れる場所ですが、国立公園全体の1%でしかありません。約9割は手付かずの自然が保護されているということでした。これほどの壮大な自然を目の前に、まったく想像できないスケール感に驚くばかりでした。

また4月には雪解け水が流れだすヨセミテ滝があり、その風景もとても素晴らしいとのこと(落差は739m、北アメリカで一番だそう)。8月には水が枯れてしまうため、私が行った日に滝は見ることができず、残念でした。

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最後にガイドの方が一番気に入っている絶景ポイントに連れて行ってもらい、ヨセミテの旅は終了です。ロッジに泊まっている方もいて、次回はぜひ1泊したいと思いました。

帰りもまた4時間ほどかけて帰ります。サンフランシスコの夏は日没が20時くらいのため、ダウンタウンに戻る頃にはまだ日が沈んでおらず、とてもきれいな夕日が見ることができました。

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旅をすると、その土地のことを調べたり、現地の人に話を伺ったりと自分が知らなかった世界が一気に広がるので本当に素晴らしい体験だなと改めて感じました。

またみなさんにオススメの場所など伺って、旅の予定を考えたいと思います!

(曽我 直子)


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2016年09月12日

講演「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」

地球日記

8月30日(日)、いつもお世話になっているデザイン会社「AXIS」で、講演がありました。

講演のゲストは、AXISで発行しているデザイン雑誌『AXIS』182号(2016年7月1日発売)のカバーを飾った、緒方慎一さんです。

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イベントの告知ページ(クリックでリンクに飛びます)


緒方さんは、和食料理店の「HIGASHI-YAMA Tokyo」や和菓子店「HIGASHIYA」の運営、陶・滋や漆プロダクトブランド「Sゝゝ(エス)」の展開など、和の文化を活かして新しいものを創りだしています。

緒方さんならではの哲学を、講演のタイトル「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」にもとづいて伺うことができました。

今回は、そのなかでも特に印象に残ったことについて書きたいと思います。


緒方さんによると、日本式は5つの形を持っているそうです。

・自然のかたち
・人間の感じるかたち
・陰陽のかたち
・儚いかたち
・無垢なかたち


この中でも興味深いと思ったのは、「自然のかたち」と「人間の感じるかたち」です。

まず、「自然のかたち」について語り始めた緒方さん。日本のものづくりは、すべて自然崇拝に繋がるのだそう。

日本人は、もともと自然の豊かな環境で暮らしてきました。

森で狩りをし、木の実を集め、海や川で漁をする......。自然に囲まれ、その恵みを受けながら暮らしていくうちに「自然=神様」という意識が生まれ、多神教になります。

そんな多神教の文化が他国の文化を取り入れ、和洋折衷な文化を生み出し、そこから現在の日本文化に繋がる「和」の美意識が生まれました。

日本文化の代表とされる"自然を生け捕る"借景や、"自然を見立てる"銀閣寺の「向月台」(庭園内にある、円錐形に盛られた砂の造形)、盆栽、和菓子などもその感性から生まれてきたのだそうです。

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銀閣寺の「向月台」


次の「人間の感じるかたち」は、ずばり"五感で感じる"ものを追求します。

例えば夏の窓辺に掛ける風鈴。高い澄んだ音色で、涼しさを演出します。暑さをしのぐ方法では、打ち水もよく行われていますね。これらは、人の感情に訴えかけ、心地よさをつくりだす"かたち"なのです。

緒方さんの作品である使い捨ての器「wasara」は、このエモーショナルなかたちを追求したもの。手漉きの紙のようなテクスチャーや手に馴染むかたちが、人の五感に働きかけ、心地よさを生み出します。

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WASARAのホームページ(クリックでリンクに飛びます)


講演後に、実際に手に取ってみましたが、手に乗る厚手の紙の重さと均されていない表面の触り心地が本当によく、「使い捨てとは本当にもったいない!」と思ったほど。

このお皿を普段使いできたら、一日一日をゆったりと過ごせるはずです。

講演のなかで緒方さんは「自分の活動は日本を意識してやってきたわけではなく、やってきたことを見たら、こうなっていた」と振り返ります。

わざわざ意識しなくてもにじみ出てくるものが、その人のルーツであり生きてきた環境そのものなのだ、と感じました。


◎緒方慎一さんが代表を務める会社
株式会社SIMPLICITY( http://www.simplicity.co.jp/ja/
◎緒方さんが運営するお店
八雲茶寮(http://yakumosaryo.jp/
HIGASHIYAMA-Tokyo(http://higashiyama-tokyo.jp/
HIGASHIYA(http://www.higashiya.com/
◎プロダクト
Sゝゝ(http://www.sss-s.jp/
WASARA(http://www.wasara.jp/


(松本麻美)

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2016年07月17日

新ソーシャルアクション企画塾「ラウンジ・スイッチ」がスタートしました

おすすめ infoお知らせ

みなさんは「おもいやりライト」ってご存知ですか?
おもいやりライトは、交通事故が一番多い時間帯(夕方16時〜18時)にヘッドライトの早期点灯を促し、交通事故を削減するための運動です。おもいやりライト運動はなんと今年で6年目。そこで新しい領域を照らそうと、一歩踏み出す人を応援するための新しい活動が始まりました。その名も「ラウンジ・スイッチ」。これから社会のために何かしたい!というポジティブなエネルギーをもった人たちと一緒に学び、活動するためのノウハウやマインドを共有するソーシャルアクション企画塾です。先日その第1回目が3×3lab futureで実施されました。

オープニングトークは思いやりライト運動プロデューサーの山名清隆さんとThink the Earthの上田の対談からスタートしました。二人は、ラウンジ・スイッチの支配人として、全7回の授業に参加者のみなさんと一緒に参加します。

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プロデューサーの山名清隆さん(左)とThink the Earthの上田(右)

山名さんと上田が今、キーワードとして考える「逸脱力」。自分たちがソーシャルデザインの活動を始めた10数年前は、「何か変わったことをしている人」という立ち位置でした。言うなれば「はみ出し者」だった二人。会社以外に何かを新しい事を始めるハードルがとても高かった。でも、今はSNSなどの進歩により、誰もが情報発信したり、会社以外で仲間を見つけて活動できる環境が作りやすくなったと言います。そこで、今度はソーシャルな活動をもうあと一歩進めるためのアイデアや方向性について議論は進んでいきます。

例えば、パブリックスペースを考える上で今、重要視されているタクティカルアーバニズム(TACTICAL URBANISM)という概念。バンクーバー ビエンナーレの事例では、水辺の何気ないスペースに彫刻を置くことで、市民の憩いの場になっているそうです。ちょっとしたクリエイティビティを加えることで、町が変わったのです。
(詳しい記事はこちら

また、2014年からパリでは市民参加型の予算編成を始めました。住民からどんな町にしたいか意見を募り、その中から予算を使うプロジェクトを住民投票で選ぶ制度です。
実際に、市民の意見を聞くための部署が設置され、5000のアイデアが集まり、さらに500に絞ったアイデアの中から、投票で選ばれたプロジェクトがすでに始まっているそうです。まさに今までにない、公共セクターを超えた逸脱セクションの誕生と言えます。

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二人の話を熱心に聞く参加者のみなさん

そうして数々の事例とアイデアを話した後は実際に企業と社会の境界線を飛び越えて活躍している今日のゲストの話へと移ります。第1回目の講師「 前橋〇〇部 」の藤澤さんの登場です!

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藤沢さんのスライドの1枚。ご自身の写真を大胆に使ったデザインが印象的

藤澤さんが2011年に前橋に戻った時に、地元の人に面白い場所や人を聞いても何も答えが返ってこなかったことに「ヤバい!ここには何もない!」と焦ったそうです。前橋は歴史的な建物もなく、文化的な世代間の会話もなかった。そして遊びに行くなら高崎に出ればいい、という空気感。
この状況を何とかしたいと考えていた時に、前橋自転車通勤部と出会います。何をしているかと言うと、単純に自転車で通勤をしている人たちの集まり。でも、小さなコミュニティの存在がそこにはありました。

そこで、「 前橋〇〇部 」と題して、前橋でたくさんの部を立ち上げることを思いつきました。パズルが好きならパズル部。パフェが好きならパフェ部。特に許可や申請の必要はなく、ゆるーい部活動の促進を、最初は一人でfacebookで部の立ち上げ宣言をしていました。そこで、序所に反応があり、次第に人が集まるようになりました。

前橋〇〇部の次は「前橋○○特区45DAYS」。前橋を〇〇特区にしたい、という市民の声を集める活動と、週末にはイベントを開催し、市民が集う場を、前橋市と共催で実現しました。ロゴからフライヤーまで藤澤さんご自身で手がけました。

昨年のアーカイブ動画

そして、最後には前橋でアイドルユニット「ハイタッチガールズ」を結成するまでに至ります。アイドルが町にいることで、場が華やかになる、そしてアイドルに会いにファンが来てくれる!元々アイドル好きだった藤澤さんは、「ハイタッチガールズ」のプロデュースに夢中になっていきます。この時のことを「猛烈に楽しかった!」と振り返る藤澤さん。しかし、楽しいだけではありません。悩みもたくさんありました。それはここだけの話として聞いたので、詳細はお伝え出来ませんが、最後は会場からは藤澤さんを応援する声で締めくくられました。

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成功したことも、失敗したこともすべてを包み隠さすお話してくれた藤澤さん。とっても素敵な方でした。

このラウンジ・スイッチはまだまだ続きます!
次回のLOUNGE SWITCHは7月19日(火)19:00~21:00でパクチーハウス東京の佐谷恭さんにお越し頂きます。次回からの参加、第2回のみの参加もOKなので、気になった方はお気軽にご参加下さい。詳しくはこちら

ラウンジスイッチ5.jpg
最後はみんなで記念撮影!

(笹尾実和子)


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2016年05月18日

百年の愚行展@京都 会期は5月22日まで!

プロジェクト裏話おすすめ infoお知らせ

みなさん、ゴールデンウィークはどこかお出かけされましたか?今年は大型連休をとって、旅行に行った人も多かったのではないでしょうか。

私は、4月29日から「百年の愚行展」がオープンすることもあり、ゴールデンウィークの数日前から京都にいました。(と言っても、京都造形芸術大学に入り浸る毎日でしたが。笑)

今回の会場である京都造形芸術大学ギャルリ・オーブはとても広く、最初の設営は、パネルを動かして、壁を作ることからスタートしました。京都造形芸術大学の学生さんたちと一緒に、水平出しや作品の設置、ライティングまですべて自分たちの手で会場を作り上げました!(大変だった〜)こうして無事にオープン出来たことを、嬉しく思います。ぜひ、この機会に遊びに来て下さい。

「愚行展は見たいけど京都まで行けない!」という方もいますよね。
そこで、百年の愚行展@京都を詳しくご紹介したいと思います。

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こちらが会場のある京都造形芸術大学。とてもキレイな校舎で、夜遅くまで学生さんがラウンジに集まっていました。

gukou@kyoto2.JPG30段の階段を上がって左手に見える人間館に入ります。

gukou@kyoto3.JPG入口をまっすぐ進むと、看板が見えます。こちらを右に曲がると・・・

gukou@kyoto4.JPG着きました!ギャルリ・オーブです。

gukou@kyoto5.JPG看板やパネルも学生さんたちに手伝ってもらい、作りました。

gukou@kyoto6-1.JPG挨拶パネルは日英両方表記しています。

書籍『百年の愚行』は10章で構成されています。「海・川・湖沼」「大気」「森・大地」「動物」「大量生産・大量消費」「核・テクノロジー」「戦争」「差別・迫害」「難民」「貧困」。本展では、書籍に納められた100点の写真の中から92点を選び、章ごとにまとめて展示しました。

gukou@kyoto6-2.jpg最初の章「water(水)」です。

gukou@kyoto7-1.JPG「WATER(水)」の章は9枚の写真を展示しました。

gukou@kyoto8.JPG最初の展示ゾーンの全体図。壁に沿って、写真をみていきます。

gukou@kyoto9.JPGこちらは4番目の章「ANIMAL(動物)」の写真です。

gukou@kyoto10-1.JPG2番目の展示ゾーン。ここのスペースが一番広く、空間を贅沢に使って展示ができました。

gukou@kyoto10-2.JPG書籍も読めるように、展示してあります。

gukou@kyoto11.JPG2番目の展示ゾーン。

書籍『続・百年の愚行』は、21世紀の愚行を表す7つの章、「戦争・紛争」「弾圧・迫害」「差別・暴力」「貧困・格差」「メディア・情報」「環境・エネルギー」「核・原発」に序章と終章を加えた9つの章で構成されています。今回の展示では、『続・百年の愚行』に収録された約50点の写真をスクリーンに映し出しました。

gukou@kyoto12.JPG最後の展示ゾーン。一番奥のスクリーンで『続・百年の愚行』の写真が映しだされます


そして最後は、ゴアレーベンのポスターを展示しています。ゴアレーベンは北西約150kmに位置するドイツ北部の小さな町です。1977年、この村に核廃棄物最終処理センターを設置する計画が発表されました。住民たちは反対の意志をポスターによって訴え続けました。そして、2013年に計画は中断となりました。

gukou@kyoto13.JPGゴアレーベンのポスターは全部で20点、展示しました。


gukou@kyoto14.JPG原発はいらない!という強いメッセージが感じられます。


会期は残りあと数日です。ぜひ、たくさんの方に見て頂きたいと思います!

また、明日5月19日から21日の3日間は、『続・百年の愚行』の寄稿者でもある京都大学総長の霊長類学者、山極壽一さんをはじめ、マエキタミヤコさんやChim↑Pomリーダーの卯城竜太さんなど、多彩な顔ぶれが登場します。トークイベントは予約不要・入場無料なので、期間中に京都を訪れることがありましたら、ぜひお立ち寄りください。

◎スペシャルトーク
愚行の時代の文化と芸術

日時:2016年5月20日(金)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:山極壽一(霊長類学者。京都大学総長)×尾池和夫(地震学者。京都造形芸術大学学長)
司会:齋藤亜矢(芸術認知科学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研究所准教授)

◎ギャラリートーク
サステナビリティと文明

日時:2016年5月19日(木)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:マエキタミヤコ(コピーライター、クリエイティブディレクター。「サス
テナ」代表)×浅利美鈴(京都大学地球環境学堂 準教授)×小野塚佳代(京都造形
芸術大学大学院生)
司会:田中 勝(アーティスト、芸術平和学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研
究所准教授)

◎ギャラリートーク
愚行と狂気の時代に ーーアーティストができること

日時:2016年5月21日(土)15:00-16:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:高山 明(演出家、アーティスト。Port B主宰)×卯城竜太(アーティスト。
Chim↑Pomリーダー)
司会:小崎哲哉

百年の愚行展@京都

会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
   →京都市左京区北白川瓜生山2-116
期間:2016年4月29日(金)~5月22日(日)
時間:11:00-18:00(期間中無休)
料金:無料

(笹尾 実和子)

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2016年05月17日

第3回「地球のお医者さん」

地球日記

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こんにちは。インターン生の山下真奈です。さて!第3回目、ついに最終回となる今回は・・・毎年3月に行われ、多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコースを広く知ってもらうことを目的に学生の課題作品を発表するプロジェクト「できごとのかたち展の2016年度」に出展された、久保亮太さんと半田早奈英さんの作品をご紹介します。

二人は私と同じく、Think the Earthの上田さんの授業を受講していたゼミ仲間です。初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」(※)というテーマの課題に対して、私と同様に制作をしていた二人はどのようなアプローチをしたのでしょうか。
※第1回「地球のお医者さん」

まずは久保亮太さんの作品を紹介します。
「江戸の時間で生きてみるツール」

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常に忙しなく、どこか生き急いでいるような現代人。そんな彼らに提案する、"江戸時代の時間で生活してみる"コンテンツです。江戸の人々は太陽の動きに合わせた「不定時法」という時間の刻み方で生活していました。そんな自然のリズムに合わせた、心にゆとりのある生活を現代でも送るために、不定時法に則って作られた日割りのスケジュール帳、それからその不定時法に合わせて鐘の音が鳴る、電子時計の二つのツールを制作しました。

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全部で4冊、春・夏・秋・冬の四季ごとのスケジュール帳となっています。和綴じをしていて、趣のある印象を受けます。江戸の時を感じる...という言葉にぴったり。

冊子の小口を見ていただくとわかるのですが、各季節ごとにオレンジの部分と青の部分の面積がちがいますよね。これは、その時々の「日照時間」を表しています。夏のスケジュール帳のオレンジの部分が多いのは、太陽の出ている時間が多いため。逆に冬のスケジュール帳の青の部分が多いのは、日照時間が少ないためです。

太陽の動きに合わせた「不定時法」に沿って作ったスケジュール帳ならではの工夫です。

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こちらは夏のスケジュール帳です。
3_4B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

3_5B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

中身はこんな感じ。よく見ると、毎日毎週毎月、毎季節ごとに、時間の刻まれている間隔が違います。これは、昔の江戸の時間の刻み方「不定時法」の法則で作られているためなのですが、先ほどから何度か出てくるワード「不定時法」とは、一体何なのでしょうか?

不定時法とは、"夜明け"から"日暮れ"までの時間を6等分する時間法です。きっちりと時を刻む時計のような道具がなかった江戸時代以前までは、太陽の高さで大体の時刻を計る、この時間法が使われていたそうです。このスケジュール帳と電子時計は、そんな「不定時法」で毎日を過ごせるようなツールとなっているのです。

時の流れはいまも昔も一定で普遍的なもの。ですが、日の出と共に起き、日没と共に寝る...。そんな、自然と共にあるような過ごし方を江戸時代まではしていたんですね。

忙しく息の詰まるような現代の時の刻み方ではなく、自然と共に、ゆったりと、時を刻んで生きるということ。江戸の時を感じ現代人に「心のゆとり」を持たせるアイディアです。


次に半田早奈英さんの作品を紹介します。
「しゅうかん朝ごはん」

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朝ごはんを食べる、ということは日々の健康と深い関係があります。朝、きちんと食事を摂ることで気持ちよく、かつ健康的に一日を始められます。特に子どもにとってはとても大切なことです。

しかし、朝は食欲が出ず、嫌がってあまり朝ごはんをきちんと食べない子どももいます。しっかり朝ごはんを食べないと、栄養が頭に行かず、ぼんやり...体にもあまり力が入らず、だるくなってしまいます。朝ごはんをきちんと毎日食べる習慣をつけることは、成長期の子どもに特に重要なのです。

ですが、親にとって朝は忙しい...そこで、お皿を変えるだけで子どもが朝ごはんを進んで食べられる習慣をつくれ、手軽に朝ごはんに楽しさをプラスできる。そんな、一週間の朝ごはん用の日替わり紙皿を制作しました。

3_7B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

種類は全部で、一週間分の7通り。カラフルでとても可愛らしいデザインです。それぞれに違う絵柄が印刷されていますが、なにやらところどころに何かを置けるような場所が...気になる使い方はこちら!

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朝ごはんを月曜日のお皿の上に乗せると、朝ごはんがキャラクターになりました!7つの違う"しかけ"がお皿に施されているので、朝ごはんをあまり食べられない子どもでもこれなら楽しく食卓に向かうことができそうですね。

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他にも、電球になって朝ごはんがぴかぴか光ったり、風船に連れられて飛んでいったり...様々な工夫が盛り込まれているので、明日はどんなご飯だろう?どんなお皿だろう?なんて、わくわくしますね!このお皿を使うことによって、朝ごはんをきちんと食べて、一日を元気よく健康に過ごしてもらいたい。そんな想いのつまったアイディアです。


こちらは「地球と健康」の課題の、最終プレゼンの様子です。作品の展示をし、受講者全員とその他の授業を担当していた先生方に対し、それぞれが作品をプレゼンします。

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「カバンの中身を整理して、心の整理整頓をするアイディア」

「"笑顔"を習慣づけ、心を健康にするアイディア」

「質の良い睡眠を促すアイディア」

「バーチャル温泉体験(!)」...などなど。

この「地球と健康」をテーマにした作品は、私や久保くん半田さんの3作品に限らず様々なアプローチのものがあり、どの作品も個性的でとても面白いものでした。

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「地球を健康にする」ことは、必ずしも地球の環境問題を改善する...ということではありません。

"地球"に住む人々、動物、そのほかいろんなもの・・・。

自分たちを取り巻く環境や生活を、よりよくしていくアイディアを考えること、行動をすること、発明をすること、提案をすること。なにか小さなきっかけから、自分やそのまわりの環境をよくしていくことはできます。それは誰かから気づかせてもらうこともあれば、自ずとひらめくこともあります。

その全てが「地球を健康にすること」であり、「地球のお医者さん」の仕事なのかなと、私は思います。また、地球おにぎりに関する広報のメディアとして「地球ドクター」というフリーペーパーを製作しました。こちらのPDFから内容の一部をお読みいただけますので、よろしければご覧下さい。

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今回は3回にわたりブログを読んでいただきありがとうございました!まだ、これからも「地球おにぎり」をより良いアイテムにしていくために、挑戦していきたいと思います。

(Think the Earthインターン 山下真奈)


「地球のお医者さん」全3回
第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html
第2回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/2-6.html
第3回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/3-1.html

協力
・OISCA中国 植物博士 冨樫智さん
・Think the Earth 上田壮一さん/ 曽我直子さん
・多摩美術大学情報デザイン学科 教授 宮崎光弘さん
・多摩美術大学情報デザイン学科4年 
  久保亮太くん(「江戸の時間で生きてみるツール」) 
  半田早奈英さん(「しゅうかん朝ごはん」)
  近岡麗華さん(第2回・第3回 写真提供)

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2016年05月11日

第2回「地球のお医者さん」

地球日記

こんにちは。インターン生の山下真奈です。前回に引き続き、砂漠化問題についてのお話です。

自分なりのアプローチ方法を考え地球おにぎりの試作品を制作していた丁度その頃・・・、ゼミを担当していた宮崎先生と、Think the Earthの上田さんのご紹介で、実際に現地で活躍されリアルタイムで問題と向き合っている中国OISCAの冨樫智さんにお話を伺える機会をいただくことができました。

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それまではネットや本でしか知ることのできなかった「砂漠化問題」についての知識を、直接聞くことができた貴重な体験でした。その時のお話を紹介させていただきたいと思います。

冨樫さんは20代の頃から内モンゴルに入り砂漠化の対策に関わってきたといいます。当初を振り返り、自身の失敗談を語ってくださいました。

まずは現地の方の協力を得ることが大変だった、と言います。砂漠化をとめるための植林活動ですが、もっとも適した時期として春先に実作業を行うのが効率的なのだそうです。けれど春先というのは現地の方々にしてみれば、農作業や放牧などの生業で忙しい時期なのです。

また、現地の方にしてみると自然というものは永久資源である、と考えているところがあったらしく、植林作業の必要性に共感してくれず、なかなか自分たちの活動に積極的な思いを抱いてくれなかったのだそうです。

また、植林する植物の種類も間違えていた、と言います。当初、ポプラなどの生長が早く、しかも用材として注目されていた種類のものを使用していたそうなのですが、ポプラの特性上、生長するのにたくさんの水分を必要としていたため、降雨量の少ない内モンゴルでは枯れてしまい、対策には不向きだと分かったそうです。

このような、「どんな植物の種類」が向いているのかということも、長期スパンで実験をしなくてはならない環境問題の解決。1年に1、2回ほどしかできない長期にわたる実験をずっと繰り返してきたそうです。

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さて、現在中国の内モンゴルの方で研究を行われているそうなのですが、この地域では年々人口増加が進み、また砂漠化による耕地面積の減少も著しく、食糧問題が注目されています。このペースで行くと数年後には食べ物が足りなくて飢餓の問題に発展していくので、早急な対策が必要となっています。具体的な対策としては禁牧政策によって放牧の制限をし、耕地面積を少しでも広げたり・・・みなさんも耳にしたことがあると思いますが、一人っ子政策なども行われています。

冨樫さんのお話を聞き、中国では砂漠化という問題から二次被害の段階である食糧難を対策するレベルにまで、人々の生活に影響を及ぼしてきている状況なのだと知ることができました。

これからのこの問題に対する対策としては乾燥地域における耕地面積の増加がテーマとなってくるそうです。そうなると、やはり土壌改善の対策が必要となってきます。今まで行ってきたことの具体的な内容としては、バクテリアを砂に混ぜたり、固砂材を領したり・・・様々なことをされてきたそうです。

バクテリアというのは人間と同じで、ストレスを与えると多糖質という糖質を分泌します(私たちも疲れると、甘いものが食べたくなることがありますよね)。その糖質が土壌の栄養素となってくれるのだそうです。乾燥地帯に対して適した性質を持ち、土壌の改善に一役買ってくれています。

また固砂材というのは、砂の硬さを調節する薬のことです。植物が育つためには、「土壌硬度」というものが重要になってきます。その植物が育つのに適した土壌硬度よりも固い土壌だと、根が地面にもぐれず、うまく根付きません。畑を耕すという作業は、土壌硬度の調整をする作業なんですね。また柔らかすぎても風などの自然の力で砂や土が動いてしまい、植物がうまく根付かず、枯れてしまうのだそうです。それを防ぐため、大地を固めるのがこの薬の役割なんだそうです。

さて、次に冨樫さんが今具体的に行っている、環境対策のお話を聞かせていただきました。乾燥地帯での植林に適した種類の樹木を模索している、ということを前述しましたが、今あらたに注目されているのがソウソウ(梭梭)という植物。

このようにとても細かい種子です。

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ソウソウという植物は「砂漠のマングローブ」と呼ばれる自生植物らしく、一度根をはってしまえばなかなか枯れず、またあまり水分を必要としないので非常に生命力の強い植物として注目されているそうです。現地ではこのソウソウにホンオニク(漢方薬)という種子を寄生させて栽培する研修を行っています。

このホンオニクという漢方薬が非常にいいお金になるらしく、禁牧政策で生活基盤を失った方々がこれで生活をし始めたそうです。緑化しながら生活基盤を整えられ、一石二鳥ですね!

しかしこのソウソウという植物、とても速いスピードで発芽するものの、根付きが悪く、苗まで生長させることが非常に難しいそうです。今は苗まで育ったものを砂漠化した土壌に移し、根付かせるという方法を行っているそうなのですが、栽培が難しく時間的コストもかかるため、砂漠という厳しい環境には適しているものの実際に使用していくのにはまだまだ改善点が必要なようです。

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今回おはなしを聞かせていただく際に私が試作した地球おにぎりを見ていただいたところ、この割り箸をつかい、ソウソウを種子からうまく生長させられるようなアイテムができたら現地で役に立つのではないかとのご意見をいただくことができました。

けれど砂漠化に対して有効なデザインとしては、まだ形態が改善の余地があるのでは・・・というアドバイスもいただき、この地球おにぎりにはまだのびしろがあるな~と個人的に感じたのでした。

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それでは最後、第3回の記事では、初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」というテーマに対して、私以外にも解決を模索していたゼミ仲間の作品を少し紹介させていただこうと思います。

彼らは「地球と健康」に対して、どのようなアプローチをしたのでしょうか・・・?お楽しみに!

(Think the Earthインターン 山下真奈)

第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html

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2016年04月26日

第1回「地球のお医者さん」

地球日記

はじめまして、昨年12月からThink the Earthでインターンをさせて頂いている山下真奈です。この度、私が大学でクリエイティブと環境問題の課題解決について取組んできた1つのテーマについて、制作・実験・インタビュー等、これまで行なってきた課程の中で疑問に思ったこと、学んだこと、気づいたことを3回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

簡単な自己紹介をさせていただくと、私は小さな頃から何かモノをつくるということが大好きで、思うがままに手を動かし続けること十数年・・・気がつくと美術大学に通う大学生になっていました。

そんな美大生活3年目の昨年9月。私が所属するゼミにThink the Earthの上田さんを講師としてお招きした授業で、とある課題が出されたのです。それは「地球と健康」というテーマをもとに、自由に制作をするというもの。地球規模での問題解決を提案する・・・非常に壮大なテーマだと感じました。

以前から地球の抱える問題(=環境問題と私はとらえました)には関心を持っており、調査やレポートを行ったことがありました。なのでこの経験を生かし、なにか環境問題を解決することにつながるアイテムを作れたらいいなと思い制作に取りかかったのです。

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まずは「健康」から想像する様々な言葉を一生懸命思い浮かべてみました。そして頭の中で引っかかったのが、どこがどう悪いのかを診察し適切な処置をして、健康へと患者を導く「医者」というワード。そういえばこの世には様々なお医者さんがいるなと、ふと思い、試しに書き出してみると・・・人間のお医者さんはもちろんのこと、動物にもお医者さんはいます。細かく見れば内科医、外科医、心療内科医、眼科医、歯科医・・・。問題の数だけお医者さんがいる世の中になっていました。さらに調べものを続けていると、「樹木医」というお医者さんにたどり着きました。

突然ですが皆さんは「樹木医」の方とお会いしたことはありますか?人間のお医者さん、動物のお医者さんは身近にいることがありますが、植物のお医者さんというのはなかなか出会う機会が無いように思います。私自身にとっても、「樹木医」というものは未知なるお医者さんでした。

彼らは樹や植物が育つ為の土壌改善や環境の手入れ・見直しなどをして、それらの健康を保つお仕事をしているようです。樹や森が健康になるということは、豊かな「自然の恵み」を受け、動物やそのほかの生物も住処を得て繁栄していけるということ。また、その良質なサイクルが潤滑に行えるようになるということ、を指します。

そのことから樹木医は、大きな視野と長いスパンを持って"地球"のことを健康にしようとしている「地球のお医者さん」なのでは?と思いました。もちろん地球を健康にする「地球のお医者さん」は樹木医にとどまりません。どの問題に対して、どのように働きかけるか。その違いしかないのです。

ならば私もこの課題をきっかけに、「地球のお医者さん」として、「地球」を「健康」にしてみよう!と思い立ったのです。

数ある環境問題の中、私が「地球のお医者さんの仕事」として着手しようと決めたもの、それは、砂漠化問題でした。砂漠化が深刻な、サハラや内モンゴルなどでは居住区域や田畑が、押し寄せる砂漠に食われてしまっている現状。このままでは地球全土を巻き込む、食料不足問題が起こりかねないと言われています。この砂漠化問題を食い止めるために、砂漠の緑化を対策として考えました。なんとかして砂漠に植物を生やしたい!

そこで、バイオテクノロジーに詳しい知人から助言を頂きつつ・・・カラッカラに乾燥した、養分もほとんどない砂漠でも植物を育てることができるアイテムを作ってみました!

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「地球へのさしいれ」をコンセプトにしたこの地球おにぎり。その名の通り"地球に食べさせてあげる"アイテムです。何でできているかというと・・・使用済みの割り箸、オブラート、豆の種。これだけです。

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使用済みの割り箸を再利用することによって、自然に還してもゴミにならないエコ仕様となっています。作り方は、
①オブラートを溶かした水に細かく粉砕した割り箸を浸す。
②しっかりしみ込ませた割り箸に、具となる"タネ"をいれ・・・
③しっかり水気を切るように握る。
④日干しして完全に乾いたら完成!

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↓ちなみにこちらが完成した現物です!

\ じゃじゃんっ /

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あとはこれを土にうめて水をかけてやると、芽が出てくる。という、仕組みになっています。

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砂漠化した土地は、いわばカサカサのお肌。貯水するための"保水性"と"養分"が足りていません。なので雨が降ってもすぐ土が乾いてしまい、発育条件を満たすことができないのです。そこで割り箸という保水性ばっちりの素材を使い、発芽して、ある程度植物が育つまでの代わりの土壌として利用できないか、と考えたのです。またデンプンでできているオブラートを使うことによって、その粘り気によって粉砕した割り箸を1つにまとめることができますし、養分も保水性もさらに向上させることができます。

今回、地球おにぎりの具として豆の種を利用した理由は、豆が持つ「根粒菌」が砂漠でも力強く育つ手助けをしてくれ、食料不足問題のある現地での食料にもなると思ったからです。

制作を進めるうちに、もっと地球おにぎりの機能性をあげたいと考えるようになりました。そこで、実際に砂漠化の問題に取り組んでいらっしゃる専門家の方にも、お話を伺いました。砂漠の緑化対策に向けて研究をされている、中国OISCAの植物研究博士の冨樫 智(とがし さとし)さんです。

次回は冨樫さんにお話を伺った際のレポートをご紹介します。
それではまた!

(Think the Earthインターン 山下真奈)

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