2008年06月06日

ちょっと未来を見てきました    [地球日記 ]

10日間ほど、環境先進国として、世界でももっとも注目されているスウェーデンに視察に行ってきました。数多くの刺激を受けた旅でしたが、中でも、ストックホルムのハンマビー臨海都市には感銘を受けました。

 ここは10年間かけて二酸化炭素排出量を従来の半分にすることを目標に作られたモデル都市。2010年完成予定ですが、もう人も住んで、ちゃんと街として機能していました。最も驚いたのは下水処理場が、家庭や企業から出る生ゴミや糞尿をバイオガスや肥料に変えるエネルギー会社に姿を変えていたことです。作られたバイオガスは家庭に供給され、バイオガス車の燃料になります。肥料は地域の農場に供給されて作物が育ちます。食べ物→生ゴミ、糞尿→バイオガス、肥料→家庭、クルマ、農場→食べ物と、まさにエネルギーも食も地産地消が実現しているのです。こうした循環型の仕組みはエネルギーだけではありません。

 浄水処理された水は、すぐに海には流されず、地域暖房(夏は冷房)のために使われます。ゴミも同様です。街の地下にはゴミを集めるためのパイプが巡らされ、捨てたゴミは収集所(?)から自動的に吸い上げる仕組みになっています。スーパーマーケットの入り口には、ビンや缶のリサイクルボックスが据えられており、缶を入れるとお金が返ってきます。驚いたのは、そのお金を貧困救済のための寄付に回すという選択もできるようになっていたこと。さらにスーパーの中に入ると、環境に配慮した食品や商品が所狭しと並んで選べるようになっています。

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 何からなにまで「サステナビリティ=持続可能」をテーマに考え抜かれた「ちょっと未来の」都市のシステムがそこにありました。では人々の暮らしはどうでしょう? 我慢ばかりしてツライ生活を送っているのかというと、とんでもない。実に爽快で楽しそうに暮らしています。何がここまで爽快なのか? と考えてみたのですが、答は案外簡単のような気がしました。スウェーデンでは行政や企業やお店が選択肢を提示して、それを消費者が積極的に選択しているのです。そこに押しつけられた行動ではない、気持ちよさがあるのではないでしょうか。他にもスウェーデンの社会は規制(環境税や渋滞税など)とインセンティブ(エコカーの場合は渋滞税が免除になる等)というシステムをバランスよく組み上げ、社会全体を低炭素社会に向かって着実に押し進めています。行政と市民の距離が近く、信頼関係が築かれているのも大きな特徴です。日本とは大きく違いますね。今回、案内していただいたナチュラル・ステップ日本代表の高見幸子さんの言葉が印象に残ります。

「人々の環境への関心は高い。だから、仕組みを用意し、選択肢を作れば自然に人は動くのです。日本の悪いところは、モラルだけでなんとかしようとしていることだと思う」

この言葉は、いま僕の中で静かに響いています。エアコンの温度を2℃下げたり上げたりすることも大事だけど、それだけでは世界はやはり変わらない。明快なゴールを設定し、達成に向けて誰もが一歩、二歩と踏み出していける仕組みのアイディアを出していかなければならないと、改めて痛感させられる旅でした。でも、「なーんだ、やればできるんだ」と勇気を与えてくれる旅でもあったのです。これからどんなことができるか、楽しみになってきています。ハンマビー臨海都市については、近日地球リポートでも紹介したいと思っていますのでお楽しみに。

(上田壮一)

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by Think the Earthスタッフ

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