2012年02月22日

SVA報告会「被災した子どもたちと支援者側のこころのケア」その2

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Think the Earth基金の寄付先のひとつでもある、シャンティ国際ボランティア会(SVA)の東日本大震災復興支援活動チャリティ報告会「被災した子どもたちと支援者側のこころのケア」の後編です。

前編「支援者側の心のケア」はこちら

後編では、SVA気仙沼事務所がとりくんだ『Book for the Future 子どもたちが描く気仙沼の声』について、スタッフの東さやかさんのお話から印象に残ったことなどを・・・。


"Book for the future"の目的は、絵を描くことを通して、ふだん、子どもたちが言葉にできない感情や気持ちを自由に気持ちを表現すること。そして、彼らの住む気仙沼市本吉地区の未来に希望を抱いてもらうことを目指しました。(気仙沼市立大谷小学校で冬休み期間中に開催された学習支援「まなびーば」の一部として、1日50分の授業を5日間実施。)

★テーマは大切な人、自然、一番好きなあそび、一番好きな場所...などなど
絵本1_s.jpg


・・・どうして、絵を描くのか。
それは「どうして子どもたちは、気持ちを表現するのが難しいのか」、ということとつながっているような気がします。
子どもは、大人のように表現する言葉を持ってない。誰のせいでもない自然災害に、行き場のない悲しみを持っている。大人が悲しんでいるので気を使って言わない(強がったり、気を使ったり)・・・などなど。

そして、子どもが震災のショックから立ち直る第一歩として、東さんは、現実をうけとめる、気持ちを表現する、環境の復旧=日常生活の継続(学校、仕事、日常的な家事など)、生活ストレスからの保護(狭い、慣れない仮設住宅でのくらし、取材など)があると挙げてくれました。

この中の「気持ちの表現」が、今回の『Book for the Future』の取り組みなんですね。絵という形にのこる達成感、書く・描く・伝えるという表現が、現実の受け入れやお互いのつながりの認識になると。


さて、実際の絵の授業はどんな様子だったのでしょう。
東さんによると、本吉地区の子は自然豊かなところで暮らしているので、こまかい生き物の描写が多かったそうです。
また「大きくなったら自衛隊になりたい」という言葉とともに自衛隊のヘリコプターを絵に描いた子も。
なかには、1枚目は明るい色彩の海や生き物の絵を描いた子が、2枚目は暗い色使いの津波の絵を描いたり、「色はぬらなくていい」とモノクロの絵を描いりした子もいたとのこと。

絵で表現をしたことで、子どもたちのPTSD、鬱やストレスにきづき、心のケアの対策ができ、それを地域で共有していくこともできるのだと、東さんは話してくれました。

絵本2_s.jpg
★写真提供は2枚ともシャンティ国際ボランティア会/SVA


・すべての子どもの絵を大人が理解する必要はないのでは。
・子どもたちは単純に学生ボランティアやSVAスタッフとふれあうことを楽しみにしてくれた
・いずれ(大人たちが他所からやってくる)機会もなくなってくる、と感じている子どもたちは少なくない。だからこそ、これまでの支援がポジティブな方向で子どもの心にのこるような、将来の活力となるような内容にしていきたい。
などなど、支援者側にもいろいろな思いが募る試みだったようです。


★ところで、子どもたちの描いた絵はひとつにまとめられて、小学校や子どもたちに届けられます。そして、いくつかの絵は「ぷんぷん谷」という絵本になって、大谷小学校の子どもたちの描く未来として形になる予定です。今後の「ぷんぷん谷」の情報は、SVA気仙沼事務所のブログをチェックしてみてくださいね。

(はらだまりこ)

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【補足情報】
気仙沼市は、公式発表で死者1031人、行方不明329人。
市内92カ所の仮設住宅は全部で3451棟。
被災世帯9500世帯。

SVAは震災後すぐに現地入りし、事務所が流されてすぐに稼働できなかった気仙沼市災害ボランティアセンターの開設お手伝いをした後、4/15には気仙沼事務所を開設。
避難所巡回、物資提供、がれき撤去手伝い、炊き出し、お茶会、入浴送迎(5週間、45回延べ743人利用)
絵本を届ける活動、子どもの遊び場『あそびーばー』活動(日本冒険遊び場づくり協会との協働)などの活動を行ってきました。

SVA気仙沼の復興目標は「3世代が安心して楽しく暮らせるまちづくり」
そのために、地域支援、子ども支援、生業支援、NPO/NGO・行政とのネットワーク連携を行っています。
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