2012年09月27日

親子でのびのび、森のようちえん

地球日記

こんにちは、伏見です。子どもたちにのびのびと自然を体験させてあげたいと考える親は多いと思います。でも、遭遇するかも知れない危険や後片づけのことを考えて、すぐに口や手が出てしまうものです。私もそんな一人ですが、年に何度か訪れている「森のようちえん」では、子どもたちはのびのび、親もゆったり、親子で大満足の時間を過ごしています。

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「森のようちえん」は、キープ協会(山梨県北杜市)が運営している自然体験プログラムです。親も子どももそのまんまでいいよ! ここでは、お互い様の気持ちを大切にし、ゆるいルールの中でお互いが譲り合い、みんなで子どもたちを見守りながら、同じ食卓を囲み、数日を過ごします。やってはいけないコトがないので(親の目の届かないことをいいことに)、子どもたちはのびのびと好き放題!原っぱを駆けまわる子もいれば、川遊びを楽しむ子、虫を追いかける子、木登りする子、枝を集める子、早弁する子、裸になる子、とにかく本人の好きなことをやめたくなるまで続け、それを保育士の資格を持つスタッフが見守りながら一緒に遊んでくれるのです。

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子どもたちがやりたい放題になるなんて、うちの子は限度がわからないので大変なことになるわ!あるいは引っ込み思案なので溶け込めるかしら...等々、心配になるかもしれません。でも、私たち人間も生きもの、そうした場所では動物としての本能で適応してしまうようです。わが家の息子たちも、回を重ねるごとに立派な野生児へと進化しています。そうした雰囲気を作っているのは、緑あふれる自然の力も大きいけれど、やっぱり人なんだなぁと思います。経験豊かなスタッフと全国から集まった親子たちが、まるで数日間だけの大家族のように心地良い時間を紡いでいきます。

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親は「おとな解放区」と呼ばれる自由時間を得て、こちらも気ままに過ごします。先日参加した時には、クマヤナギに登ったり、ハンモック、クラフトづくり、焚き火で焼き芋など、私自身も森を満喫しました。親にとっては、いつもべったり張り付いてくる子どもから解放され、ほどほどに遊び、のんびり癒され、大いに笑って、自分を取り戻し、あらためて子どもを愛しく思う...そんな数日となります。

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一日中、全力で遊んだ子どもたちが深い眠りに落ちる頃、大人たちがわらわらと大部屋へ集まってきます。そして、スライドショー「子どもと森へ出かけてみれば」で全国を巡っている保育士兼カメラマンの小西さんが撮影した、昼間の子どもたちの表情を鑑賞しながら、その日の出来事を教えてもらいます(もちろんお酒を飲みながら)。子どもたちが真剣に虫と格闘したり、お友達とケンカしたりする姿は、なぜかとても可笑しくて、それぞれのドラマから明らかな個性を感じ、あぁ、みんなそのまんまでいいんだなぁ、と素直に納得してしまいます。たまにはこんなふうに、ゆとりの時間をいただいて、わが子たちを客観的に見てみる...。すると、自発的な行動がどれほど子どもたちを成長させるか、気付かせてくれます。

(伏見 聡子)

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2012年09月22日

そうだ!東北に行こう・・・ということで行ってきました。

地球日記

少し前のお話になりますが、夏まっさかりの8月初旬に、岩手と宮城に行ってきました。
目的は
「忘れない基金」の第一期寄付先へのご挨拶と
昨年行った「Think the Earth基金」の寄付先のいくつかを訪問
ついでに沿岸の観光地めぐり でした。

時間も限られていたので、ほんの一部しか回れなかったのですが、東日本大震災から1年半たった東北の1シーンをお伝えできればと思います。

第一回は、宮城県亘理郡山元町訪問記です。
仙台から南東にある山元町は、いちごとりんごでは県内生産1位を誇る、温暖な地域です。
今回は、「わすれない基金」で寄付をさせていただいた、『NPO法人住民互助福祉団体ささえ愛・山元』さんに、ご挨拶に伺ってきました。

まず、最寄駅を探してみたところ、Googleマップに常磐線の山下駅が出てきたので、理事長の中村さんに「山下駅で降りればよいですか?」とお電話したところ、「あ、その駅まで電車が来ていないので、手前の亘理駅まで迎えに行きますね」とのお返事。

・・・あ、そうか(ノ_< ;)
海の近くを走る電車は被災している可能性があること。ちょっと前だったら、あたり前のように想像していたことなのに、震災から1年半が過ぎて、無自覚に感覚が薄れているのを実感した瞬間でした。

中村さんに亘理駅まで迎えにきていただき、まずは被災した町の様子を案内していただきました。

雑草におおわれたここは...
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(私が知らずに乗るつもりでいた)常磐線の線路です。
垂れ下がった架線の様子から、かろうじて、ここが線路だったことがわかります。
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道路左側、木が繁っているところは、地域では古くから親しまれてきた八重垣神社。仮の社殿が設置されていました。

「この道路の両側にもビッシリ家が立ち並んでいたんです。でも跡形もなくなって」と、中村さんは車を走らせながら、震災以前の町の様子をお話してくださいました。この辺りは庭師さんがたくさんいて、それぞれの家のお庭もとても立派で、ビックリするくらいきれいなお庭があったのだと。
「ここも・・・ここも・・・立派なお庭があったんですけどね」
中村さんの目には震災前の町の情景が映っているように思えました。

走っていると、海岸沿いになにやら工場のような建物が見えてきました。
ガレキの処理施設でした。
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1km先の海岸線に建つ施設が見渡せます。
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山元町の南の端のほう、海からわずか数百メートルのところにある町立中浜小学校。
建物の屋根の下あたりに見える青いプレートが3月11日の津波到達ラインです。
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ここの小学校の生徒達は、学校側の機転で校舎の屋上部分(中村さんはシェルターと言っていました)に避難し、全員無事だったとのこと。

当時の傷跡を残す体育館
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ひととおりご案内いただいた後、ささえ愛・山元の通所施設にお邪魔しました。
ささえ愛・山元は、山元町で18年活動している高齢者福祉のNPO法人です。
震災で、海に近い施設は流され、職員3名・利用者3名が亡くなり、今回訪れたデイサービスのセンターも1階が大きな被害を受けました。

震災直後、職員や家族を亡くし、どうしたらいいかと途方にくれていたところ、これまでつながりのあった全国のNPOの人たちが支援物資を送ってきてくれたので、とにかくそれを避難所や自宅避難している方達に届けようと、無我夢中で動き続けたそうです。

でも、ふっとひと息ついたとき、自宅も流され家族も失い、職員の半分が被災しているなか、気持ちがなかなか再建に向かなかった...とも。そんなとき、全国からたくさんの人たちが応援に来てくれて、後押しをしてくれたことが大きかったと、中村さんは話してくださいました。

そして、いま再建に向けて一歩一歩進んでいる、『ささえ愛・山元』さんは、こじんまりしたアットホームな雰囲気を大切に、地域のお年寄りのよりどころを目指しています。

最後に中村さんから「震災があったこと、私たちのことを忘れないでください。企業や行政単位で復興は進んでいますが、一人ひとりの生活は、まだまだこれからなんです」と、メッセージをいただきました。

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施設の再建のための土地が必要なのだけど「地価が上がってしまって...」と悩みながらも、地域のお年寄りのために、とにかく前向きにがんばる中村さん(左)と、中村さんを支える事務長の馬場さん。

今回訪問した場所はこちら↓
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(はらだ まりこ)

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2012年09月21日

生きもの田んぼで楽しむ、かき氷

地球日記

こんにちは、伏見です。そろそろ稲刈りの季節を迎えるというのに、まだまだ暑い日が続いていますね。私は毎年、荒川流域の水保全を目的とした無農薬無化学肥料の米作りに取り組む見沼田んぼ(さいたま市見沼区)の「体験!生きもの田んぼ」に、友人たちと参加しています。

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「体験!生きもの田んぼ」は、人手が少なくなってしまった農家の方々を助ける〝援農〟であり、同時に市民の学習・体験・癒しの場となっています。山の水が集まって川になり、川の水が農業用水となって田んぼを流れ、一枚一枚の田んぼに養分を届け、稲を育て、周りの生き物を育てながら浄化され、地域全体を潤して海へと注がれていく...。この循環に欠かせないのが田んぼであり、流域の水ネットワークを次世代に残すためには、田んぼの保全が不可欠なんですね。こうしたことを私たちに教えてくれたのは、「水みち」の研究を20年以上続けてきた藤原さんが代表を務めるNPO法人水のフォルムの皆さんで、私たちの活動は水のフォルムの皆さんにご指導いただきながら進めています。

この活動には、企業の社員さんも参加しています。山から海へと健全に循環する水を次世代に残すために、美味しい米作りに家族で取り組むことはもちろん、田植え、生きもの調査、収穫などを通じて、水循環と生物多様性について考えよう!多様な生きものに出会える田んぼを、みんなでワイワイ楽しみながら守ろう!と、リコージャパン株式会社の有志社員が集まって、継続的な生物多様性保全活動として参加しているのです。

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先日、暦のうえでは秋を迎えたというのに真夏のような日差しがギラギラしている日のこと、草取りで集まった私たちは、昔ながらのかき氷機を用意してくれたリコージャパンの皆さんと一緒に手作りかき氷を楽しみました。青々とした稲に囲まれて食べるかき氷の味は格別でした。かき氷開催情報を聞いて地域の人が来てくれたり、通りすがりの農家の人が食べてくれたり、「かき氷の御礼だよ」と言って畑の無農薬きゅうりを持って来てくれたり...。子どもたちは何杯もおかわりして、大きな氷で遊び、用水路に落ち...。のんびりとかき氷を食べながら、ここに至るまでの道のりを思い出しました。

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はじめて活動に参加したのは2010年、田植え、草取り、稲刈りの他にも、田んぼ周辺の草刈りや用水路の清掃など、田んぼではたくさんのお仕事があって大忙しです。みんな慣れない作業ばかりで、最初の年は何をするにもオロオロと緊張しました。田植え前の水と土をかき混ぜる代掻き(しろかき)では、子どもたちもお手伝い...のはずが、田んぼプールで全身どろんこ!はしゃぎ過ぎて大切な畦を崩しそうになり、農家のかたに叱られてしまったこともありました。初めての田植えでは、苗を手にまごまごした上に、私たちが植えた苗の列はぐにゃぐにゃに曲がってしまいました。生き物調査では、雨降る中を子どもたちが夢中になって小さな水槽を覗いていました。どれもこれも、とても楽しい思い出です。最初の年にみんなで買った田んぼ用の長靴〝みのるくん〟も、日よけ帽も、みんな違和感なく着こなせるように(?)なりました。

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どろんこの風景が、夏には青田になり、秋には黄金色になります。景色や色の変化、生き物の変化、私たち参加者の変化...、いろんな楽しみがてんこ盛りの生きもの田んぼ体験。今年の稲刈りではどんなハプニングが待っていることか、今からとても楽しみです。

(伏見 聡子)

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2012年09月14日

アートキャンプで出会った宝物

地球日記

今年の夏、「Wonder Art Production 」さん主催のアートキャンプに事務局の長谷部と参加しました。

Wonder Art Productionは「アート」を通じて心の回復をサポートする活動を続けているNPO任意団体。病院をもっと温かな空間に、患者さんの心を癒すことを目指したホスピタルアートなどを実施しています。(Hospital Art Lab


今回のアートキャンプ『森のアート海のゲイジュツ』は、震災で心に大きな負担を抱えた子どもたちを対象に、自然体験と創作活動を通じた心のケアを目的として実施されました。

場所は静岡県御殿場市にある「国際青少年センター東山荘」。

晴れた日は富士山が一望できるこの場所に、福島から20人の小学生が集まりました。

アートキャンプの様子


バスの長旅を終えてやってきた子供たちと、さっそく寒沢の源流をたずねるネイチャープログラムに参加。小さな滝に打たれたり、細い丸太橋をこわごわ渡ったりしながら、川の流れに逆らい進んでいきます。

アートキャンプの様子


無事源流にたどり着くと、そこには普段ペットボトルで飲んでいるようなおいしい天然水が湧き出ていました。
みんな持参した水筒にめいっぱい水を汲んで、「つめたーい!」「うまい!」と感想をもらしながら、本当においしそうに飲んでいる笑顔がとても可愛かったです。


アートキャンプの様子


二日目は小富士散策。
富士山を登るのは初めてでしたが、5合目付近で雲が下に見えたときはちょっぴり感動。


アートキャンプの様子


午後のワークで使う落ち葉や松ぼっくりを拾いながら、細道をみんなで列になって歩いていきます。
小富士山頂にたどり着くと周囲の田畑や街が遠くまでよく見えて、思わずふかーく深呼吸。疲れが一気に吹き飛びます。ここではみんなでお弁当を広げて、雲の上のランチをしました。



午後は採集した落ち葉や枯れ枝を使って「植物の灯り」をつくるワークショップを行いました。

アートキャンプの様子


オレンジや黄色の葉、不思議な形をした木の実、ピンクの小さな花びら。
これらを自由に組み合わせ、クリスマスツリーにオーナメントをつけるような感覚で、大きな枝を思い思いに飾っていきます。


あまった自然物は自由時間を利用して、富士山の見える丘でランドアート。
全員の意見で「渦巻き型の時計」をつくることに。


夕日が沈みゆく中、できあがったのがこちら。

アートキャンプの様子


夜はLittle Voice of FUKUSHIMAのみなさんによる野外LIVE!
すすきのライトとみんながつくった「植物の灯り」が闇夜をやさしく照らし、会場の雰囲気をぐっと盛り上げてくれました。


アートキャンプの様子


そして最終日。
朝ごはんを食べたあと、木陰に集まってお別れ会をしました。
子どもたち一人ひとりがこのキャンプの感想を話してくれて、照れながらみんな「楽しかった」と言ってくれたことがとても嬉しい。
最後は一人ひとりとハグして、福島に帰るバスを見送りました。


3日間一緒に過ごす中で「去年からプールの授業はなくなった」「外で遊ぶの怖いよね」という声を耳にし、胸が苦しくなりました。

家に帰れば、ここにいた時のようには遊べない。
それでも彼女たちは、自分達の状況をちゃんと理解して受け止めていました。


目の前にいるのに何も出来ない自分が悔しくて悔しくて、繋ぎ止めるものを求めて、同じチームだった女の子4人に絵を描いて渡しました。

ノートをやぶって描いた4枚の絵に、すごく喜んだ顔を見た時
「ああ何も出来ないけど、それでも自分のできることをやろう」
と思いました。


無邪気な子どもたちといると自分も幼い頃に戻ったように驚いたり笑ったり、ありのままの感情に素直でいることができます。


もちろん思うことがうまく伝わらなかったり、わかってもらえないこともあります。でも大人たちが楽しんでると、子どもは自然とそれについてきてくれたりするものです。今回のアートキャンプでは、そんな子どもたちの行動力や優しさに何度も気付かされ、助けられもしました。


アートキャンプの様子

セミの抜け殻をブローチにしてた男の子。
花冠をつけて嬉しそうに微笑む女の子。
夜中の肝試しで貞子になりきる女子チーム。笑


今日は何をしてるのかな。

◯WONDER ART PROJECT◯
http://wonderartproduction.com/

◯ARTS for HOPE◯
http://artsforhope.info/


(関根 茉帆)

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2012年09月14日

夢舎夢舎のロールケーキをみんなで食べた、*meshi yori*東北お取り寄せ会

地球日記おすすめ info

こんにちは!伏見です。Think the Earthでは月に一度、オフィスにて*meshi yori*というランチ会を開催しています。

*meshi yori*とは「各家庭のご飯を持ち寄って、みんなでシェアする食事会」のこと。ハンバーグ、炒飯などのお題を決めて、同じおかずをシェアしてみんなでランチをしています。同じおかずなんて飽きちゃう~って思うかもしれませんが、その中身と味は実に多種多様です。たとえばハンバーグ一つでも、和風洋風の違いはもちろん、それぞれの家庭で当たり前だと思っていた具のチョイスや調理法が、地域やマンマの特別なものだったりするわけです。柔らか〜いハンバーグの秘密をシェアしたり、自分では当たり前だと思っていたことで意外な盛り上がりをみせるのが面白い!

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そして今月の*meshi yori*では、復興応援スペシャル企画・東北お取り寄せ会!
東北といえばお酒は欠かせないよね!ということで、この日は特別に就業時間後の開催となりました。青森の採れたて青りんご、バターせんべい、岩手の日本酒、りんご蜂蜜、しいたけ味噌、福島の会津地鶏飯、いか人参、山形のかぁちゃんが作ったコンニャク煮などなど。それはそれは贅沢な食卓となり、みんなのテンションも高かったですよ〜(笑)。

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私が選んだお取り寄せは、難民を助ける会(以下、AAR)の支援先の一つ、岩手県花巻市の菓子工房・夢舎夢舎のロールケーキ「夢ロール」です。福祉作業所の多くは、障害のある方々がお菓子などの商品を作って地域で販売し、収入を得ていましたが、東日本大震災で販路を絶たれ売上が激減しています。そこで、障害者や高齢者施設、在宅の障害のある方々に対する救援物資の配布など、弱者への支援を継続的に行なってきたAARでは、17ヶ所の福祉作業所商品の販路拡大を支援しています。少しでもお役に立てれば、との思いでネット注文したところ、夢舎夢舎の皆さんにとっても喜んでいただけたようで、丁寧なお手紙と、くされぼんずの愛らしいポストカードが入った夢ロールが届きました!

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「くされぼんず」は岩手の方言で、元気がいいこ、いたずらっこ、という意味だそうです。夢ロール、ポストカードはネットでも注文できます。これは本当に可愛い♡→夢舎夢舎オンラインショップ

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各家庭の味を楽しんで、そこから新しい発見やコミュニケーションが生まれる*meshi yori*は、自分の家庭の味を再発見する機会にもなります。皆さんもお友達や職場の仲間を誘って、*meshi yori*を開催してみませんか?皆さんの*meshi yori*の様子をぜひこちらでシェアしてください。楽しくて美味しい投稿、お待ちしてます♪

(伏見聡子)

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2012年09月07日

おとなが読みたくなる絵本を、電子書籍で楽しむ「アート絵本」

地球日記

皆さんは、おとなになってから絵本を眺めることはありますか?お子様がいるかたは、眠りにつくまで枕元で読んであげることがあるかもしれません。それも大切な時間ですが、時には自分のために、絵本を手にとってみてはいかがでしょうか?

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日本では、絵本=子どものための本というイメージが強く、実際に本屋さんを覗いても「児童書」のコーナーに並べられていることが多いのですが、絵本は子どもだけのものではありません。世界を見渡すと...、とっても素敵で心が癒される、おとなの方にこそ読んで欲しい絵本がたくさんあります!

たくさんの経験をして来たおとなだからこそ、絵本から多くのメッセージを受け取ることができたり、元気を取り戻す力につなげることができます。そんな絵本に魅せられた女性たちが、アートとして楽しめる本を「アート絵本」と名付け、一人でも多くの人の手に届けたいと願い、世界中の絵本を翻訳して電子書籍アプリとして世界出版をしている「アート絵本」という会社があります。フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、中国語など、各国の翻訳を専門とするスタッフが集まっていて、それはもう本当に幅広く、濃密に、世界中の作家さんと結ばれているのです。先日お邪魔した時には、専務(?)のこうすけ君も出迎えてくれて、明るくアットホームなオフィスに話が弾みました!

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私が、アート絵本の代表・山本さんに出会ったのは3年ほど前。ある企業の環境活動の象徴として、フランスの作家さんの作品をロゴに使わせていただいたのがきっかけでした。山本さんは、世界最大の国際児童書ブックフェアが行われているイタリア北部の街・ボローニャを毎年訪れていて、私がお会いした時にも、これから現地へ向かう直前ということで、フェアの盛り上がりや世界の出版業界の環境意識の変化などについて、熱心に教えていただきました。
(地球リポートに、ボローニャ国際児童書ブックフェアの様子が紹介されています)

アート絵本では、事業の強みを活かした復興支援活動にも取り組んでいます。東日本大震災が起きた2011年3月、2週間後に開催が決まっていたブックフェアのためボローニャを訪れる予定だった山本さんは、日本から離れるべき時なのか、さまざま思いが入り混ざり大変悩んだそうです。考えた末に訪問を決めたボローニャでは、ブックフェア会場にいる世界中の人から、日本を心配する声や、励ましの言葉をかけてもらい、とても心に響いたそうです。そして、その言葉を被災地へ届けたいと思った山本さんは、その場でその思いを手紙に綴り、世界中の作家さんの目に触れるようにフェアの各ブースに置いて帰国しました。

絵本作家のみなさま、私たち日本人の希望につながるようなイラストとメッセージをいただけませんか?

こうして、世界中の作家さんの手による温かいイラストとメッセージを被災地に届ける活動「Dear JAPAN」が始まりました。「Dear JAPAN」に賛同し、集まったイラストは137点。それぞれの作家さんから届いたメッセージを添えて、全国各地でパネル展を開催していますので、お近くで開催される際はぜひ足を運んでみてください!

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*世界25カ国、136人の絵本作家より届けられたイラストとメッセージのすべてが収録されているiphoneアプリは、1ダウンロード250円、そのうち100円が福島県の復興対策本部などに寄付されます。

(伏見聡子)

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2012年09月02日

「のらねこ算Tシャツ」42825さんの地域猫活動同行記

地球日記

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道端で出会う猫。いつからかどこからかやってきて、ある日気づいたらいなかったりして。

誰かが通り過ぎるいっぽうで、立ち止まって、手を差し伸べて、見守り続ける人もいます。

この夏、都会の真ん中で、地域の猫たちを見守る人たちに出会ってきました。
旅は道連れ、『ねこよみ』作者の砂山恵美子さんとともに・・・
ひさしぶりのTTE猫部レポにしばしおつきあいを。


教科書のない活動

neko_002.jpgおたずねしたのは「42825」の根井まりさん。ユニークな団体名ですね。新宿区内のとあるエリアで活動をされています。

都会の真ん中ですが、通りを1本奥に入ると緑が残る場所も。

ここは42825の主な活動拠点。入り口には新宿区と42825のポスターが。「野良猫を増やさないための取り組み」として、避妊去勢手術のすすめ、餌やりマナー、糞尿の片付けが紹介されています。neko_003.jpg

neko_004.jpg根井さんの案内で建物の裏をのぞいてみると...

neko_005.jpgいたいた。ちょうど日陰になっていて、涼しい風が吹き抜けていきます。さすがいい場所知ってるなー。

neko_006.jpg手早くお掃除をはじめる根井さん。

neko_007.jpg植え込みの中の糞も見逃さず。

neko_008.jpg猫の活動には教則本があるわけではありません。各団体が、それぞれ状況に対応しながら自分たちで方法を作り上げています。根井さんも同じ。ちなみに7つ道具は、カリカリごはん、ミニほうき、消毒剤、虫除けスプレーなど。

neko_009.jpgこの場所での活動は新宿区に許可をとり連携して行なっているため、道具置き場もあります。42825のロゴマーク、目立ちますね。

neko_010.jpg奥の物陰にトイレ&ご飯スペースを設置。人目もなくここなら落ち着けそう。お水を替え、食器をウェットティッシュで拭き、ご飯を準備します。

neko_011.jpgおっといつの間に。

neko_012.jpg「見かけない人がいるー」多少気にしつつ?まぐまぐ。

neko_013.jpgごろん(笑) 。
左の耳にカットがあります。これは避妊去勢手術スミですよ、というサイン。根井さんたちは3年で13匹の猫たちの避妊去勢手術を行いました。手術費はブログなどを通じてさまざまな方からの寄付でまかない、捕獲用のケージは新宿区から借りています。


「出る杭」になってみる?
neko_014.jpg根井さんと仲間の五十嵐さんに、活動をはじめたきっかけを聞きました。

この街に越してしばらく経ったある日、子猫の亡骸がゴミの集積所に置かれていました。車に轢かれたのを、だれかがそこに棄てていったようでした。根井さんはご主人とこの子を公園に埋葬してあげたそうです。(相談した交番の駐在さんは、「僕は何も聞きませんでした」と言いました)

いっぽうで、道路に餌やりが放置され残飯が散乱したもの、野良猫が集まる場所で生魚や肉のカタマリを投げ餌する人。それを見物する通行人。

「この街は一体どうなっているの?!」疑問がつのり、新宿区の行政に相談するなかで、めぐりめぐって出会ったのが保健所のベテラン職員「高木さん」でした。

高木さんは「新宿区は猫を処分しません。猫は愛玩動物ですから」ときっぱり言ったそうです。そして、根井さんに「あなた、地域猫活動をやってみなさい。出る杭になって、打たれてみなさい」とすすめました。

「そこから一線を越えましたね。まともな大人のするこっちゃない、と思っていた野良猫活動に、夫婦で手をだすことになったんです(笑)。」根井さんが街に来てから1年の月日が流れていました。

neko_015.jpgこうして42825の活動がスタートすることに。
高木さんがくれたアドバイスは2つ。

・活動は多くの人の目に触れる時間帯に行う
・仲間を増やしてグループを作る

その後、月に1度、新宿区で開催されている地域猫活動の連絡会議「人と猫の調和のとれたまちづくり連絡協議会」にも参加。素敵な「猫おばさん」の先輩たちとも情報交換しながら、試行錯誤で活動を続けてきました。

活動地にはきちんと張り紙を出し、住民とコミュニケーションを図ることも教わった知恵の一つです。neko_016.jpgここは、根井さんのパートナー、五十嵐さんの担当場所です。五十嵐さんは近所の会社に勤めていて、朝の出社時、夕方の退勤時にご飯や掃除などの活動を続けています。

張り紙は、ここで暮らしていた地域猫を引き取った方からの近況報告のお手紙でした。「あの子たちどうしたんだろう」と心配してくれる住民の方もいて、この手紙を読んで「新しい家族のところに行ったのね、安心した」と声をかけられたそうです。neko_017.jpg

とはいえ、地域の中には猫が嫌いな人、無関心の人、とさまざまな人がいます。活動への理解と協力を求めるのは楽ではありません。「ボランティアなんでしょ? 暇なんでしょ? あなたがすれば?」なんて言われてヘコんだり、給餌用のお皿を割られるような嫌がらせを受けたり...本当に大変です。勇気がいる。

根井さんたちが目指すのは、しなやかな出る杭。

「野良猫が気ままに生きていけないような街は、人だって、住みづらい街なんじゃないでしょうか。野良猫を介して、地域と交流しながら、ゆくゆくはそこに野良猫も含めたコミュニティが生まれ、活性化してやっと、野良猫は「地域猫」になっていけるのではないかと思います。」

neko_018.jpgそれには自分たちが楽しんで続けていけることが大事。かわいいロゴマークやポスターを作ったり、チャリティ・コンサートを行ったり、じわじわと活動を続けていくのが42825の方針です。

そして、この夏42825から生まれたのが「のらねこ算Tシャツ」。neko_019.jpg

餌やりをして増やすだけでなく、避妊去勢手術をして見守ろうというバックプリントのメッセージ。twitterやblogでも反響があったとか。

取材日には根井さんはもちろん、砂山さんも私も、このTシャツで参加していたのですが、通りがかりの方から、さっそく「それなあに?」と声をかけられました。
売上金は避妊去勢手術や餌代に使用されます。

ご興味のある方はこちらからぜひ。

のらねこ算Tシャツ
42825の活動

neko_020.jpg最後にみんなでパチリ。

◎同行取材いただいた砂山恵美子さんによる『ねこよみ』オレンジ君のおもしろレポート記事はコチラ
いいにゃb

(鳥谷美幸)

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