2012年09月02日

「のらねこ算Tシャツ」42825さんの地域猫活動同行記

地球日記

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道端で出会う猫。いつからかどこからかやってきて、ある日気づいたらいなかったりして。

誰かが通り過ぎるいっぽうで、立ち止まって、手を差し伸べて、見守り続ける人もいます。

この夏、都会の真ん中で、地域の猫たちを見守る人たちに出会ってきました。
旅は道連れ、『ねこよみ』作者の砂山恵美子さんとともに・・・
ひさしぶりのTTE猫部レポにしばしおつきあいを。


教科書のない活動

neko_002.jpgおたずねしたのは「42825」の根井まりさん。ユニークな団体名ですね。新宿区内のとあるエリアで活動をされています。

都会の真ん中ですが、通りを1本奥に入ると緑が残る場所も。

ここは42825の主な活動拠点。入り口には新宿区と42825のポスターが。「野良猫を増やさないための取り組み」として、避妊去勢手術のすすめ、餌やりマナー、糞尿の片付けが紹介されています。neko_003.jpg

neko_004.jpg根井さんの案内で建物の裏をのぞいてみると...

neko_005.jpgいたいた。ちょうど日陰になっていて、涼しい風が吹き抜けていきます。さすがいい場所知ってるなー。

neko_006.jpg手早くお掃除をはじめる根井さん。

neko_007.jpg植え込みの中の糞も見逃さず。

neko_008.jpg猫の活動には教則本があるわけではありません。各団体が、それぞれ状況に対応しながら自分たちで方法を作り上げています。根井さんも同じ。ちなみに7つ道具は、カリカリごはん、ミニほうき、消毒剤、虫除けスプレーなど。

neko_009.jpgこの場所での活動は新宿区に許可をとり連携して行なっているため、道具置き場もあります。42825のロゴマーク、目立ちますね。

neko_010.jpg奥の物陰にトイレ&ご飯スペースを設置。人目もなくここなら落ち着けそう。お水を替え、食器をウェットティッシュで拭き、ご飯を準備します。

neko_011.jpgおっといつの間に。

neko_012.jpg「見かけない人がいるー」多少気にしつつ?まぐまぐ。

neko_013.jpgごろん(笑) 。
左の耳にカットがあります。これは避妊去勢手術スミですよ、というサイン。根井さんたちは3年で13匹の猫たちの避妊去勢手術を行いました。手術費はブログなどを通じてさまざまな方からの寄付でまかない、捕獲用のケージは新宿区から借りています。


「出る杭」になってみる?
neko_014.jpg根井さんと仲間の五十嵐さんに、活動をはじめたきっかけを聞きました。

この街に越してしばらく経ったある日、子猫の亡骸がゴミの集積所に置かれていました。車に轢かれたのを、だれかがそこに棄てていったようでした。根井さんはご主人とこの子を公園に埋葬してあげたそうです。(相談した交番の駐在さんは、「僕は何も聞きませんでした」と言いました)

いっぽうで、道路に餌やりが放置され残飯が散乱したもの、野良猫が集まる場所で生魚や肉のカタマリを投げ餌する人。それを見物する通行人。

「この街は一体どうなっているの?!」疑問がつのり、新宿区の行政に相談するなかで、めぐりめぐって出会ったのが保健所のベテラン職員「高木さん」でした。

高木さんは「新宿区は猫を処分しません。猫は愛玩動物ですから」ときっぱり言ったそうです。そして、根井さんに「あなた、地域猫活動をやってみなさい。出る杭になって、打たれてみなさい」とすすめました。

「そこから一線を越えましたね。まともな大人のするこっちゃない、と思っていた野良猫活動に、夫婦で手をだすことになったんです(笑)。」根井さんが街に来てから1年の月日が流れていました。

neko_015.jpgこうして42825の活動がスタートすることに。
高木さんがくれたアドバイスは2つ。

・活動は多くの人の目に触れる時間帯に行う
・仲間を増やしてグループを作る

その後、月に1度、新宿区で開催されている地域猫活動の連絡会議「人と猫の調和のとれたまちづくり連絡協議会」にも参加。素敵な「猫おばさん」の先輩たちとも情報交換しながら、試行錯誤で活動を続けてきました。

活動地にはきちんと張り紙を出し、住民とコミュニケーションを図ることも教わった知恵の一つです。neko_016.jpgここは、根井さんのパートナー、五十嵐さんの担当場所です。五十嵐さんは近所の会社に勤めていて、朝の出社時、夕方の退勤時にご飯や掃除などの活動を続けています。

張り紙は、ここで暮らしていた地域猫を引き取った方からの近況報告のお手紙でした。「あの子たちどうしたんだろう」と心配してくれる住民の方もいて、この手紙を読んで「新しい家族のところに行ったのね、安心した」と声をかけられたそうです。neko_017.jpg

とはいえ、地域の中には猫が嫌いな人、無関心の人、とさまざまな人がいます。活動への理解と協力を求めるのは楽ではありません。「ボランティアなんでしょ? 暇なんでしょ? あなたがすれば?」なんて言われてヘコんだり、給餌用のお皿を割られるような嫌がらせを受けたり...本当に大変です。勇気がいる。

根井さんたちが目指すのは、しなやかな出る杭。

「野良猫が気ままに生きていけないような街は、人だって、住みづらい街なんじゃないでしょうか。野良猫を介して、地域と交流しながら、ゆくゆくはそこに野良猫も含めたコミュニティが生まれ、活性化してやっと、野良猫は「地域猫」になっていけるのではないかと思います。」

neko_018.jpgそれには自分たちが楽しんで続けていけることが大事。かわいいロゴマークやポスターを作ったり、チャリティ・コンサートを行ったり、じわじわと活動を続けていくのが42825の方針です。

そして、この夏42825から生まれたのが「のらねこ算Tシャツ」。neko_019.jpg

餌やりをして増やすだけでなく、避妊去勢手術をして見守ろうというバックプリントのメッセージ。twitterやblogでも反響があったとか。

取材日には根井さんはもちろん、砂山さんも私も、このTシャツで参加していたのですが、通りがかりの方から、さっそく「それなあに?」と声をかけられました。
売上金は避妊去勢手術や餌代に使用されます。

ご興味のある方はこちらからぜひ。

のらねこ算Tシャツ
42825の活動

neko_020.jpg最後にみんなでパチリ。

◎同行取材いただいた砂山恵美子さんによる『ねこよみ』オレンジ君のおもしろレポート記事はコチラ
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(鳥谷美幸)

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