2013年01月08日

じてんしゃ図書館の土居さん

プロジェクト裏話理事からのメッセージ


じてんしゃ図書館の土居一洋さんがThink the Earthのオフィスを訪ねてくださいました。

doisan2.jpg

土居さんは、2002年に出版した写真集『百年の愚行』に心打たれて、この本を図書館に買ってもらい、なるべく多くの人が出会って欲しいと願い、全国の図書館を巡る旅をしていました。

昨年末に7年10ヶ月に及ぶ、
その旅を終えたこともあって、会いに来てくれたのです。
訪ねた図書館はなんと2640館。

2004年に、ある本屋で『百年の愚行』に出会い、
出版されて2年になるこの本を自分が知らなかったことに驚いたそうです。
知人に話しても、みんな知らない。

近くの図書室を訪ねてみても置いていない。
検索したら本館の図書館には置いてあって、取り寄せることはできる。
でも土居さんは「本は本棚にないと出会うことができない。
図書館の役割はそこでしょう」と強く訴え、この本をもう一冊買って、
その小さな図書室にも置いてくれるように頼んだそうです。
図書館は、土居さんの頼みを聞いて買ってくれました。

それがきっかけとなって、土居さんは日本中の図書館を巡る旅に出ます。
アルバイトをしながら、日本各地の図書館を訪ねて交渉する旅です。
自分自身が図書館になればいいと、移動図書館もはじめます。
自転車に土居さんが大事だと思う本を乗せて約8年の旅をしたのです。
貸し出し方法もユニークで、借りた本は返さずに、
次に借りたい人に貸していいですよ、という仕組み。

土居さんの旅は地方地方で話題になり、たくさんのメディアで取り上げられ、
僕たちも、土居さんの活動を詳しく知ることになりました。

僕たちは確かにこの写真集を作り、
書店や図書館を通じて読者に届けてきました。
でも一人一人の読者の顔は案外見えないものです。
土居さんのような個人が、一冊の本の力を信じて、
その本と人が出会うチャンスを作ろうと行動されたことに
心からの驚きと感動を覚えました。

僕が土居さんとお会いするのは今日が初めてのこと。
電話では何度か話したことがあったのですが、東京に来られることの
少ない土居さんと会うチャンスはなかなか無かったのです。
きっといろんなことがあった8年間だっただろうけれども、
今日、直接じてんしゃ図書館のきっかけの話を気負い無く語ってくださり
お正月早々から、何かさわやかな風が、
代官山のオフィスを駆け抜けていった感じがしました。

今日はこれから故郷の鳴門に戻り、
いつかは本作りの仕事をしたいとおっしゃっていました。
土居さんなら、きっとすばらしい本を作るんじゃないかな。

実は今年、『百年の愚行』の続編を作りたいと思っています。
内容、作り方、売り方、いろんなことを徐々に考え始めています。

今回は土居さんとも、本を作る段階から
相談しながら作れたらと願っています。

土居さん、訪ねてくれてありがとう!
(上田壮一)

この記事へのリンク

« 10年間を振り返る「Think the Earth のしごと展」 | メイン | 障がいがあってもなくてもアイデアと工夫でスキーを楽しむ、NPOネージュ »