2013年08月30日

生命の限界に迫る!なぜ地球は生命に満ちあふれた惑星になり得たのか?「しんかい6500」見学会レポート(前編)

アースコミュニケーター

「しんかい6500」は生命の限界に迫る世界一周航海「QUELLE 2013」から一時帰港しました。2013年1月、有人潜水調査船「しんかい6500」を搭載した母船「よこすか」が海洋研究開発機構を出港。インド洋、南大西洋、カリブ海、そして南太平洋を約1年かけて巡ります。

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見学者の前に立つ櫻井司令(左)と4名のパイロット

はじめまして。アースコミュニケーターの望月銀子です。
夏真っ盛りの8月18日、神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構(JAMSTEC)へ行ってきました。

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京急追浜駅に集合。レポーター&取材陣は貸切りバスでJAMSTEC本部へ

誰しも考える問い 「―人はなぜ生命の根源を追い求めるのか?」

作品「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」は、フランスの画家ポール・ゴーギャンが1897年に描いた有名な絵画です。謎めいた題名に惹きつけられます。

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©Wikipedia

その命題を科学として研究している学問があります。「地球生命はどこから来てどこへ行くのか?」 そして「宇宙には地球生命以外の生命は存在するのか?」 という問いにチャレンジするのがアストロバイオロジー(宇宙生物学)です。自然科学分野間の学際領域として研究されています。私も地球生命の起源やE.T.の探求に興味があります。

未知なる深海の世界を探索するエクスプローラーに魅せらせて

7月1日に慶應義塾大学日吉キャンパスで行われたカリブ海とのライブ中継トークイベント「宙(そら)のがっこうー深海編ー/宇宙と深海はつながっている!しんかい6500&はやぶさ」に参加しました。モデレータは、はやぶさプロジェクトチームの矢野 創氏。中継先にいる地球生物学者の高井 研氏、会場には同じくJAMSTEC研究員の和辻智郎氏と、宇宙と深海における生命探査を熱く語られていました。皆さまの情熱と冒険心に触れて、地球生命探究に興味が湧き上がりました。

快晴の海日和!いざ、深海のアカデミアJAMSTEC本部へ

おりしも、今夏は深海ブームで上野の国立科学博物館で特別展「深海」が開催され、NHKでも「深海の巨大生物」が放送されたところでした。その発信源のJAMSTECが主催する「しんかい6500」特別見学会があり、取材へ出かけました。

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潜水調査船整備場前から臨む景色


深海へ潜るテクノロジーとメカニズムを熱く語るしんかい6500パイロット

まずは、「しんかい6500」の公開整備の様子を見学しました。櫻井利明司令が運航チームメンバーのご紹介と自作のプラモデルで有人潜水調査システムを解説して下さいました。
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自作プラモデルで「しんかい6500」テクノロジーを語る櫻井司令

6500mの深海へ26tもの重さがある調査船が潜るのは相当なテクノロジーが必要です。櫻井司令は、水圧に耐える潜水船の構造や潜航時の機能について説明してくれました。

● 深海へ潜るためのテクノロジー 耐圧殻(たいあつこく)
深度1万メートルの水圧に耐えるチタン合金製の球体。内径2.0mの狭い内部に潜航士2名と研究者1名が乗り込んで調査を行います。目的地が深海数千メートルの場合、1日8時間も潜航しているそうです。

● 深海の水圧に耐えるテクノロジー 浮力材
深く潜るほど水圧がのしかかります。潜水調査船は高い水圧に耐えられる強度が必要です。「しんかい6500」は、高い水圧でも変形することのない強度がある浮力材を使用しています

続いては、運航チームによる総合作動試験とマニピュレータ操作訓練を見せていただきました。見学者の中から選ばれた少年とネット中継のカメラが狭い耐圧殻に入りました。

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見学者が深海調査船の船内へ潜入

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約14cmの分厚いアクリル樹脂のぞき窓から船内を覗き込んでみた

整備点検のメインイベント!ロボットアームで捕獲活動

公開点検のラストは、マニピュレータのテストです。私たちの前で、櫻井司令がコントローラを操りながら説明してくれました。
実際は、パイロットは研究者の依頼を受けて、深海や熱水噴出抗などについたら、ロボットアームを巧みに操って、深海生物を獲ります。獲物はサンプル用バスケットに積込んで地上へ持ち帰れます。
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生物や海底の岩石の採取に使うマニピュレータの説明

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見学者から空き缶を持たされたロボットアームの力試し

そして次の見学は海洋科学技術館!なのですが、続きは後編でご紹介します。

生命の限界に迫る!なぜ地球は生命に満ちあふれた惑星になり得たのか?「しんかい6500」見学会レポート(後編)

(アースコミュニケーター 望月銀子)


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