2015年04月13日

サステナブルなファッションとは[セミナー&サロン]

セミナー&サロン

セミナー&サロン2014年度ラストにお迎えしたのは、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん。雑誌「VOGUE」「ELLE」を経て、2004年「marie claire(マリ・クレール)」の編集長を務めた生駒さんは、2008年の退任後も、エコリュクスやエシカルファッションをテーマに執筆や講演など幅広く活躍されています。今回のセミナーでは、社会派マリ・クレールを作った背景を中心に、サステナブルなファッションについてお話いただきました。

生駒芳子さん

80年代、ファッション雑誌の編集に携わっていた生駒さんは、パリコレクションやミラノコレクションを取材して、トレンドを伝える仕事をしていました。ボディコンや肩パッドの入ったジャケット、バブル期ならではの特徴的なファッションがブームを迎えるなか、ISSEY MIYAKEやYOHJI YAMAMOTOなど日本のファッションブランドが次々とパリコレデビューを果たします。豪華に飾り立てることが主流だったその頃のスタイルと比べて、黒を中心としたフラットでクリーンなデザインに新しい美学を感じた人も多く、「日本のデザイナーがヨーロッパを揺さぶった」と生駒さんは衝撃を受けたそうです。

会場の様子

日本のものづくりの力を実感する一方、海外と日本のファッション誌の違いに生駒さんは疑問を抱いていました。海外のファッション誌は流行のアイテムやショップ情報だけでなく、世界情勢や社会問題などを扱うことが多く、雑誌が啓蒙の手段になるという考え方があるそうです。しかし、当時そうした記事は日本に入ってくると抜き取られた状態で発刊されることがほとんどでした。

「毎月何万人という読者に見られるものだから、ただ儲かれば良いというのではなく、雑誌が与えるインスピレーションを大事にしたい。」メディアとしての使命を感じていた生駒さんは、2004年、編集長に任命された雑誌「マリ・クレール」で、女性のファッションだけでなく社会や世界の状況も発信していくことを決意します。

マリ・クレール時代のお話

2005年のホワイトキャンペーンでは「赤ちゃんと子どもの命を守ろう!」と誌面に大きく打ち出します。低体重児や養子縁組問題のレポート、アーティスト・Tシャツのチャリティ販売などを行ったこの企画は、読者だけでなく世界的な企業からも反響を呼びました。その頃、生駒さん自身子育てに苦労するなかで、自分以外の社会で出会う人たち全員親になってくれたら...と感じていたことから「社会で子育てができるように」という思いも込められていたそうです。

その他、2006年LOVEキャンペーン(日本人の愛のエンゲル係数を上げよう!)、2007年プラネットキャンペーン(地球規模で考えよう!)、2008年ローズキャンペーン(薔薇の花を売って、途上国の女子に教育の機会を与えよう)など、2008年10月に編集長を退任されるまでの間、様々なソーシャルテーマを特集されました。

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生駒さんのプロジェクト「 WAO」の冊子を読む参加者の方

「エシカルの表現のあり方は人それぞれでいい。」オーガニックやフェアトレードだけでなく、自分が気に入ったものを最後まで大事にすることもエシカルと言えるのではないでしょうか。生駒さんは自身が手がけるWAOプロジェクト(日本の伝統工芸とファッションをつなぐ活動)を紹介しながら続けます。

そんな生駒さんも、当時はラグジュアリーとエコにどこか距離を感じることがあったそうです。しかし、ルイ・ヴィトンなどの大きい企業が環境宣言をしたことから一気に結びつき、マリ・クレール編集長時代「エコリュクス(ecology+luxe)」という言葉を生み出します。企業のこうした取り組みは、やはりインパクトが強い。近年のコレクションを見ると、少しずつエシカルを打ち出すブランドが増え始めているそうです。ファッションは時代を映す鏡というだけでなく、社会を変えていく力も持っていることを、このお話から実感することができました。

生駒さん、ありがとうございました!

サステナブルにおしゃれを楽しむために、自分が選ぶブランドがどんなメッセージを発信しているのか、使い捨てではなく長く愛用できるデザインはどんなものがあるのか。これから服を買うとき、意識しながら探してみようと思います。

★Ethical Fashion College 今年も開講!★
http://efc.lee-japan.jp/
生駒芳子さんが理事長を務める「Ethical Fashion College」が来月5月9日(土)10日(日)に開催されます!ぜひお越し下さいね。

(関根茉帆)

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