2015年09月05日

対話の場を目指す「百年の愚行展」

お知らせ

こんにちは!Think the Earth広報の笹尾です。現在「百年の愚行展」@3331アーツ千代田を開催しています。

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Think the Earthが『百年の愚行』を発行したのは2002 年のことです。
あれから10年以上経過しましたが、今だに愚行は止まっていません。そこで、改めて「9.11」から「3.11」まで現代の「愚行」を象徴する事件や事象についてまとめた『続・ 百年の愚行』を 2014年に発行しました。出版する際には、クラウドファンディングReadyforを通じて支援頂ける方を募りました。

そして、今回の「百年の愚行展」も、開催するための資金をReadyforで集め、実施することができました。本当にありがとうございます!本展では、この 2 冊の書籍で紹介した 20 世紀から 21 世紀 にかけての愚行を象徴する写真を展示するほか、国内外で現在進行している様々な動きについても映像を使って紹介しています。

『百年の愚行』シリーズに込めたメッセージの一つは「行動すること」 です。そこで「百年の愚行展」の期間中、毎週金曜日にトークイベントを実施し、参加者のみなさんと一緒に考える場をつくることにしました。

8月28日(金)のゲストはコピーライターの並河進さん。並河さんは「ソーシャルコピー講座」と題して、難しい社会的課題をテーマに、みんなに伝わるコピー書くための技術を紹介して頂きました。

並河さん.JPGコピーライターの並河進さん

例えば、「身近な関係性に例える」「未来へのグッドシナリオを書く」「行動を起こす」「新しい言葉をつくる」などコピーを書く時、どんな切り口、モノの見方で考えればいいのか、具体例と丁寧な解説で分かりやすく説明してくれました。

並河さんの話を聞いた後は、参加者みんなで平和のためのコピーを考えます。30分間、もくもくとコピーを書く人、愚行展の写真を見つめる人、会場を歩き回る人・・・みんなそれぞれのスタイルでコピーを作っていきます。出来たコピーは並河さんが読み上げてみんなに共有&講評しました。

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集まったコピーをチェックする並河さん

「ケンカはしたら仲直り、人も国も」「投稿したくない日常を過ごしている人がいる」「少なくとも国の偉い人とうちの子どもの命は無関係だ」「誰かが勝てば、誰かが裏で泣いている」「振り向く、息子と妻は笑う」など、素晴らしいコピーがたくさんありました!

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今日の感想をシェアする参加者のみなさん

私自身8/15の終戦の日に実施された「ソーシャルコピー講座」 を受けて、本当に学びが多かったです。今まで完成したコピーを見ると、あまりにもすんなりと心に届くものだから、「自分でも考えられそう」なんて思っていたけれど、実際書いてみてその難しさを実感しました。

本来コピーは商品を伝える言葉だけど、各個人に言葉の技術がもっと広がれば、それを武器に自分が伝えたいことを的確に伝えられる。並河さんが教えてくれた「言葉をものさしにした視点の技術」は、個人がSNSを使い、情報発信を当たり前にするようになった今、誰もが必要としているスキルではないでしょうか。私は、もっとコピーの勉強をしてみたいと思いました。

そして先週9月4日(金)のゲストは元農水大臣の山田正彦さん。この日のテーマは「TPP」についてでした。(TPP= 環太平洋戦略的経済連携協定。Trans-Pacific Partnershipの略称)

TPPは一体何が問題なのか、みなさんご存知ですか?私が一番最初にイメージしたことは「海外の農作物が安く手に入るようになり、国内の農林水産業の立場が厳しくなる」ということ。でも、山田さんのお話を聞いてみると、どうやら問題はそれだけではありません。

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この日のトークイベントは元農水大臣の山田正彦さんとThink the Earth理事長の水野さんとの対談型式で行われました

今回話を聞いて、特に心配になったのは日本の医療制度への影響です。
今は病気になったら、国民健康保険を使って、適切な価格で病院に行くことができますね。けど、TPPに加盟した場合、自己負担型の診療が増えていく、つまり病院で高額な医療費を請求される可能性があるということです。私たちが今飲んでいる薬も、10倍以上高くなるかもしれません。

そうなると、高い医療費を払うために民間の保険に加入する必要がありますが、TPPに加入して、日本の医療制度がアメリカのようになれば、保険料自体が高くなり、医療を受けることができるのは、お金持ちの人だけになってしまいます。

もう10年も前の話ですが、タイで入院をしたことがあります。病院の設備は完璧で、タイの医療がとても発達していることに驚きました。でも、医療費が高額で一般の人は見てもらえない。病院に行けるのはお金持ちの人だけだと聞きました。その時私が払ったお金は一泊の入院でおよそ8万円(日本円に換算して)。これは、現地の人が普通に病院に行ける額じゃないと感じました。日本も同じようになってしまうのでしょうか?

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参加者の方からもたくさん質問を頂きました

他にも食品添加物の表示がなくなったり、公共サービスの価格が値上がりするなど、私たちの生活に関わる問題が本当にたくさんありました。知れば知るほど、疑問や不安がつのるTPPの問題。今後も、山田さんの活動を追いかけたいと思いました。

ご興味がある方は、山田正彦さんが推進するTPP交渉差止・違憲訴訟の会」をご覧下さい。

そして今週金曜日(9月11日)のゲストは「百年の愚行」に寄稿頂いた小説家の池澤夏樹さんです。テーマは「9.11から3.11まで――21世紀の愚行について考える」です。池澤さんのお話を聞けるチャンスはなかなかありません!ぜひ、ご参加下さい。

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※展覧会は9月27日(日)までです。

(笹尾 実和子)

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