2016年04月26日

第1回「地球のお医者さん」

地球日記

はじめまして、昨年12月からThink the Earthでインターンをさせて頂いている山下真奈です。この度、私が大学でクリエイティブと環境問題の課題解決について取組んできた1つのテーマについて、制作・実験・インタビュー等、これまで行なってきた課程の中で疑問に思ったこと、学んだこと、気づいたことを3回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

簡単な自己紹介をさせていただくと、私は小さな頃から何かモノをつくるということが大好きで、思うがままに手を動かし続けること十数年・・・気がつくと美術大学に通う大学生になっていました。

そんな美大生活3年目の昨年9月。私が所属するゼミにThink the Earthの上田さんを講師としてお招きした授業で、とある課題が出されたのです。それは「地球と健康」というテーマをもとに、自由に制作をするというもの。地球規模での問題解決を提案する・・・非常に壮大なテーマだと感じました。

以前から地球の抱える問題(=環境問題と私はとらえました)には関心を持っており、調査やレポートを行ったことがありました。なのでこの経験を生かし、なにか環境問題を解決することにつながるアイテムを作れたらいいなと思い制作に取りかかったのです。

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まずは「健康」から想像する様々な言葉を一生懸命思い浮かべてみました。そして頭の中で引っかかったのが、どこがどう悪いのかを診察し適切な処置をして、健康へと患者を導く「医者」というワード。そういえばこの世には様々なお医者さんがいるなと、ふと思い、試しに書き出してみると・・・人間のお医者さんはもちろんのこと、動物にもお医者さんはいます。細かく見れば内科医、外科医、心療内科医、眼科医、歯科医・・・。問題の数だけお医者さんがいる世の中になっていました。さらに調べものを続けていると、「樹木医」というお医者さんにたどり着きました。

突然ですが皆さんは「樹木医」の方とお会いしたことはありますか?人間のお医者さん、動物のお医者さんは身近にいることがありますが、植物のお医者さんというのはなかなか出会う機会が無いように思います。私自身にとっても、「樹木医」というものは未知なるお医者さんでした。

彼らは樹や植物が育つ為の土壌改善や環境の手入れ・見直しなどをして、それらの健康を保つお仕事をしているようです。樹や森が健康になるということは、豊かな「自然の恵み」を受け、動物やそのほかの生物も住処を得て繁栄していけるということ。また、その良質なサイクルが潤滑に行えるようになるということ、を指します。

そのことから樹木医は、大きな視野と長いスパンを持って"地球"のことを健康にしようとしている「地球のお医者さん」なのでは?と思いました。もちろん地球を健康にする「地球のお医者さん」は樹木医にとどまりません。どの問題に対して、どのように働きかけるか。その違いしかないのです。

ならば私もこの課題をきっかけに、「地球のお医者さん」として、「地球」を「健康」にしてみよう!と思い立ったのです。

数ある環境問題の中、私が「地球のお医者さんの仕事」として着手しようと決めたもの、それは、砂漠化問題でした。砂漠化が深刻な、サハラや内モンゴルなどでは居住区域や田畑が、押し寄せる砂漠に食われてしまっている現状。このままでは地球全土を巻き込む、食料不足問題が起こりかねないと言われています。この砂漠化問題を食い止めるために、砂漠の緑化を対策として考えました。なんとかして砂漠に植物を生やしたい!

そこで、バイオテクノロジーに詳しい知人から助言を頂きつつ・・・カラッカラに乾燥した、養分もほとんどない砂漠でも植物を育てることができるアイテムを作ってみました!

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「地球へのさしいれ」をコンセプトにしたこの地球おにぎり。その名の通り"地球に食べさせてあげる"アイテムです。何でできているかというと・・・使用済みの割り箸、オブラート、豆の種。これだけです。

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使用済みの割り箸を再利用することによって、自然に還してもゴミにならないエコ仕様となっています。作り方は、
①オブラートを溶かした水に細かく粉砕した割り箸を浸す。
②しっかりしみ込ませた割り箸に、具となる"タネ"をいれ・・・
③しっかり水気を切るように握る。
④日干しして完全に乾いたら完成!

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↓ちなみにこちらが完成した現物です!

\ じゃじゃんっ /

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あとはこれを土にうめて水をかけてやると、芽が出てくる。という、仕組みになっています。

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砂漠化した土地は、いわばカサカサのお肌。貯水するための"保水性"と"養分"が足りていません。なので雨が降ってもすぐ土が乾いてしまい、発育条件を満たすことができないのです。そこで割り箸という保水性ばっちりの素材を使い、発芽して、ある程度植物が育つまでの代わりの土壌として利用できないか、と考えたのです。またデンプンでできているオブラートを使うことによって、その粘り気によって粉砕した割り箸を1つにまとめることができますし、養分も保水性もさらに向上させることができます。

今回、地球おにぎりの具として豆の種を利用した理由は、豆が持つ「根粒菌」が砂漠でも力強く育つ手助けをしてくれ、食料不足問題のある現地での食料にもなると思ったからです。

制作を進めるうちに、もっと地球おにぎりの機能性をあげたいと考えるようになりました。そこで、実際に砂漠化の問題に取り組んでいらっしゃる専門家の方にも、お話を伺いました。砂漠の緑化対策に向けて研究をされている、中国OISCAの植物研究博士の冨樫 智(とがし さとし)さんです。

次回は冨樫さんにお話を伺った際のレポートをご紹介します。
それではまた!

(Think the Earthインターン 山下真奈)

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2016年04月25日

5月28日(土)「ザ・トルゥー・コスト」自主上映会@鎌倉

アースコミュニケーター

はじめまして、アースコミュニケーターの大谷と申します。
まずは今、熊本で、また他の場所で、不安や悲しみ、混乱にある方が、どうか、それぞれの心の中に、穏やかさ、平安や愛や希望を少しでも見出だせますように。心よりお祈りしております。

今回は、あるドキュメンタリー映画上映会の告知で、ブログを書かせて頂きます。

2013年4月に、バングラディッシュ・ダッカで、1100人以上の死者、2500人以上の負傷者を出す、縫製工場の崩壊事故がありました。この事故をきっかけに、アンドリュー・モーガン監督は、ファストフッション業界の裏側を撮ったドキュメンタリー映画「ザ・トルゥー・コスト」を創りました。

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アンドリュー・モーガン監督はまだ20代ということもあり、比較的ポップなドキュメンタリー映画です。問題の繋がりが分かりやすく、行動に導くパワーがあります。ファッション業界の現状を伝えるとともに、1991年からフェアトレードの仕組みを形にしてきた、People Tree 代表のサフィア・ミニーさんの活動も多く紹介されていています。

私は、このドキュメンタリーを見た時、誰かを犠牲にした上で成り立ってるものは続かない、それはどこから来て、どこへ行くのか?何を買うのか?その一つの行動が何に荷担してるのか?その服の背景で、バングラディッシュやインドでは何が起きているのか、どう問題は連鎖してるのか?もっと意識的に、俯瞰で地球規模で、注意深く観ていこうと思いました。

全ては知るところからスタート、といっても映画で表現できることも、ほんの切り取られた90分!これをきっかけに、人として、何を選択し続けるのか、自分の買い物で、人や地球をなるべく酷使しないように、笑顔に出来るように!勉強をし、できるかぎり愛ある一歩を選んでいきたいな、と思い、自主上映会を開催することとなりました。

★自主上映会@鎌倉&イベント情報★
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みらい祭り2016 「ザ・トルゥー・コスト」上映会

〈日時〉
2016/5/28(土)14:00(開場13:30)
※上映後ゲストトーク(16:30終演予定)

ゲスト:ピープルツリー企画マーケティング・シニアマネージャー
鈴木史(すずきふみ)氏 

〈会場〉
鎌倉生涯学習センター2階ホール(定員280名)
( 鎌倉市市小町1-10-5 )

〈チケット〉
①前売り1300円
②※5/5(木)開催 みらい祭り、ヨガピラティス1日フリーパスチケットと、同時購入800円
③当日1500円

http://www.sugata.co.jp/workshop/ka_workshop/8868

こちらの収益は、経費を除き、フェアトレードの支援、教育の支援をしている、グローバルヴィレッジに全て寄付させて頂きます。

※5/5木曜「鎌倉みらい祭り」
ヨガ、ピラティス鎌倉の7ヶ所で、1日フリーパス3000円
http://www.sugata.co.jp/workshop/ka_workshop/8837

〈申し込み、予約購入〉
お電話かメールで前売り予約、当日払いorSUGATA 鎌倉店にて店頭販売。

みらい祭り実行委員会事務局
(鎌倉SUGATA 内)
0467-33-5253
info★miraimatsuri.net   
(★の部分を@に変えてお送りください)

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ちなみに、4/24日に行われたピープルツリーさん主催の上映会で2回目、見させて頂きましたが、再度見てみて、印象に残ったことは、、その答えは、過酷な現状やそれに対比する先進国の有り様などではなく、笑顔、スマイルでした!

工場で働いてる23歳の母である女性が、家族に一年ぶりに会えた時の笑顔、子供とほのぼのなショット、フェアトレードで働いてる方が見せた笑顔、工場主が昔の良きころを想った目、ピープルツリーのサフィアさんの笑顔。

やっぱり人(私)は、笑顔が見たいし、美しいものが見たい。映像は本当に多くの情報を一瞬で伝えるツールです、CMやニュースしかり、どこを取るかで、物事は変わって見えます。真実を知っていく、一つと思って様々な角度から、自分の頭や目で真実を見つめようとして頂きたい。みらいのヴィジョンを探って頂きたいなと思います。

それでは、会場でお会い出来るのを楽しみにしております!
長々、本当にありがとうございます。

アースコミュニケーター 大谷友花

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2016年04月07日

5年で「終わり」ではなくて

忘れないプロジェクト

4月2日〜3日、忘れない基金で寄附をすることになった岩手県釜石市の一般社団法人三陸駒舎を訪ねてきました。

2019年のラグビーワールドカップのスタジアムが建設される釜石市鵜住居地区から内陸に20分ほど車を走らせると、三陸駒舎の事務所兼活動拠点となる古民家に到着します。
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ちなみにもう少し奥に進むと、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に指定された橋野高炉跡があります。

三陸駒舎は、ちょうど1年前の2015年4月に設立。
釜石市の復興支援コーディネーター(釜援隊)のスタッフだった黍原豊(きびはら ゆたか)さんは、活動を通じて子どもたちと接するうちに、子どもたちへの心のケアはこれからも必要ではないか、と考えるようになります。そんなとき、ホースセラピー(馬とのふれあいを通じて、心身の障害や心の病を癒す療法)を実践する寄田勝彦さん(現・三陸駒舎代表)と出会い、活動を立ち上げました。

事務所には、薪釜やロケットストーブもあって、それだけでワクワクしてきます。
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この土地には、昭和30年代頃までは馬とともにある暮らしがあり、南部曲り屋という、厩(うまや)と住宅が一体化した建物がありました(南部曲り屋は、いまは文化財として岩手県の各地で保存されています)。
ちょうど三陸駒舎を立ち上げようと、馬が飼える場所を探していた時に、築90年の南部曲り屋の古民家を貸してくださる方に出会ったのです。昨年から古民家の家主さんやボランティアの力を借りながら古民家再生を続けています。

黍原さん(中央)は、釜石に来る前にも、自然のなかで子どもたちの体験活動をサポートする仕事をしていたことがありました。左右はそれぞれ、兵庫県と岩手県の内陸・奥州市から来たボランティアさん。どこで写真を撮ろうかなと考えていると、兵庫県から夜行バスでやって来たという建築を勉強する学生ボランティア男子が、「曲り屋だってことがわかるように、ここのつなぎ目のところで撮りましょう」と提案してくれました。
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これから、馬を学校や復興住宅などに派遣したり、古民家での宿泊体験と乗馬体験などの活動をしながら馬と共にある暮らしの場づくりをすすめ、地域の資源を活かしつないでいきたいとのこと。
忘れない基金からの寄附は、これらの活動のスタートアップの資金に活用されます。
今月20日は待望の馬がやってきますよ。
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乗馬や古民家体験は、子どもはもちろん、おとなも大歓迎とのことなので、一度、訪ねてみてはいかがでしょうか。古民家改修のボランティアは随時募集中です。


◆釜石では、こんなところにも行ってきました。◆
市役所の近くにできた釜石情報交流センター。
映画上映やライブもできる多目的ホール「釜石PIT」や、
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ミッフィーカフェが入っていて、ゆっくりお話したりちょっと作業をしたりできる場所になっています。
すぐ隣にはイオンタウンもでき、さらに市民会館も建設中。
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三陸鉄道南リアス線の釜石駅では、ラグビージャージを着た猫がお出迎えしてくれます。
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◆釜石の北となりにある大槌町と、
  さらに北にある宮古市にも行ってきました◆

大槌町では、「一般社団法人おらが大槌夢広場」が行っている大槌町の語り部ガイド、赤崎さんに案内をしていただきました。

「(津波に飲まれた町の中心部を指して、)私の家はあそこにあったんですよ。津波が来ると思って、このお墓の斜面をみんなの肩を抱いて背中を押しながら、とにかく逃げました」
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震災前の町を、住んでいた人達で思い出を書き記しながら再現したジオラマ(左)と、町の再建計画(右)。上の写真はその中心部です。
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町を案内していただくと、まだあちこちに5年前の様子がわかるものが残されています。これは、津波後に発生した火災で溶けて割れてしまったお寺の鐘。赤崎さん達は、このお寺のお墓がある斜面を登って避難しましたが、お寺は津波と火事でなくなり、いまもプレハブの本堂です。
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●おらが大槌夢広場の研修・視察ツアーや語り部ガイドはこちらから。
http://www.oraga-otsuchi.jp/project/tourism/

〜〜〜

宮古市では、万里の長城と言われた防潮堤があった田老地区で、宮古市観光協会の「学ぶ防災」ガイド、小幡さんに案内をしていただきました。
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整備が進む一方で、津波でひしゃげた鉄柵が残っている堤防の一部をまだ見ることができます。これまで現地に出かけたことがないという方も、現場を訪れると何か得るものはあるのではないかと思います。
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住宅の高台移転が決まり、建設が進む高台から、かつての町を見下ろしたところ。左の白い建物が、震災遺構として残される「田老観光ホテル」です。この4月1日から始まったのですが、津波が来たときにこの建物から撮影した映像を、撮影した位置から見ることができます(予約制)。
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●宮古観光文化交流協会の学ぶ防災についてはこちらから。
http://www.kankou385.jp/pickup/548.html


震災から5年。
町づくりや復興住宅の建設は、多くの町で当初の予定通りではないものの、一歩一歩進んでいるように見えます。けれども、仮設住宅の入居者は岩手、宮城、福島3県で約5万人。災害公営住宅の建設進捗率は50%前後。昨年から順次入居は進んでいますが、そこからまた新しいコミュニティをつくり、地域の見守りを続けていくには時間がかかることでしょう。今回お会いした方達からも、仮設や災害公営住宅で孤独死をされた方のお話を幾度となく聞きました。

月日が経過するにしたがって、私たちが直接的にできるボランティアやお手伝いは、徐々に少なくなってきてはいると思います。けれども、小さいことですが、機会があれば現場を訪れ、忘れない基金を通じて、コミュニティ、人と人との紡ぎ直しのお力になれればと、改めて強く思いました。

あ、もちろん、美味しいものや素晴らしい景色、楽しい人達に出会う楽しみがあるのは言うまでもありません(^_^)

(はらだまりこ)


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