2016年05月17日

第3回「地球のお医者さん」

地球日記

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こんにちは。インターン生の山下真奈です。さて!第3回目、ついに最終回となる今回は・・・毎年3月に行われ、多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコースを広く知ってもらうことを目的に学生の課題作品を発表するプロジェクト「できごとのかたち展の2016年度」に出展された、久保亮太さんと半田早奈英さんの作品をご紹介します。

二人は私と同じく、Think the Earthの上田さんの授業を受講していたゼミ仲間です。初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」(※)というテーマの課題に対して、私と同様に制作をしていた二人はどのようなアプローチをしたのでしょうか。
※第1回「地球のお医者さん」

まずは久保亮太さんの作品を紹介します。
「江戸の時間で生きてみるツール」

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常に忙しなく、どこか生き急いでいるような現代人。そんな彼らに提案する、"江戸時代の時間で生活してみる"コンテンツです。江戸の人々は太陽の動きに合わせた「不定時法」という時間の刻み方で生活していました。そんな自然のリズムに合わせた、心にゆとりのある生活を現代でも送るために、不定時法に則って作られた日割りのスケジュール帳、それからその不定時法に合わせて鐘の音が鳴る、電子時計の二つのツールを制作しました。

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全部で4冊、春・夏・秋・冬の四季ごとのスケジュール帳となっています。和綴じをしていて、趣のある印象を受けます。江戸の時を感じる...という言葉にぴったり。

冊子の小口を見ていただくとわかるのですが、各季節ごとにオレンジの部分と青の部分の面積がちがいますよね。これは、その時々の「日照時間」を表しています。夏のスケジュール帳のオレンジの部分が多いのは、太陽の出ている時間が多いため。逆に冬のスケジュール帳の青の部分が多いのは、日照時間が少ないためです。

太陽の動きに合わせた「不定時法」に沿って作ったスケジュール帳ならではの工夫です。

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こちらは夏のスケジュール帳です。
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中身はこんな感じ。よく見ると、毎日毎週毎月、毎季節ごとに、時間の刻まれている間隔が違います。これは、昔の江戸の時間の刻み方「不定時法」の法則で作られているためなのですが、先ほどから何度か出てくるワード「不定時法」とは、一体何なのでしょうか?

不定時法とは、"夜明け"から"日暮れ"までの時間を6等分する時間法です。きっちりと時を刻む時計のような道具がなかった江戸時代以前までは、太陽の高さで大体の時刻を計る、この時間法が使われていたそうです。このスケジュール帳と電子時計は、そんな「不定時法」で毎日を過ごせるようなツールとなっているのです。

時の流れはいまも昔も一定で普遍的なもの。ですが、日の出と共に起き、日没と共に寝る...。そんな、自然と共にあるような過ごし方を江戸時代まではしていたんですね。

忙しく息の詰まるような現代の時の刻み方ではなく、自然と共に、ゆったりと、時を刻んで生きるということ。江戸の時を感じ現代人に「心のゆとり」を持たせるアイディアです。


次に半田早奈英さんの作品を紹介します。
「しゅうかん朝ごはん」

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朝ごはんを食べる、ということは日々の健康と深い関係があります。朝、きちんと食事を摂ることで気持ちよく、かつ健康的に一日を始められます。特に子どもにとってはとても大切なことです。

しかし、朝は食欲が出ず、嫌がってあまり朝ごはんをきちんと食べない子どももいます。しっかり朝ごはんを食べないと、栄養が頭に行かず、ぼんやり...体にもあまり力が入らず、だるくなってしまいます。朝ごはんをきちんと毎日食べる習慣をつけることは、成長期の子どもに特に重要なのです。

ですが、親にとって朝は忙しい...そこで、お皿を変えるだけで子どもが朝ごはんを進んで食べられる習慣をつくれ、手軽に朝ごはんに楽しさをプラスできる。そんな、一週間の朝ごはん用の日替わり紙皿を制作しました。

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種類は全部で、一週間分の7通り。カラフルでとても可愛らしいデザインです。それぞれに違う絵柄が印刷されていますが、なにやらところどころに何かを置けるような場所が...気になる使い方はこちら!

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朝ごはんを月曜日のお皿の上に乗せると、朝ごはんがキャラクターになりました!7つの違う"しかけ"がお皿に施されているので、朝ごはんをあまり食べられない子どもでもこれなら楽しく食卓に向かうことができそうですね。

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他にも、電球になって朝ごはんがぴかぴか光ったり、風船に連れられて飛んでいったり...様々な工夫が盛り込まれているので、明日はどんなご飯だろう?どんなお皿だろう?なんて、わくわくしますね!このお皿を使うことによって、朝ごはんをきちんと食べて、一日を元気よく健康に過ごしてもらいたい。そんな想いのつまったアイディアです。


こちらは「地球と健康」の課題の、最終プレゼンの様子です。作品の展示をし、受講者全員とその他の授業を担当していた先生方に対し、それぞれが作品をプレゼンします。

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「カバンの中身を整理して、心の整理整頓をするアイディア」

「"笑顔"を習慣づけ、心を健康にするアイディア」

「質の良い睡眠を促すアイディア」

「バーチャル温泉体験(!)」...などなど。

この「地球と健康」をテーマにした作品は、私や久保くん半田さんの3作品に限らず様々なアプローチのものがあり、どの作品も個性的でとても面白いものでした。

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「地球を健康にする」ことは、必ずしも地球の環境問題を改善する...ということではありません。

"地球"に住む人々、動物、そのほかいろんなもの・・・。

自分たちを取り巻く環境や生活を、よりよくしていくアイディアを考えること、行動をすること、発明をすること、提案をすること。なにか小さなきっかけから、自分やそのまわりの環境をよくしていくことはできます。それは誰かから気づかせてもらうこともあれば、自ずとひらめくこともあります。

その全てが「地球を健康にすること」であり、「地球のお医者さん」の仕事なのかなと、私は思います。また、地球おにぎりに関する広報のメディアとして「地球ドクター」というフリーペーパーを製作しました。こちらのPDFから内容の一部をお読みいただけますので、よろしければご覧下さい。

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今回は3回にわたりブログを読んでいただきありがとうございました!まだ、これからも「地球おにぎり」をより良いアイテムにしていくために、挑戦していきたいと思います。

(Think the Earthインターン 山下真奈)


「地球のお医者さん」全3回
第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html
第2回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/2-6.html
第3回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/3-1.html

協力
・OISCA中国 植物博士 冨樫智さん
・Think the Earth 上田壮一さん/ 曽我直子さん
・多摩美術大学情報デザイン学科 教授 宮崎光弘さん
・多摩美術大学情報デザイン学科4年 
  久保亮太くん(「江戸の時間で生きてみるツール」) 
  半田早奈英さん(「しゅうかん朝ごはん」)
  近岡麗華さん(第2回・第3回 写真提供)

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