2016年09月12日

講演「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」

地球日記

8月30日(日)、いつもお世話になっているデザイン会社「AXIS」で、講演がありました。

講演のゲストは、AXISで発行しているデザイン雑誌『AXIS』182号(2016年7月1日発売)のカバーを飾った、緒方慎一さんです。

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イベントの告知ページ(クリックでリンクに飛びます)


緒方さんは、和食料理店の「HIGASHI-YAMA Tokyo」や和菓子店「HIGASHIYA」の運営、陶・滋や漆プロダクトブランド「Sゝゝ(エス)」の展開など、和の文化を活かして新しいものを創りだしています。

緒方さんならではの哲学を、講演のタイトル「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」にもとづいて伺うことができました。

今回は、そのなかでも特に印象に残ったことについて書きたいと思います。


緒方さんによると、日本式は5つの形を持っているそうです。

・自然のかたち
・人間の感じるかたち
・陰陽のかたち
・儚いかたち
・無垢なかたち


この中でも興味深いと思ったのは、「自然のかたち」と「人間の感じるかたち」です。

まず、「自然のかたち」について語り始めた緒方さん。日本のものづくりは、すべて自然崇拝に繋がるのだそう。

日本人は、もともと自然の豊かな環境で暮らしてきました。

森で狩りをし、木の実を集め、海や川で漁をする......。自然に囲まれ、その恵みを受けながら暮らしていくうちに「自然=神様」という意識が生まれ、多神教になります。

そんな多神教の文化が他国の文化を取り入れ、和洋折衷な文化を生み出し、そこから現在の日本文化に繋がる「和」の美意識が生まれました。

日本文化の代表とされる"自然を生け捕る"借景や、"自然を見立てる"銀閣寺の「向月台」(庭園内にある、円錐形に盛られた砂の造形)、盆栽、和菓子などもその感性から生まれてきたのだそうです。

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銀閣寺の「向月台」


次の「人間の感じるかたち」は、ずばり"五感で感じる"ものを追求します。

例えば夏の窓辺に掛ける風鈴。高い澄んだ音色で、涼しさを演出します。暑さをしのぐ方法では、打ち水もよく行われていますね。これらは、人の感情に訴えかけ、心地よさをつくりだす"かたち"なのです。

緒方さんの作品である使い捨ての器「wasara」は、このエモーショナルなかたちを追求したもの。手漉きの紙のようなテクスチャーや手に馴染むかたちが、人の五感に働きかけ、心地よさを生み出します。

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WASARAのホームページ(クリックでリンクに飛びます)


講演後に、実際に手に取ってみましたが、手に乗る厚手の紙の重さと均されていない表面の触り心地が本当によく、「使い捨てとは本当にもったいない!」と思ったほど。

このお皿を普段使いできたら、一日一日をゆったりと過ごせるはずです。

講演のなかで緒方さんは「自分の活動は日本を意識してやってきたわけではなく、やってきたことを見たら、こうなっていた」と振り返ります。

わざわざ意識しなくてもにじみ出てくるものが、その人のルーツであり生きてきた環境そのものなのだ、と感じました。


◎緒方慎一さんが代表を務める会社
株式会社SIMPLICITY( http://www.simplicity.co.jp/ja/
◎緒方さんが運営するお店
八雲茶寮(http://yakumosaryo.jp/
HIGASHIYAMA-Tokyo(http://higashiyama-tokyo.jp/
HIGASHIYA(http://www.higashiya.com/
◎プロダクト
Sゝゝ(http://www.sss-s.jp/
WASARA(http://www.wasara.jp/


(松本麻美)

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2016年07月17日

新ソーシャルアクション企画塾「ラウンジ・スイッチ」がスタートしました

おすすめ infoお知らせ

みなさんは「おもいやりライト」ってご存知ですか?
おもいやりライトは、交通事故が一番多い時間帯(夕方16時〜18時)にヘッドライトの早期点灯を促し、交通事故を削減するための運動です。おもいやりライト運動はなんと今年で6年目。そこで新しい領域を照らそうと、一歩踏み出す人を応援するための新しい活動が始まりました。その名も「ラウンジ・スイッチ」。これから社会のために何かしたい!というポジティブなエネルギーをもった人たちと一緒に学び、活動するためのノウハウやマインドを共有するソーシャルアクション企画塾です。先日その第1回目が3×3lab futureで実施されました。

オープニングトークは思いやりライト運動プロデューサーの山名清隆さんとThink the Earthの上田の対談からスタートしました。二人は、ラウンジ・スイッチの支配人として、全7回の授業に参加者のみなさんと一緒に参加します。

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プロデューサーの山名清隆さん(左)とThink the Earthの上田(右)

山名さんと上田が今、キーワードとして考える「逸脱力」。自分たちがソーシャルデザインの活動を始めた10数年前は、「何か変わったことをしている人」という立ち位置でした。言うなれば「はみ出し者」だった二人。会社以外に何かを新しい事を始めるハードルがとても高かった。でも、今はSNSなどの進歩により、誰もが情報発信したり、会社以外で仲間を見つけて活動できる環境が作りやすくなったと言います。そこで、今度はソーシャルな活動をもうあと一歩進めるためのアイデアや方向性について議論は進んでいきます。

例えば、パブリックスペースを考える上で今、重要視されているタクティカルアーバニズム(TACTICAL URBANISM)という概念。バンクーバー ビエンナーレの事例では、水辺の何気ないスペースに彫刻を置くことで、市民の憩いの場になっているそうです。ちょっとしたクリエイティビティを加えることで、町が変わったのです。
(詳しい記事はこちら

また、2014年からパリでは市民参加型の予算編成を始めました。住民からどんな町にしたいか意見を募り、その中から予算を使うプロジェクトを住民投票で選ぶ制度です。
実際に、市民の意見を聞くための部署が設置され、5000のアイデアが集まり、さらに500に絞ったアイデアの中から、投票で選ばれたプロジェクトがすでに始まっているそうです。まさに今までにない、公共セクターを超えた逸脱セクションの誕生と言えます。

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二人の話を熱心に聞く参加者のみなさん

そうして数々の事例とアイデアを話した後は実際に企業と社会の境界線を飛び越えて活躍している今日のゲストの話へと移ります。第1回目の講師「 前橋〇〇部 」の藤澤さんの登場です!

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藤沢さんのスライドの1枚。ご自身の写真を大胆に使ったデザインが印象的

藤澤さんが2011年に前橋に戻った時に、地元の人に面白い場所や人を聞いても何も答えが返ってこなかったことに「ヤバい!ここには何もない!」と焦ったそうです。前橋は歴史的な建物もなく、文化的な世代間の会話もなかった。そして遊びに行くなら高崎に出ればいい、という空気感。
この状況を何とかしたいと考えていた時に、前橋自転車通勤部と出会います。何をしているかと言うと、単純に自転車で通勤をしている人たちの集まり。でも、小さなコミュニティの存在がそこにはありました。

そこで、「 前橋〇〇部 」と題して、前橋でたくさんの部を立ち上げることを思いつきました。パズルが好きならパズル部。パフェが好きならパフェ部。特に許可や申請の必要はなく、ゆるーい部活動の促進を、最初は一人でfacebookで部の立ち上げ宣言をしていました。そこで、序所に反応があり、次第に人が集まるようになりました。

前橋〇〇部の次は「前橋○○特区45DAYS」。前橋を〇〇特区にしたい、という市民の声を集める活動と、週末にはイベントを開催し、市民が集う場を、前橋市と共催で実現しました。ロゴからフライヤーまで藤澤さんご自身で手がけました。

昨年のアーカイブ動画

そして、最後には前橋でアイドルユニット「ハイタッチガールズ」を結成するまでに至ります。アイドルが町にいることで、場が華やかになる、そしてアイドルに会いにファンが来てくれる!元々アイドル好きだった藤澤さんは、「ハイタッチガールズ」のプロデュースに夢中になっていきます。この時のことを「猛烈に楽しかった!」と振り返る藤澤さん。しかし、楽しいだけではありません。悩みもたくさんありました。それはここだけの話として聞いたので、詳細はお伝え出来ませんが、最後は会場からは藤澤さんを応援する声で締めくくられました。

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成功したことも、失敗したこともすべてを包み隠さすお話してくれた藤澤さん。とっても素敵な方でした。

このラウンジ・スイッチはまだまだ続きます!
次回のLOUNGE SWITCHは7月19日(火)19:00~21:00でパクチーハウス東京の佐谷恭さんにお越し頂きます。次回からの参加、第2回のみの参加もOKなので、気になった方はお気軽にご参加下さい。詳しくはこちら

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最後はみんなで記念撮影!

(笹尾実和子)


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2016年05月18日

百年の愚行展@京都 会期は5月22日まで!

プロジェクト裏話おすすめ infoお知らせ

みなさん、ゴールデンウィークはどこかお出かけされましたか?今年は大型連休をとって、旅行に行った人も多かったのではないでしょうか。

私は、4月29日から「百年の愚行展」がオープンすることもあり、ゴールデンウィークの数日前から京都にいました。(と言っても、京都造形芸術大学に入り浸る毎日でしたが。笑)

今回の会場である京都造形芸術大学ギャルリ・オーブはとても広く、最初の設営は、パネルを動かして、壁を作ることからスタートしました。京都造形芸術大学の学生さんたちと一緒に、水平出しや作品の設置、ライティングまですべて自分たちの手で会場を作り上げました!(大変だった〜)こうして無事にオープン出来たことを、嬉しく思います。ぜひ、この機会に遊びに来て下さい。

「愚行展は見たいけど京都まで行けない!」という方もいますよね。
そこで、百年の愚行展@京都を詳しくご紹介したいと思います。

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こちらが会場のある京都造形芸術大学。とてもキレイな校舎で、夜遅くまで学生さんがラウンジに集まっていました。

gukou@kyoto2.JPG30段の階段を上がって左手に見える人間館に入ります。

gukou@kyoto3.JPG入口をまっすぐ進むと、看板が見えます。こちらを右に曲がると・・・

gukou@kyoto4.JPG着きました!ギャルリ・オーブです。

gukou@kyoto5.JPG看板やパネルも学生さんたちに手伝ってもらい、作りました。

gukou@kyoto6-1.JPG挨拶パネルは日英両方表記しています。

書籍『百年の愚行』は10章で構成されています。「海・川・湖沼」「大気」「森・大地」「動物」「大量生産・大量消費」「核・テクノロジー」「戦争」「差別・迫害」「難民」「貧困」。本展では、書籍に納められた100点の写真の中から92点を選び、章ごとにまとめて展示しました。

gukou@kyoto6-2.jpg最初の章「water(水)」です。

gukou@kyoto7-1.JPG「WATER(水)」の章は9枚の写真を展示しました。

gukou@kyoto8.JPG最初の展示ゾーンの全体図。壁に沿って、写真をみていきます。

gukou@kyoto9.JPGこちらは4番目の章「ANIMAL(動物)」の写真です。

gukou@kyoto10-1.JPG2番目の展示ゾーン。ここのスペースが一番広く、空間を贅沢に使って展示ができました。

gukou@kyoto10-2.JPG書籍も読めるように、展示してあります。

gukou@kyoto11.JPG2番目の展示ゾーン。

書籍『続・百年の愚行』は、21世紀の愚行を表す7つの章、「戦争・紛争」「弾圧・迫害」「差別・暴力」「貧困・格差」「メディア・情報」「環境・エネルギー」「核・原発」に序章と終章を加えた9つの章で構成されています。今回の展示では、『続・百年の愚行』に収録された約50点の写真をスクリーンに映し出しました。

gukou@kyoto12.JPG最後の展示ゾーン。一番奥のスクリーンで『続・百年の愚行』の写真が映しだされます


そして最後は、ゴアレーベンのポスターを展示しています。ゴアレーベンは北西約150kmに位置するドイツ北部の小さな町です。1977年、この村に核廃棄物最終処理センターを設置する計画が発表されました。住民たちは反対の意志をポスターによって訴え続けました。そして、2013年に計画は中断となりました。

gukou@kyoto13.JPGゴアレーベンのポスターは全部で20点、展示しました。


gukou@kyoto14.JPG原発はいらない!という強いメッセージが感じられます。


会期は残りあと数日です。ぜひ、たくさんの方に見て頂きたいと思います!

また、明日5月19日から21日の3日間は、『続・百年の愚行』の寄稿者でもある京都大学総長の霊長類学者、山極壽一さんをはじめ、マエキタミヤコさんやChim↑Pomリーダーの卯城竜太さんなど、多彩な顔ぶれが登場します。トークイベントは予約不要・入場無料なので、期間中に京都を訪れることがありましたら、ぜひお立ち寄りください。

◎スペシャルトーク
愚行の時代の文化と芸術

日時:2016年5月20日(金)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:山極壽一(霊長類学者。京都大学総長)×尾池和夫(地震学者。京都造形芸術大学学長)
司会:齋藤亜矢(芸術認知科学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研究所准教授)

◎ギャラリートーク
サステナビリティと文明

日時:2016年5月19日(木)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:マエキタミヤコ(コピーライター、クリエイティブディレクター。「サス
テナ」代表)×浅利美鈴(京都大学地球環境学堂 準教授)×小野塚佳代(京都造形
芸術大学大学院生)
司会:田中 勝(アーティスト、芸術平和学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研
究所准教授)

◎ギャラリートーク
愚行と狂気の時代に ーーアーティストができること

日時:2016年5月21日(土)15:00-16:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:高山 明(演出家、アーティスト。Port B主宰)×卯城竜太(アーティスト。
Chim↑Pomリーダー)
司会:小崎哲哉

百年の愚行展@京都

会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
   →京都市左京区北白川瓜生山2-116
期間:2016年4月29日(金)~5月22日(日)
時間:11:00-18:00(期間中無休)
料金:無料

(笹尾 実和子)

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2016年05月17日

第3回「地球のお医者さん」

地球日記

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こんにちは。インターン生の山下真奈です。さて!第3回目、ついに最終回となる今回は・・・毎年3月に行われ、多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコースを広く知ってもらうことを目的に学生の課題作品を発表するプロジェクト「できごとのかたち展の2016年度」に出展された、久保亮太さんと半田早奈英さんの作品をご紹介します。

二人は私と同じく、Think the Earthの上田さんの授業を受講していたゼミ仲間です。初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」(※)というテーマの課題に対して、私と同様に制作をしていた二人はどのようなアプローチをしたのでしょうか。
※第1回「地球のお医者さん」

まずは久保亮太さんの作品を紹介します。
「江戸の時間で生きてみるツール」

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常に忙しなく、どこか生き急いでいるような現代人。そんな彼らに提案する、"江戸時代の時間で生活してみる"コンテンツです。江戸の人々は太陽の動きに合わせた「不定時法」という時間の刻み方で生活していました。そんな自然のリズムに合わせた、心にゆとりのある生活を現代でも送るために、不定時法に則って作られた日割りのスケジュール帳、それからその不定時法に合わせて鐘の音が鳴る、電子時計の二つのツールを制作しました。

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全部で4冊、春・夏・秋・冬の四季ごとのスケジュール帳となっています。和綴じをしていて、趣のある印象を受けます。江戸の時を感じる...という言葉にぴったり。

冊子の小口を見ていただくとわかるのですが、各季節ごとにオレンジの部分と青の部分の面積がちがいますよね。これは、その時々の「日照時間」を表しています。夏のスケジュール帳のオレンジの部分が多いのは、太陽の出ている時間が多いため。逆に冬のスケジュール帳の青の部分が多いのは、日照時間が少ないためです。

太陽の動きに合わせた「不定時法」に沿って作ったスケジュール帳ならではの工夫です。

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こちらは夏のスケジュール帳です。
3_4B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

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中身はこんな感じ。よく見ると、毎日毎週毎月、毎季節ごとに、時間の刻まれている間隔が違います。これは、昔の江戸の時間の刻み方「不定時法」の法則で作られているためなのですが、先ほどから何度か出てくるワード「不定時法」とは、一体何なのでしょうか?

不定時法とは、"夜明け"から"日暮れ"までの時間を6等分する時間法です。きっちりと時を刻む時計のような道具がなかった江戸時代以前までは、太陽の高さで大体の時刻を計る、この時間法が使われていたそうです。このスケジュール帳と電子時計は、そんな「不定時法」で毎日を過ごせるようなツールとなっているのです。

時の流れはいまも昔も一定で普遍的なもの。ですが、日の出と共に起き、日没と共に寝る...。そんな、自然と共にあるような過ごし方を江戸時代まではしていたんですね。

忙しく息の詰まるような現代の時の刻み方ではなく、自然と共に、ゆったりと、時を刻んで生きるということ。江戸の時を感じ現代人に「心のゆとり」を持たせるアイディアです。


次に半田早奈英さんの作品を紹介します。
「しゅうかん朝ごはん」

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朝ごはんを食べる、ということは日々の健康と深い関係があります。朝、きちんと食事を摂ることで気持ちよく、かつ健康的に一日を始められます。特に子どもにとってはとても大切なことです。

しかし、朝は食欲が出ず、嫌がってあまり朝ごはんをきちんと食べない子どももいます。しっかり朝ごはんを食べないと、栄養が頭に行かず、ぼんやり...体にもあまり力が入らず、だるくなってしまいます。朝ごはんをきちんと毎日食べる習慣をつけることは、成長期の子どもに特に重要なのです。

ですが、親にとって朝は忙しい...そこで、お皿を変えるだけで子どもが朝ごはんを進んで食べられる習慣をつくれ、手軽に朝ごはんに楽しさをプラスできる。そんな、一週間の朝ごはん用の日替わり紙皿を制作しました。

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種類は全部で、一週間分の7通り。カラフルでとても可愛らしいデザインです。それぞれに違う絵柄が印刷されていますが、なにやらところどころに何かを置けるような場所が...気になる使い方はこちら!

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朝ごはんを月曜日のお皿の上に乗せると、朝ごはんがキャラクターになりました!7つの違う"しかけ"がお皿に施されているので、朝ごはんをあまり食べられない子どもでもこれなら楽しく食卓に向かうことができそうですね。

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他にも、電球になって朝ごはんがぴかぴか光ったり、風船に連れられて飛んでいったり...様々な工夫が盛り込まれているので、明日はどんなご飯だろう?どんなお皿だろう?なんて、わくわくしますね!このお皿を使うことによって、朝ごはんをきちんと食べて、一日を元気よく健康に過ごしてもらいたい。そんな想いのつまったアイディアです。


こちらは「地球と健康」の課題の、最終プレゼンの様子です。作品の展示をし、受講者全員とその他の授業を担当していた先生方に対し、それぞれが作品をプレゼンします。

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「カバンの中身を整理して、心の整理整頓をするアイディア」

「"笑顔"を習慣づけ、心を健康にするアイディア」

「質の良い睡眠を促すアイディア」

「バーチャル温泉体験(!)」...などなど。

この「地球と健康」をテーマにした作品は、私や久保くん半田さんの3作品に限らず様々なアプローチのものがあり、どの作品も個性的でとても面白いものでした。

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「地球を健康にする」ことは、必ずしも地球の環境問題を改善する...ということではありません。

"地球"に住む人々、動物、そのほかいろんなもの・・・。

自分たちを取り巻く環境や生活を、よりよくしていくアイディアを考えること、行動をすること、発明をすること、提案をすること。なにか小さなきっかけから、自分やそのまわりの環境をよくしていくことはできます。それは誰かから気づかせてもらうこともあれば、自ずとひらめくこともあります。

その全てが「地球を健康にすること」であり、「地球のお医者さん」の仕事なのかなと、私は思います。また、地球おにぎりに関する広報のメディアとして「地球ドクター」というフリーペーパーを製作しました。こちらのPDFから内容の一部をお読みいただけますので、よろしければご覧下さい。

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今回は3回にわたりブログを読んでいただきありがとうございました!まだ、これからも「地球おにぎり」をより良いアイテムにしていくために、挑戦していきたいと思います。

(Think the Earthインターン 山下真奈)


「地球のお医者さん」全3回
第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html
第2回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/2-6.html
第3回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/3-1.html

協力
・OISCA中国 植物博士 冨樫智さん
・Think the Earth 上田壮一さん/ 曽我直子さん
・多摩美術大学情報デザイン学科 教授 宮崎光弘さん
・多摩美術大学情報デザイン学科4年 
  久保亮太くん(「江戸の時間で生きてみるツール」) 
  半田早奈英さん(「しゅうかん朝ごはん」)
  近岡麗華さん(第2回・第3回 写真提供)

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2016年05月11日

第2回「地球のお医者さん」

地球日記

こんにちは。インターン生の山下真奈です。前回に引き続き、砂漠化問題についてのお話です。

自分なりのアプローチ方法を考え地球おにぎりの試作品を制作していた丁度その頃・・・、ゼミを担当していた宮崎先生と、Think the Earthの上田さんのご紹介で、実際に現地で活躍されリアルタイムで問題と向き合っている中国OISCAの冨樫智さんにお話を伺える機会をいただくことができました。

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それまではネットや本でしか知ることのできなかった「砂漠化問題」についての知識を、直接聞くことができた貴重な体験でした。その時のお話を紹介させていただきたいと思います。

冨樫さんは20代の頃から内モンゴルに入り砂漠化の対策に関わってきたといいます。当初を振り返り、自身の失敗談を語ってくださいました。

まずは現地の方の協力を得ることが大変だった、と言います。砂漠化をとめるための植林活動ですが、もっとも適した時期として春先に実作業を行うのが効率的なのだそうです。けれど春先というのは現地の方々にしてみれば、農作業や放牧などの生業で忙しい時期なのです。

また、現地の方にしてみると自然というものは永久資源である、と考えているところがあったらしく、植林作業の必要性に共感してくれず、なかなか自分たちの活動に積極的な思いを抱いてくれなかったのだそうです。

また、植林する植物の種類も間違えていた、と言います。当初、ポプラなどの生長が早く、しかも用材として注目されていた種類のものを使用していたそうなのですが、ポプラの特性上、生長するのにたくさんの水分を必要としていたため、降雨量の少ない内モンゴルでは枯れてしまい、対策には不向きだと分かったそうです。

このような、「どんな植物の種類」が向いているのかということも、長期スパンで実験をしなくてはならない環境問題の解決。1年に1、2回ほどしかできない長期にわたる実験をずっと繰り返してきたそうです。

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さて、現在中国の内モンゴルの方で研究を行われているそうなのですが、この地域では年々人口増加が進み、また砂漠化による耕地面積の減少も著しく、食糧問題が注目されています。このペースで行くと数年後には食べ物が足りなくて飢餓の問題に発展していくので、早急な対策が必要となっています。具体的な対策としては禁牧政策によって放牧の制限をし、耕地面積を少しでも広げたり・・・みなさんも耳にしたことがあると思いますが、一人っ子政策なども行われています。

冨樫さんのお話を聞き、中国では砂漠化という問題から二次被害の段階である食糧難を対策するレベルにまで、人々の生活に影響を及ぼしてきている状況なのだと知ることができました。

これからのこの問題に対する対策としては乾燥地域における耕地面積の増加がテーマとなってくるそうです。そうなると、やはり土壌改善の対策が必要となってきます。今まで行ってきたことの具体的な内容としては、バクテリアを砂に混ぜたり、固砂材を領したり・・・様々なことをされてきたそうです。

バクテリアというのは人間と同じで、ストレスを与えると多糖質という糖質を分泌します(私たちも疲れると、甘いものが食べたくなることがありますよね)。その糖質が土壌の栄養素となってくれるのだそうです。乾燥地帯に対して適した性質を持ち、土壌の改善に一役買ってくれています。

また固砂材というのは、砂の硬さを調節する薬のことです。植物が育つためには、「土壌硬度」というものが重要になってきます。その植物が育つのに適した土壌硬度よりも固い土壌だと、根が地面にもぐれず、うまく根付きません。畑を耕すという作業は、土壌硬度の調整をする作業なんですね。また柔らかすぎても風などの自然の力で砂や土が動いてしまい、植物がうまく根付かず、枯れてしまうのだそうです。それを防ぐため、大地を固めるのがこの薬の役割なんだそうです。

さて、次に冨樫さんが今具体的に行っている、環境対策のお話を聞かせていただきました。乾燥地帯での植林に適した種類の樹木を模索している、ということを前述しましたが、今あらたに注目されているのがソウソウ(梭梭)という植物。

このようにとても細かい種子です。

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ソウソウという植物は「砂漠のマングローブ」と呼ばれる自生植物らしく、一度根をはってしまえばなかなか枯れず、またあまり水分を必要としないので非常に生命力の強い植物として注目されているそうです。現地ではこのソウソウにホンオニク(漢方薬)という種子を寄生させて栽培する研修を行っています。

このホンオニクという漢方薬が非常にいいお金になるらしく、禁牧政策で生活基盤を失った方々がこれで生活をし始めたそうです。緑化しながら生活基盤を整えられ、一石二鳥ですね!

しかしこのソウソウという植物、とても速いスピードで発芽するものの、根付きが悪く、苗まで生長させることが非常に難しいそうです。今は苗まで育ったものを砂漠化した土壌に移し、根付かせるという方法を行っているそうなのですが、栽培が難しく時間的コストもかかるため、砂漠という厳しい環境には適しているものの実際に使用していくのにはまだまだ改善点が必要なようです。

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今回おはなしを聞かせていただく際に私が試作した地球おにぎりを見ていただいたところ、この割り箸をつかい、ソウソウを種子からうまく生長させられるようなアイテムができたら現地で役に立つのではないかとのご意見をいただくことができました。

けれど砂漠化に対して有効なデザインとしては、まだ形態が改善の余地があるのでは・・・というアドバイスもいただき、この地球おにぎりにはまだのびしろがあるな~と個人的に感じたのでした。

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それでは最後、第3回の記事では、初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」というテーマに対して、私以外にも解決を模索していたゼミ仲間の作品を少し紹介させていただこうと思います。

彼らは「地球と健康」に対して、どのようなアプローチをしたのでしょうか・・・?お楽しみに!

(Think the Earthインターン 山下真奈)

第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html

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2016年04月26日

第1回「地球のお医者さん」

地球日記

はじめまして、昨年12月からThink the Earthでインターンをさせて頂いている山下真奈です。この度、私が大学でクリエイティブと環境問題の課題解決について取組んできた1つのテーマについて、制作・実験・インタビュー等、これまで行なってきた課程の中で疑問に思ったこと、学んだこと、気づいたことを3回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

簡単な自己紹介をさせていただくと、私は小さな頃から何かモノをつくるということが大好きで、思うがままに手を動かし続けること十数年・・・気がつくと美術大学に通う大学生になっていました。

そんな美大生活3年目の昨年9月。私が所属するゼミにThink the Earthの上田さんを講師としてお招きした授業で、とある課題が出されたのです。それは「地球と健康」というテーマをもとに、自由に制作をするというもの。地球規模での問題解決を提案する・・・非常に壮大なテーマだと感じました。

以前から地球の抱える問題(=環境問題と私はとらえました)には関心を持っており、調査やレポートを行ったことがありました。なのでこの経験を生かし、なにか環境問題を解決することにつながるアイテムを作れたらいいなと思い制作に取りかかったのです。

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まずは「健康」から想像する様々な言葉を一生懸命思い浮かべてみました。そして頭の中で引っかかったのが、どこがどう悪いのかを診察し適切な処置をして、健康へと患者を導く「医者」というワード。そういえばこの世には様々なお医者さんがいるなと、ふと思い、試しに書き出してみると・・・人間のお医者さんはもちろんのこと、動物にもお医者さんはいます。細かく見れば内科医、外科医、心療内科医、眼科医、歯科医・・・。問題の数だけお医者さんがいる世の中になっていました。さらに調べものを続けていると、「樹木医」というお医者さんにたどり着きました。

突然ですが皆さんは「樹木医」の方とお会いしたことはありますか?人間のお医者さん、動物のお医者さんは身近にいることがありますが、植物のお医者さんというのはなかなか出会う機会が無いように思います。私自身にとっても、「樹木医」というものは未知なるお医者さんでした。

彼らは樹や植物が育つ為の土壌改善や環境の手入れ・見直しなどをして、それらの健康を保つお仕事をしているようです。樹や森が健康になるということは、豊かな「自然の恵み」を受け、動物やそのほかの生物も住処を得て繁栄していけるということ。また、その良質なサイクルが潤滑に行えるようになるということ、を指します。

そのことから樹木医は、大きな視野と長いスパンを持って"地球"のことを健康にしようとしている「地球のお医者さん」なのでは?と思いました。もちろん地球を健康にする「地球のお医者さん」は樹木医にとどまりません。どの問題に対して、どのように働きかけるか。その違いしかないのです。

ならば私もこの課題をきっかけに、「地球のお医者さん」として、「地球」を「健康」にしてみよう!と思い立ったのです。

数ある環境問題の中、私が「地球のお医者さんの仕事」として着手しようと決めたもの、それは、砂漠化問題でした。砂漠化が深刻な、サハラや内モンゴルなどでは居住区域や田畑が、押し寄せる砂漠に食われてしまっている現状。このままでは地球全土を巻き込む、食料不足問題が起こりかねないと言われています。この砂漠化問題を食い止めるために、砂漠の緑化を対策として考えました。なんとかして砂漠に植物を生やしたい!

そこで、バイオテクノロジーに詳しい知人から助言を頂きつつ・・・カラッカラに乾燥した、養分もほとんどない砂漠でも植物を育てることができるアイテムを作ってみました!

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「地球へのさしいれ」をコンセプトにしたこの地球おにぎり。その名の通り"地球に食べさせてあげる"アイテムです。何でできているかというと・・・使用済みの割り箸、オブラート、豆の種。これだけです。

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使用済みの割り箸を再利用することによって、自然に還してもゴミにならないエコ仕様となっています。作り方は、
①オブラートを溶かした水に細かく粉砕した割り箸を浸す。
②しっかりしみ込ませた割り箸に、具となる"タネ"をいれ・・・
③しっかり水気を切るように握る。
④日干しして完全に乾いたら完成!

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↓ちなみにこちらが完成した現物です!

\ じゃじゃんっ /

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あとはこれを土にうめて水をかけてやると、芽が出てくる。という、仕組みになっています。

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砂漠化した土地は、いわばカサカサのお肌。貯水するための"保水性"と"養分"が足りていません。なので雨が降ってもすぐ土が乾いてしまい、発育条件を満たすことができないのです。そこで割り箸という保水性ばっちりの素材を使い、発芽して、ある程度植物が育つまでの代わりの土壌として利用できないか、と考えたのです。またデンプンでできているオブラートを使うことによって、その粘り気によって粉砕した割り箸を1つにまとめることができますし、養分も保水性もさらに向上させることができます。

今回、地球おにぎりの具として豆の種を利用した理由は、豆が持つ「根粒菌」が砂漠でも力強く育つ手助けをしてくれ、食料不足問題のある現地での食料にもなると思ったからです。

制作を進めるうちに、もっと地球おにぎりの機能性をあげたいと考えるようになりました。そこで、実際に砂漠化の問題に取り組んでいらっしゃる専門家の方にも、お話を伺いました。砂漠の緑化対策に向けて研究をされている、中国OISCAの植物研究博士の冨樫 智(とがし さとし)さんです。

次回は冨樫さんにお話を伺った際のレポートをご紹介します。
それではまた!

(Think the Earthインターン 山下真奈)

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2016年04月25日

5月28日(土)「ザ・トルゥー・コスト」自主上映会@鎌倉

アースコミュニケーター

はじめまして、アースコミュニケーターの大谷と申します。
まずは今、熊本で、また他の場所で、不安や悲しみ、混乱にある方が、どうか、それぞれの心の中に、穏やかさ、平安や愛や希望を少しでも見出だせますように。心よりお祈りしております。

今回は、あるドキュメンタリー映画上映会の告知で、ブログを書かせて頂きます。

2013年4月に、バングラディッシュ・ダッカで、1100人以上の死者、2500人以上の負傷者を出す、縫製工場の崩壊事故がありました。この事故をきっかけに、アンドリュー・モーガン監督は、ファストフッション業界の裏側を撮ったドキュメンタリー映画「ザ・トルゥー・コスト」を創りました。

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アンドリュー・モーガン監督はまだ20代ということもあり、比較的ポップなドキュメンタリー映画です。問題の繋がりが分かりやすく、行動に導くパワーがあります。ファッション業界の現状を伝えるとともに、1991年からフェアトレードの仕組みを形にしてきた、People Tree 代表のサフィア・ミニーさんの活動も多く紹介されていています。

私は、このドキュメンタリーを見た時、誰かを犠牲にした上で成り立ってるものは続かない、それはどこから来て、どこへ行くのか?何を買うのか?その一つの行動が何に荷担してるのか?その服の背景で、バングラディッシュやインドでは何が起きているのか、どう問題は連鎖してるのか?もっと意識的に、俯瞰で地球規模で、注意深く観ていこうと思いました。

全ては知るところからスタート、といっても映画で表現できることも、ほんの切り取られた90分!これをきっかけに、人として、何を選択し続けるのか、自分の買い物で、人や地球をなるべく酷使しないように、笑顔に出来るように!勉強をし、できるかぎり愛ある一歩を選んでいきたいな、と思い、自主上映会を開催することとなりました。

★自主上映会@鎌倉&イベント情報★
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みらい祭り2016 「ザ・トルゥー・コスト」上映会

〈日時〉
2016/5/28(土)14:00(開場13:30)
※上映後ゲストトーク(16:30終演予定)

ゲスト:ピープルツリー企画マーケティング・シニアマネージャー
鈴木史(すずきふみ)氏 

〈会場〉
鎌倉生涯学習センター2階ホール(定員280名)
( 鎌倉市市小町1-10-5 )

〈チケット〉
①前売り1300円
②※5/5(木)開催 みらい祭り、ヨガピラティス1日フリーパスチケットと、同時購入800円
③当日1500円

http://www.sugata.co.jp/workshop/ka_workshop/8868

こちらの収益は、経費を除き、フェアトレードの支援、教育の支援をしている、グローバルヴィレッジに全て寄付させて頂きます。

※5/5木曜「鎌倉みらい祭り」
ヨガ、ピラティス鎌倉の7ヶ所で、1日フリーパス3000円
http://www.sugata.co.jp/workshop/ka_workshop/8837

〈申し込み、予約購入〉
お電話かメールで前売り予約、当日払いorSUGATA 鎌倉店にて店頭販売。

みらい祭り実行委員会事務局
(鎌倉SUGATA 内)
0467-33-5253
info★miraimatsuri.net   
(★の部分を@に変えてお送りください)

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ちなみに、4/24日に行われたピープルツリーさん主催の上映会で2回目、見させて頂きましたが、再度見てみて、印象に残ったことは、、その答えは、過酷な現状やそれに対比する先進国の有り様などではなく、笑顔、スマイルでした!

工場で働いてる23歳の母である女性が、家族に一年ぶりに会えた時の笑顔、子供とほのぼのなショット、フェアトレードで働いてる方が見せた笑顔、工場主が昔の良きころを想った目、ピープルツリーのサフィアさんの笑顔。

やっぱり人(私)は、笑顔が見たいし、美しいものが見たい。映像は本当に多くの情報を一瞬で伝えるツールです、CMやニュースしかり、どこを取るかで、物事は変わって見えます。真実を知っていく、一つと思って様々な角度から、自分の頭や目で真実を見つめようとして頂きたい。みらいのヴィジョンを探って頂きたいなと思います。

それでは、会場でお会い出来るのを楽しみにしております!
長々、本当にありがとうございます。

アースコミュニケーター 大谷友花

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2016年04月07日

5年で「終わり」ではなくて

忘れないプロジェクト

4月2日〜3日、忘れない基金で寄附をすることになった岩手県釜石市の一般社団法人三陸駒舎を訪ねてきました。

2019年のラグビーワールドカップのスタジアムが建設される釜石市鵜住居地区から内陸に20分ほど車を走らせると、三陸駒舎の事務所兼活動拠点となる古民家に到着します。
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ちなみにもう少し奥に進むと、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に指定された橋野高炉跡があります。

三陸駒舎は、ちょうど1年前の2015年4月に設立。
釜石市の復興支援コーディネーター(釜援隊)のスタッフだった黍原豊(きびはら ゆたか)さんは、活動を通じて子どもたちと接するうちに、子どもたちへの心のケアはこれからも必要ではないか、と考えるようになります。そんなとき、ホースセラピー(馬とのふれあいを通じて、心身の障害や心の病を癒す療法)を実践する寄田勝彦さん(現・三陸駒舎代表)と出会い、活動を立ち上げました。

事務所には、薪釜やロケットストーブもあって、それだけでワクワクしてきます。
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この土地には、昭和30年代頃までは馬とともにある暮らしがあり、南部曲り屋という、厩(うまや)と住宅が一体化した建物がありました(南部曲り屋は、いまは文化財として岩手県の各地で保存されています)。
ちょうど三陸駒舎を立ち上げようと、馬が飼える場所を探していた時に、築90年の南部曲り屋の古民家を貸してくださる方に出会ったのです。昨年から古民家の家主さんやボランティアの力を借りながら古民家再生を続けています。

黍原さん(中央)は、釜石に来る前にも、自然のなかで子どもたちの体験活動をサポートする仕事をしていたことがありました。左右はそれぞれ、兵庫県と岩手県の内陸・奥州市から来たボランティアさん。どこで写真を撮ろうかなと考えていると、兵庫県から夜行バスでやって来たという建築を勉強する学生ボランティア男子が、「曲り屋だってことがわかるように、ここのつなぎ目のところで撮りましょう」と提案してくれました。
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これから、馬を学校や復興住宅などに派遣したり、古民家での宿泊体験と乗馬体験などの活動をしながら馬と共にある暮らしの場づくりをすすめ、地域の資源を活かしつないでいきたいとのこと。
忘れない基金からの寄附は、これらの活動のスタートアップの資金に活用されます。
今月20日は待望の馬がやってきますよ。
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乗馬や古民家体験は、子どもはもちろん、おとなも大歓迎とのことなので、一度、訪ねてみてはいかがでしょうか。古民家改修のボランティアは随時募集中です。


◆釜石では、こんなところにも行ってきました。◆
市役所の近くにできた釜石情報交流センター。
映画上映やライブもできる多目的ホール「釜石PIT」や、
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ミッフィーカフェが入っていて、ゆっくりお話したりちょっと作業をしたりできる場所になっています。
すぐ隣にはイオンタウンもでき、さらに市民会館も建設中。
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三陸鉄道南リアス線の釜石駅では、ラグビージャージを着た猫がお出迎えしてくれます。
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◆釜石の北となりにある大槌町と、
  さらに北にある宮古市にも行ってきました◆

大槌町では、「一般社団法人おらが大槌夢広場」が行っている大槌町の語り部ガイド、赤崎さんに案内をしていただきました。

「(津波に飲まれた町の中心部を指して、)私の家はあそこにあったんですよ。津波が来ると思って、このお墓の斜面をみんなの肩を抱いて背中を押しながら、とにかく逃げました」
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震災前の町を、住んでいた人達で思い出を書き記しながら再現したジオラマ(左)と、町の再建計画(右)。上の写真はその中心部です。
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町を案内していただくと、まだあちこちに5年前の様子がわかるものが残されています。これは、津波後に発生した火災で溶けて割れてしまったお寺の鐘。赤崎さん達は、このお寺のお墓がある斜面を登って避難しましたが、お寺は津波と火事でなくなり、いまもプレハブの本堂です。
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●おらが大槌夢広場の研修・視察ツアーや語り部ガイドはこちらから。
http://www.oraga-otsuchi.jp/project/tourism/

〜〜〜

宮古市では、万里の長城と言われた防潮堤があった田老地区で、宮古市観光協会の「学ぶ防災」ガイド、小幡さんに案内をしていただきました。
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整備が進む一方で、津波でひしゃげた鉄柵が残っている堤防の一部をまだ見ることができます。これまで現地に出かけたことがないという方も、現場を訪れると何か得るものはあるのではないかと思います。
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住宅の高台移転が決まり、建設が進む高台から、かつての町を見下ろしたところ。左の白い建物が、震災遺構として残される「田老観光ホテル」です。この4月1日から始まったのですが、津波が来たときにこの建物から撮影した映像を、撮影した位置から見ることができます(予約制)。
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●宮古観光文化交流協会の学ぶ防災についてはこちらから。
http://www.kankou385.jp/pickup/548.html


震災から5年。
町づくりや復興住宅の建設は、多くの町で当初の予定通りではないものの、一歩一歩進んでいるように見えます。けれども、仮設住宅の入居者は岩手、宮城、福島3県で約5万人。災害公営住宅の建設進捗率は50%前後。昨年から順次入居は進んでいますが、そこからまた新しいコミュニティをつくり、地域の見守りを続けていくには時間がかかることでしょう。今回お会いした方達からも、仮設や災害公営住宅で孤独死をされた方のお話を幾度となく聞きました。

月日が経過するにしたがって、私たちが直接的にできるボランティアやお手伝いは、徐々に少なくなってきてはいると思います。けれども、小さいことですが、機会があれば現場を訪れ、忘れない基金を通じて、コミュニティ、人と人との紡ぎ直しのお力になれればと、改めて強く思いました。

あ、もちろん、美味しいものや素晴らしい景色、楽しい人達に出会う楽しみがあるのは言うまでもありません(^_^)

(はらだまりこ)


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2016年03月11日

いつもじゃなくてもいい。でも忘れないように。

お知らせ

3月11日、東日本大震災から5年が経ちました。
地震や津波で犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、いまもなお、たいへんな思い・辛い思いをされているたくさんの方々に、心よりお見舞いを申しあげます。

今日は、3月11日の前後だけ震災のことが大きく取り上げられることに違和感を感じる人、情報があふれかえることでかえって辛い気持ちになる人がいることも自覚し、自重しつつ、決して一過性の思いではなく、「忘れない」ことを改めて自分に誓う日にしたいと思います。

Think the Earthでは、震災からの復興に向けて、再建のために日々奮闘されている方々がいることを、いまも現地で活動を続ける人たちがいることを「忘れず」、そして私たち自身がいつでも自然災害の被災者になる可能性があることを「忘れない」ために、忘れないプロジェクトを2011年に立ち上げ、皆さんからのご寄付をもとに現地の活動団体に寄付をおこなっています。
『忘れない基金』
http://www.thinktheearth.net/jp/wasurenai/fund/

2012年から2015年までに19団体へ寄付を行ってきました。これに大友克洋原画展での寄付先を加えると25団体になります。

いまでも、そして今日も、現場に立っていらっしゃる各団体の皆さん達を、あらためてご紹介したいなと思い、ブログを書くことにしました。(全部はご紹介しきれないのですが。)
Facebookページを持っている団体もあるので、今日からフォローして、現地からの生発信を日常に取り入れていただけたら、うれしいです。

●まずは、近々なにか接点がつくれる、お取り寄せ品がある、あるいはすぐに訪ねていける活動
かーちゃんの力プロジェクト協議会(福島県福島市)は、先日、農山漁村女性・シニア活動表彰の経営局長賞を受賞。3月19日(土)には福島県二本松市で第5回「かーちゃんの力・プロジェクトシンポジウム」が開かれます。
HP=http://www.ka-tyan.com/
FB=https://www.facebook.com/かーちゃんの力プロジェクト協議会-112209488926693/

北浜わかめ組合虹の会(岩手県大船渡市)は、震災後になんと産直わかめの販売をはじめました。三陸のシャキシャキおいしいわかめを、一度お試しください。
HP=http://niji-wakame.com/
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★被災した港も復旧しました(アングル違いますが...上2011年、下2015年)

創作農家こすもす(岩手県釜石市)は、3月19日から21日の3日間、釜石で行われる"Meetup Kamaishi"という体験型観光プログラムに参加。ピザ作り体験を行います(こすもすさんのお食事、とても美味しいのです!)
HP= http://www.sousakunoukacosmos.net/
FB=https://www.facebook.com/sousakunoukacosmos
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★こすもすの遊び場を照らす希望の壁画(2015年8月6日撮影)

一般社団法人おらが大槌夢広場(岩手県大槌町)は、若者も加わってツーリズム事業、ひと育て×まち育てなどを行っています。
3月19日(土)10-13時には、東京アークヒルズサウスタワーで大槌の高校生が大槌のものを売るお店を開くそうです!
HP=http://www.oraga-otsuchi.jp/
FB=https://www.facebook.com/oraga.org/

一般社団法人 いちばん星南相馬プロジェクト(福島県南相馬市)では、産直や農家民宿をやっています。
HP=http://www.ichibanboshi-minamisoma.org/

ゆりあげ港朝市協同組合(宮城県名取市)は、元あった場所に朝市を復活させて、いまでは震災前より賑わっているのではないか!というほどの盛況ぶりです。
HP=http://yuriageasaichi.com/
FB=https://www.facebook.com/ゆりあげ港朝市協同組合-448146771920410/
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★買い物客が"競り"を楽しめる企画も!(2015年12月5日撮影)

あすなろホーム(岩手県陸前高田市)さんには『北限のゆず塩』という商品があるそうですよ。
HP=http://rt-asunarohome.com/
FB=https://www.facebook.com/sansan.asunaro/

特定非営利活動法人 りくカフェ(岩手県陸前高田市)は、地域の人や陸前高田を訪れる人のホッと一息拠点。管理栄養士さんと考えた健康定食メニューを提供しています。
HP=http://rikucafe.jp/
FB=https://www.facebook.com/rikucafe/
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★本設の開店式典のとき(2014年10月5日撮影)


●その他の活動もいくつかご紹介します。
ユースサポートカレッジ 石巻NOTE(宮城県石巻市)では、地域の雇用とひきこもりがちな若者をつなぐ活動。昨年からは野菜の栽培から販売までを通じた実習もはじめました。
HP=http://www.ishinomaki-note.org/
FB=https://www.facebook.com/IshinomakiNote/

NPO法人子育て支援コミュニティ プチママン(福島県郡山市)では、もともと子育て支援の団体として活動していました。震災後は、その時々の状況にあわせ、引き続き親子支援の活動を行っています。
HP=http://www.petitmaman.jp/index.html
FB=https://www.facebook.com/子育て支援コミュニティプチママン-1564642113806358/

NPO法人つながっぺ南相馬(福島県南相馬市)では、いまだ避難指示解除を待つ同市小高区の人達が住む仮設住宅で、人々のよりどころとなるサロンの運営や、小高区に帰還した時のコミュニティ作りに尽力しています。
HP=http://www14.plala.or.jp/yamaki_farm/
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★代表の今野さん(左)とスタッフの道中内(どうちゅううち)さん(2015年9月18日撮影)

被災地障がい者センター南三陸(宮城県南三陸町)は、NPO法人奏海の杜(かなみのもり)となって、障害児、障害者の活動支援を行っています。
ブログ=http://blog.canpan.info/hsc_kenpoku/

NPO法人 生活支援プロジェクトK(宮城県気仙沼市)では、仮設から復興住宅に移り住んでいく方々の生活支援、健康支援を行っています。
ブログ=http://blog.canpan.info/sspk
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★スタッフの西城さん(左)と大森さん(2015年9月21日撮影)

NPO法人 さんりくWELLNESS(岩手県大船渡市)は、震災後にUターンした体育会系女子が立ち上げました。大船渡と大槌で健康づくりサポートを行っています。
ブログ=http://ameblo.jp/sanriku-wellness/
FB=https://www.facebook.com/さんりくWELLNESS-570396009764611/

NPO法人 みやこラボ(岩手県宮古市)は、宮古のまちづくり活動に奮闘中の若いNPOです。
FB=https://www.facebook.com/miyacolab/


『忘れない基金』では、引き続きご寄付を受け付けています(クレジットカード決済と銀行振り込みがあります)。皆さまからのお気持ちをしっかり復興・再建の活動にお届けいたしますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
http://www.thinktheearth.net/jp/wasurenai/fund/#fundway

(はらだまりこ)

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2016年03月10日

「東北復興の今を知る 釜石から学ぶ復興」開催レポート

お知らせ

こんにちは、Think the Earthの鈴木です。2016年3月2日。Think the Earth15周年記念×co-lab代官山1周年記念のコラボ企画の第二弾、代官山から東北復興・防災を考える3週間〜「東北復興の今を知る 釜石から学ぶ復興」をSodaCCo STUDIOで開催しました。

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会場には、フライキ(※)と呼ばれる大漁旗を飾り、いつものイベントとは少し違う雰囲気になりました。※フライキとは、漢字で書くと「富来旗」「福来旗」と表記し、漁船が帰港する際に大漁を表わす合図として使うそうです。お店の開店時や結婚祝いにプレゼントすると縁起が良いという習わしもあるようです。

一般社団法人RCFにはいるまで。

今回のゲストは、一般社団法人RCFの山口里美さん。UBSコミュニティ支援プロジェクトマネージャーとして釜石を拠点に活動しています。

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山口さんのご経歴を簡単にお伝えすると
・大学で途上国のノンフォーマル教育について学ぶ
・青年海外協力隊でタイ農村部の女性グループと活動する
・ドキュメンタリー番組制作会社にて企画制作に携わる(この時、震災を体験)
・震災後、石巻ボランティア活動に参加
・TwitterでRCFの存在を知り、2012年夏からRCFの釜石プロジェクトに参画

震災ボランティアを体験した際、例えば、おにぎりが、あるエリアにだけどんどん溜まっていくといった「適切なものが適切な場所に配分されていかない」現状を目の当たりにし、どうにかしたいと思い、縁あってRCFの釜石プロジェクトに参画しました。

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現場での適切な判断や情報整理をするために、RCFは復興支援のリサーチから始めました。トライセクター(民間と非営利と住民を超えて繋いでいく仕組み)として、googleやキリンといった大手企業と一緒になって復興を進めていきます。その際に気をつけたポイントが、「地域によそ者が入る時のインパクトをどう活かすか」。地元の人からすれば手伝ってもらえるのは有難いが、何をしてくれるのか、どんな人が行うのかはとても大事な視点。そこで、郷土料理の研究をして、地元の人と食事をし、お酒の力を借りながら腹を割って話もしたそうです。

2011年3月11日 釜石に何が起きたのか。

当時の動画を少し振り返りながら、釜石での復興プロセスを語っていきました。

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釜石は、20メートルを超える波が届き、死者・行方不明者1000人以上の被害を受けた地域です。津波浸水域の人口比でみると、釜石は、陸前高田、女川、大槌についで4番目に犠牲者の割合が多かった場所ですが、山口さんは、まちの機能が部分的に残っている分、まだいいのかな...、と心境を明かします。役所などの機能が残っていたため、復興を始める際どこから手を付ければよいか判断が早かったそうです。

復興をしていくには、社会的問題の解決にも取り組まなければなりません。釜石の高齢化率は人口の約35%。他のいくつかの自治体では、復興のため過疎集落が集約されましたが、釜石では震災前の集落を維持したので、コミュニティが引き継がれるメリットがある一方で、過疎を助長するリスクも含みます。住む場所の問題が新たな社会問題を生むために、気をつけながら現場で活動されているようです。それでもまだ釜石は復興が進んでいる方だと、山口さんは感じています。

その理由は、
【釜石の復興で加速要因となったもの】
・水深65mの湾口防波堤の存在があった
・中心市街地の津波浸水地域の半分以上が新日鉄の用地で、住宅地ではなかった
・市役所が被災を免れた
・第二の防潮堤で、かさ上げ区域を極力減らしていた
 
かさ上げ区域が少なかったため、動ける人が自力で動いていくことができました。まちの姿は歯抜けではあるけれども、少しずつ稼働していくことができたことに意味があったそうです。


人が集まる場所から活性化していく。

2014年3月に釜石にショッピングモールが開業しました。そこで感じたのは、人通りの回復による活性化と若者の日常がある大切さです。牛丼屋や定食屋があるだけで、若者が集まり活気が生まれると同時に、若者にとっても日常の一場面となり、彼らの精神面も回復します。なんでもないけど「タムろ」する場の必要性を感じたそうです。

また、中越地震から、ハード面とソフト面のバランスが大切だと山口さんは学びました。「建物などハードさえ復興すれば、人は交わります。ただ、ハードだけでは復興にはなりません。復旧=復興に近いですが、何よりも大切なのは、復興プロセスに積極的に参加した人が多いほど、復興したと思えるんです」。コミュニティ支援は、ハードを整えた後にソフトを整えることが重要だと、山口さんは考えています。

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釜石モデルとは?

◎まず自分たちから動く
復興計画の合意形成が2012年頃から進められ、市街地の再生について話し合われるようになりました。そこでまずとりかかったのが、行政と地域住民との意見のすりあわせ。被災跡地利用や公営住宅の復興計画に対する住民の意見を集約し行政側に伝えるなど、まずはハード面が整うよう、合意形成を促進することに力を注ぎました。

コミュニティ活動の再開から拡充するため、地域の担い手つくりに着手しました。しかし、ハード面が整備されないと地域のことを考えられないという現実に直面します。そこで、被災していない人が中心となってコミュニティをつくる活動をはじめました。このプロセスはモデル形成として、自分たちでやってみたそうです。

◎進捗評価の指標をつくる
定量化できる数値や定性的な目標を設け、地域のキーパーソンが役割を果たしているのか、状況・状態の把握をしているのか、多様性を担保しているのかなど、第三者が見てもわかりやすいように行動を可視化していきました。

◎小さな成功体験を積み上げる
RCFでは、等身大のまちづくり計画を進めることを大事にしてきました。たとえば、数億円かかる住宅計画が作られたことがありましたが、実現には予算がかかり身動きがとれませんでした。そこでまずは、住民たちが自分たちでできることからはじめたのです。それが桜並木の復興です。公営住宅完成後を想定した植樹を始め、自分たちが住みたい未来を描いての行動でした。

◎釜援隊の自律的マネジメント体制をつくる
復興支援員制度を利用した釜石リージョナルコーディネーター(通称「釜援隊」)の存在が生まれました。釜援隊の課題解決力の底上げ/チームビルディング/地域の指標化/中長期目標の設定などをサポートし、地域で共に動いていくコーディネーターを増やしていきました。

◎地域の担い手づくり
よそ者、釜援隊の存在が復興の力になっている一方で、地域に住む人が復興を誰かに任せっきりにする状況にするのではなく、自分たちで動けるようにしていくことにも注力します。地域のリーダー(担い手)となる人を発掘し育てること、成功体験を積み重ねるためのサポート、コミュニティビジネスの創出や女性、若者へのサポートがこれからますます重要になってきます。

釜石は2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ開催都市として決定。地域が盛り上がってきていることを感じているそうです。また釜石には、世界遺産「橋野高炉跡」があるため、『鉄とさかなとラグビーのまち、釜石』として世界にPRをしています。


東京側でいま自分に何ができるか、個人・企業として考えてみる

お話を伺ったあとに、参加者のみなさんと山口さんにもご参加頂き、「東京側でいま自分に何ができるか、個人・企業として考えてみる」をテーマにグループセッションを行いました。

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最後に話し合った内容を発表していただきました。

そこで出たアイデアは、
【個人】
・消費する
・忘れないこと、とにかく行ってみる、「地」の物を買う
・東京のメンバーに東北の魅力を伝える
・他のエリアにも行ってみる

【企業】
・楽しさを創る
・企画を押し付けない
・企業で情報を伝える
・企業の本社を移転する
・公共鉄道の運賃の1%をファンド化。東京から東北への移動費、宿泊費に充てる。

さまざまな意見やアイデアが生まれました。

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最後に、山口さんからのメッセージとして、被災地は課題先進地域であると同時に、その言葉の重みを持つのはこれからと言います。災害はハードインフラの持つ要素をリセットしてしまうため、その時に、はじめて「地域のソフトの強み(地域資源)と弱み(地域課題)が露呈し、より強化されるプロセスになる」といいます。ハードが復旧しないと、人の心はソフト面に向かわないことも釜石から学びました。

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Think the Earthもクリエイティブの力を使って社会に貢献するチームではありますが、東北の震災から5年経った今だからこそ、ハード面からソフト面に連携する時に何か貢献できることはあるのかもしれないと感じました。3週間のイベント期間でしたが、これからも継続的に東北復興や防災について考える機会を設けられたらと思います。

(推進スタッフ 鈴木高祥)
=2016/3/17 一部加筆修正=

【イベント】
釜石のこれまでとこれから。3/19〜21
釜石の今に触れ、人に出会う釜石大博覧会開催!

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