2016年05月18日

百年の愚行展@京都 会期は5月22日まで!

プロジェクト裏話おすすめ infoお知らせ

みなさん、ゴールデンウィークはどこかお出かけされましたか?今年は大型連休をとって、旅行に行った人も多かったのではないでしょうか。

私は、4月29日から「百年の愚行展」がオープンすることもあり、ゴールデンウィークの数日前から京都にいました。(と言っても、京都造形芸術大学に入り浸る毎日でしたが。笑)

今回の会場である京都造形芸術大学ギャルリ・オーブはとても広く、最初の設営は、パネルを動かして、壁を作ることからスタートしました。京都造形芸術大学の学生さんたちと一緒に、水平出しや作品の設置、ライティングまですべて自分たちの手で会場を作り上げました!(大変だった〜)こうして無事にオープン出来たことを、嬉しく思います。ぜひ、この機会に遊びに来て下さい。

「愚行展は見たいけど京都まで行けない!」という方もいますよね。
そこで、百年の愚行展@京都を詳しくご紹介したいと思います。

愚行展@京都1.JPG
こちらが会場のある京都造形芸術大学。とてもキレイな校舎で、夜遅くまで学生さんがラウンジに集まっていました。

gukou@kyoto2.JPG30段の階段を上がって左手に見える人間館に入ります。

gukou@kyoto3.JPG入口をまっすぐ進むと、看板が見えます。こちらを右に曲がると・・・

gukou@kyoto4.JPG着きました!ギャルリ・オーブです。

gukou@kyoto5.JPG看板やパネルも学生さんたちに手伝ってもらい、作りました。

gukou@kyoto6-1.JPG挨拶パネルは日英両方表記しています。

書籍『百年の愚行』は10章で構成されています。「海・川・湖沼」「大気」「森・大地」「動物」「大量生産・大量消費」「核・テクノロジー」「戦争」「差別・迫害」「難民」「貧困」。本展では、書籍に納められた100点の写真の中から92点を選び、章ごとにまとめて展示しました。

gukou@kyoto6-2.jpg最初の章「water(水)」です。

gukou@kyoto7-1.JPG「WATER(水)」の章は9枚の写真を展示しました。

gukou@kyoto8.JPG最初の展示ゾーンの全体図。壁に沿って、写真をみていきます。

gukou@kyoto9.JPGこちらは4番目の章「ANIMAL(動物)」の写真です。

gukou@kyoto10-1.JPG2番目の展示ゾーン。ここのスペースが一番広く、空間を贅沢に使って展示ができました。

gukou@kyoto10-2.JPG書籍も読めるように、展示してあります。

gukou@kyoto11.JPG2番目の展示ゾーン。

書籍『続・百年の愚行』は、21世紀の愚行を表す7つの章、「戦争・紛争」「弾圧・迫害」「差別・暴力」「貧困・格差」「メディア・情報」「環境・エネルギー」「核・原発」に序章と終章を加えた9つの章で構成されています。今回の展示では、『続・百年の愚行』に収録された約50点の写真をスクリーンに映し出しました。

gukou@kyoto12.JPG最後の展示ゾーン。一番奥のスクリーンで『続・百年の愚行』の写真が映しだされます


そして最後は、ゴアレーベンのポスターを展示しています。ゴアレーベンは北西約150kmに位置するドイツ北部の小さな町です。1977年、この村に核廃棄物最終処理センターを設置する計画が発表されました。住民たちは反対の意志をポスターによって訴え続けました。そして、2013年に計画は中断となりました。

gukou@kyoto13.JPGゴアレーベンのポスターは全部で20点、展示しました。


gukou@kyoto14.JPG原発はいらない!という強いメッセージが感じられます。


会期は残りあと数日です。ぜひ、たくさんの方に見て頂きたいと思います!

また、明日5月19日から21日の3日間は、『続・百年の愚行』の寄稿者でもある京都大学総長の霊長類学者、山極壽一さんをはじめ、マエキタミヤコさんやChim↑Pomリーダーの卯城竜太さんなど、多彩な顔ぶれが登場します。トークイベントは予約不要・入場無料なので、期間中に京都を訪れることがありましたら、ぜひお立ち寄りください。

◎スペシャルトーク
愚行の時代の文化と芸術

日時:2016年5月20日(金)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:山極壽一(霊長類学者。京都大学総長)×尾池和夫(地震学者。京都造形芸術大学学長)
司会:齋藤亜矢(芸術認知科学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研究所准教授)

◎ギャラリートーク
サステナビリティと文明

日時:2016年5月19日(木)18:00-19:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:マエキタミヤコ(コピーライター、クリエイティブディレクター。「サス
テナ」代表)×浅利美鈴(京都大学地球環境学堂 準教授)×小野塚佳代(京都造形
芸術大学大学院生)
司会:田中 勝(アーティスト、芸術平和学研究者。京都造形芸術大学文明哲学研
究所准教授)

◎ギャラリートーク
愚行と狂気の時代に ーーアーティストができること

日時:2016年5月21日(土)15:00-16:30(先着順)
会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
料金:無料
出演:高山 明(演出家、アーティスト。Port B主宰)×卯城竜太(アーティスト。
Chim↑Pomリーダー)
司会:小崎哲哉

百年の愚行展@京都

会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
   →京都市左京区北白川瓜生山2-116
期間:2016年4月29日(金)~5月22日(日)
時間:11:00-18:00(期間中無休)
料金:無料

(笹尾 実和子)

この記事へのリンク

2016年03月11日

いつもじゃなくてもいい。でも忘れないように。

お知らせ

3月11日、東日本大震災から5年が経ちました。
地震や津波で犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、いまもなお、たいへんな思い・辛い思いをされているたくさんの方々に、心よりお見舞いを申しあげます。

今日は、3月11日の前後だけ震災のことが大きく取り上げられることに違和感を感じる人、情報があふれかえることでかえって辛い気持ちになる人がいることも自覚し、自重しつつ、決して一過性の思いではなく、「忘れない」ことを改めて自分に誓う日にしたいと思います。

Think the Earthでは、震災からの復興に向けて、再建のために日々奮闘されている方々がいることを、いまも現地で活動を続ける人たちがいることを「忘れず」、そして私たち自身がいつでも自然災害の被災者になる可能性があることを「忘れない」ために、忘れないプロジェクトを2011年に立ち上げ、皆さんからのご寄付をもとに現地の活動団体に寄付をおこなっています。
『忘れない基金』
http://www.thinktheearth.net/jp/wasurenai/fund/

2012年から2015年までに19団体へ寄付を行ってきました。これに大友克洋原画展での寄付先を加えると25団体になります。

いまでも、そして今日も、現場に立っていらっしゃる各団体の皆さん達を、あらためてご紹介したいなと思い、ブログを書くことにしました。(全部はご紹介しきれないのですが。)
Facebookページを持っている団体もあるので、今日からフォローして、現地からの生発信を日常に取り入れていただけたら、うれしいです。

●まずは、近々なにか接点がつくれる、お取り寄せ品がある、あるいはすぐに訪ねていける活動
かーちゃんの力プロジェクト協議会(福島県福島市)は、先日、農山漁村女性・シニア活動表彰の経営局長賞を受賞。3月19日(土)には福島県二本松市で第5回「かーちゃんの力・プロジェクトシンポジウム」が開かれます。
HP=http://www.ka-tyan.com/
FB=https://www.facebook.com/かーちゃんの力プロジェクト協議会-112209488926693/

北浜わかめ組合虹の会(岩手県大船渡市)は、震災後になんと産直わかめの販売をはじめました。三陸のシャキシャキおいしいわかめを、一度お試しください。
HP=http://niji-wakame.com/
kitahamaba.jpg
★被災した港も復旧しました(アングル違いますが...上2011年、下2015年)

創作農家こすもす(岩手県釜石市)は、3月19日から21日の3日間、釜石で行われる"Meetup Kamaishi"という体験型観光プログラムに参加。ピザ作り体験を行います(こすもすさんのお食事、とても美味しいのです!)
HP= http://www.sousakunoukacosmos.net/
FB=https://www.facebook.com/sousakunoukacosmos
cosmospark.jpg
★こすもすの遊び場を照らす希望の壁画(2015年8月6日撮影)

一般社団法人おらが大槌夢広場(岩手県大槌町)は、若者も加わってツーリズム事業、ひと育て×まち育てなどを行っています。
3月19日(土)10-13時には、東京アークヒルズサウスタワーで大槌の高校生が大槌のものを売るお店を開くそうです!
HP=http://www.oraga-otsuchi.jp/
FB=https://www.facebook.com/oraga.org/

一般社団法人 いちばん星南相馬プロジェクト(福島県南相馬市)では、産直や農家民宿をやっています。
HP=http://www.ichibanboshi-minamisoma.org/

ゆりあげ港朝市協同組合(宮城県名取市)は、元あった場所に朝市を復活させて、いまでは震災前より賑わっているのではないか!というほどの盛況ぶりです。
HP=http://yuriageasaichi.com/
FB=https://www.facebook.com/ゆりあげ港朝市協同組合-448146771920410/
yuriage.jpg
★買い物客が"競り"を楽しめる企画も!(2015年12月5日撮影)

あすなろホーム(岩手県陸前高田市)さんには『北限のゆず塩』という商品があるそうですよ。
HP=http://rt-asunarohome.com/
FB=https://www.facebook.com/sansan.asunaro/

特定非営利活動法人 りくカフェ(岩手県陸前高田市)は、地域の人や陸前高田を訪れる人のホッと一息拠点。管理栄養士さんと考えた健康定食メニューを提供しています。
HP=http://rikucafe.jp/
FB=https://www.facebook.com/rikucafe/
rikucafe.jpg
★本設の開店式典のとき(2014年10月5日撮影)


●その他の活動もいくつかご紹介します。
ユースサポートカレッジ 石巻NOTE(宮城県石巻市)では、地域の雇用とひきこもりがちな若者をつなぐ活動。昨年からは野菜の栽培から販売までを通じた実習もはじめました。
HP=http://www.ishinomaki-note.org/
FB=https://www.facebook.com/IshinomakiNote/

NPO法人子育て支援コミュニティ プチママン(福島県郡山市)では、もともと子育て支援の団体として活動していました。震災後は、その時々の状況にあわせ、引き続き親子支援の活動を行っています。
HP=http://www.petitmaman.jp/index.html
FB=https://www.facebook.com/子育て支援コミュニティプチママン-1564642113806358/

NPO法人つながっぺ南相馬(福島県南相馬市)では、いまだ避難指示解除を待つ同市小高区の人達が住む仮設住宅で、人々のよりどころとなるサロンの運営や、小高区に帰還した時のコミュニティ作りに尽力しています。
HP=http://www14.plala.or.jp/yamaki_farm/
tunagappe.jpg
★代表の今野さん(左)とスタッフの道中内(どうちゅううち)さん(2015年9月18日撮影)

被災地障がい者センター南三陸(宮城県南三陸町)は、NPO法人奏海の杜(かなみのもり)となって、障害児、障害者の活動支援を行っています。
ブログ=http://blog.canpan.info/hsc_kenpoku/

NPO法人 生活支援プロジェクトK(宮城県気仙沼市)では、仮設から復興住宅に移り住んでいく方々の生活支援、健康支援を行っています。
ブログ=http://blog.canpan.info/sspk
projectK.jpg
★スタッフの西城さん(左)と大森さん(2015年9月21日撮影)

NPO法人 さんりくWELLNESS(岩手県大船渡市)は、震災後にUターンした体育会系女子が立ち上げました。大船渡と大槌で健康づくりサポートを行っています。
ブログ=http://ameblo.jp/sanriku-wellness/
FB=https://www.facebook.com/さんりくWELLNESS-570396009764611/

NPO法人 みやこラボ(岩手県宮古市)は、宮古のまちづくり活動に奮闘中の若いNPOです。
FB=https://www.facebook.com/miyacolab/


『忘れない基金』では、引き続きご寄付を受け付けています(クレジットカード決済と銀行振り込みがあります)。皆さまからのお気持ちをしっかり復興・再建の活動にお届けいたしますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
http://www.thinktheearth.net/jp/wasurenai/fund/#fundway

(はらだまりこ)

この記事へのリンク

2016年03月10日

「東北復興の今を知る 釜石から学ぶ復興」開催レポート

お知らせ

こんにちは、Think the Earthの鈴木です。2016年3月2日。Think the Earth15周年記念×co-lab代官山1周年記念のコラボ企画の第二弾、代官山から東北復興・防災を考える3週間〜「東北復興の今を知る 釜石から学ぶ復興」をSodaCCo STUDIOで開催しました。

01_0302.jpg

会場には、フライキ(※)と呼ばれる大漁旗を飾り、いつものイベントとは少し違う雰囲気になりました。※フライキとは、漢字で書くと「富来旗」「福来旗」と表記し、漁船が帰港する際に大漁を表わす合図として使うそうです。お店の開店時や結婚祝いにプレゼントすると縁起が良いという習わしもあるようです。

一般社団法人RCFにはいるまで。

今回のゲストは、一般社団法人RCFの山口里美さん。UBSコミュニティ支援プロジェクトマネージャーとして釜石を拠点に活動しています。

02_0302.jpg

山口さんのご経歴を簡単にお伝えすると
・大学で途上国のノンフォーマル教育について学ぶ
・青年海外協力隊でタイ農村部の女性グループと活動する
・ドキュメンタリー番組制作会社にて企画制作に携わる(この時、震災を体験)
・震災後、石巻ボランティア活動に参加
・TwitterでRCFの存在を知り、2012年夏からRCFの釜石プロジェクトに参画

震災ボランティアを体験した際、例えば、おにぎりが、あるエリアにだけどんどん溜まっていくといった「適切なものが適切な場所に配分されていかない」現状を目の当たりにし、どうにかしたいと思い、縁あってRCFの釜石プロジェクトに参画しました。

03_0302.jpg

現場での適切な判断や情報整理をするために、RCFは復興支援のリサーチから始めました。トライセクター(民間と非営利と住民を超えて繋いでいく仕組み)として、googleやキリンといった大手企業と一緒になって復興を進めていきます。その際に気をつけたポイントが、「地域によそ者が入る時のインパクトをどう活かすか」。地元の人からすれば手伝ってもらえるのは有難いが、何をしてくれるのか、どんな人が行うのかはとても大事な視点。そこで、郷土料理の研究をして、地元の人と食事をし、お酒の力を借りながら腹を割って話もしたそうです。

2011年3月11日 釜石に何が起きたのか。

当時の動画を少し振り返りながら、釜石での復興プロセスを語っていきました。

04_0302.jpg

釜石は、20メートルを超える波が届き、死者・行方不明者1000人以上の被害を受けた地域です。津波浸水域の人口比でみると、釜石は、陸前高田、女川、大槌についで4番目に犠牲者の割合が多かった場所ですが、山口さんは、まちの機能が部分的に残っている分、まだいいのかな...、と心境を明かします。役所などの機能が残っていたため、復興を始める際どこから手を付ければよいか判断が早かったそうです。

復興をしていくには、社会的問題の解決にも取り組まなければなりません。釜石の高齢化率は人口の約35%。他のいくつかの自治体では、復興のため過疎集落が集約されましたが、釜石では震災前の集落を維持したので、コミュニティが引き継がれるメリットがある一方で、過疎を助長するリスクも含みます。住む場所の問題が新たな社会問題を生むために、気をつけながら現場で活動されているようです。それでもまだ釜石は復興が進んでいる方だと、山口さんは感じています。

その理由は、
【釜石の復興で加速要因となったもの】
・水深65mの湾口防波堤の存在があった
・中心市街地の津波浸水地域の半分以上が新日鉄の用地で、住宅地ではなかった
・市役所が被災を免れた
・第二の防潮堤で、かさ上げ区域を極力減らしていた
 
かさ上げ区域が少なかったため、動ける人が自力で動いていくことができました。まちの姿は歯抜けではあるけれども、少しずつ稼働していくことができたことに意味があったそうです。


人が集まる場所から活性化していく。

2014年3月に釜石にショッピングモールが開業しました。そこで感じたのは、人通りの回復による活性化と若者の日常がある大切さです。牛丼屋や定食屋があるだけで、若者が集まり活気が生まれると同時に、若者にとっても日常の一場面となり、彼らの精神面も回復します。なんでもないけど「タムろ」する場の必要性を感じたそうです。

また、中越地震から、ハード面とソフト面のバランスが大切だと山口さんは学びました。「建物などハードさえ復興すれば、人は交わります。ただ、ハードだけでは復興にはなりません。復旧=復興に近いですが、何よりも大切なのは、復興プロセスに積極的に参加した人が多いほど、復興したと思えるんです」。コミュニティ支援は、ハードを整えた後にソフトを整えることが重要だと、山口さんは考えています。

05_0302.jpg

釜石モデルとは?

◎まず自分たちから動く
復興計画の合意形成が2012年頃から進められ、市街地の再生について話し合われるようになりました。そこでまずとりかかったのが、行政と地域住民との意見のすりあわせ。被災跡地利用や公営住宅の復興計画に対する住民の意見を集約し行政側に伝えるなど、まずはハード面が整うよう、合意形成を促進することに力を注ぎました。

コミュニティ活動の再開から拡充するため、地域の担い手つくりに着手しました。しかし、ハード面が整備されないと地域のことを考えられないという現実に直面します。そこで、被災していない人が中心となってコミュニティをつくる活動をはじめました。このプロセスはモデル形成として、自分たちでやってみたそうです。

◎進捗評価の指標をつくる
定量化できる数値や定性的な目標を設け、地域のキーパーソンが役割を果たしているのか、状況・状態の把握をしているのか、多様性を担保しているのかなど、第三者が見てもわかりやすいように行動を可視化していきました。

◎小さな成功体験を積み上げる
RCFでは、等身大のまちづくり計画を進めることを大事にしてきました。たとえば、数億円かかる住宅計画が作られたことがありましたが、実現には予算がかかり身動きがとれませんでした。そこでまずは、住民たちが自分たちでできることからはじめたのです。それが桜並木の復興です。公営住宅完成後を想定した植樹を始め、自分たちが住みたい未来を描いての行動でした。

◎釜援隊の自律的マネジメント体制をつくる
復興支援員制度を利用した釜石リージョナルコーディネーター(通称「釜援隊」)の存在が生まれました。釜援隊の課題解決力の底上げ/チームビルディング/地域の指標化/中長期目標の設定などをサポートし、地域で共に動いていくコーディネーターを増やしていきました。

◎地域の担い手づくり
よそ者、釜援隊の存在が復興の力になっている一方で、地域に住む人が復興を誰かに任せっきりにする状況にするのではなく、自分たちで動けるようにしていくことにも注力します。地域のリーダー(担い手)となる人を発掘し育てること、成功体験を積み重ねるためのサポート、コミュニティビジネスの創出や女性、若者へのサポートがこれからますます重要になってきます。

釜石は2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ開催都市として決定。地域が盛り上がってきていることを感じているそうです。また釜石には、世界遺産「橋野高炉跡」があるため、『鉄とさかなとラグビーのまち、釜石』として世界にPRをしています。


東京側でいま自分に何ができるか、個人・企業として考えてみる

お話を伺ったあとに、参加者のみなさんと山口さんにもご参加頂き、「東京側でいま自分に何ができるか、個人・企業として考えてみる」をテーマにグループセッションを行いました。

06_0302.jpg
07_0302.jpg
08_0302.jpg

最後に話し合った内容を発表していただきました。

そこで出たアイデアは、
【個人】
・消費する
・忘れないこと、とにかく行ってみる、「地」の物を買う
・東京のメンバーに東北の魅力を伝える
・他のエリアにも行ってみる

【企業】
・楽しさを創る
・企画を押し付けない
・企業で情報を伝える
・企業の本社を移転する
・公共鉄道の運賃の1%をファンド化。東京から東北への移動費、宿泊費に充てる。

さまざまな意見やアイデアが生まれました。

09_0302.jpg

最後に、山口さんからのメッセージとして、被災地は課題先進地域であると同時に、その言葉の重みを持つのはこれからと言います。災害はハードインフラの持つ要素をリセットしてしまうため、その時に、はじめて「地域のソフトの強み(地域資源)と弱み(地域課題)が露呈し、より強化されるプロセスになる」といいます。ハードが復旧しないと、人の心はソフト面に向かわないことも釜石から学びました。

10_0302.jpg

Think the Earthもクリエイティブの力を使って社会に貢献するチームではありますが、東北の震災から5年経った今だからこそ、ハード面からソフト面に連携する時に何か貢献できることはあるのかもしれないと感じました。3週間のイベント期間でしたが、これからも継続的に東北復興や防災について考える機会を設けられたらと思います。

(推進スタッフ 鈴木高祥)
=2016/3/17 一部加筆修正=

【イベント】
釜石のこれまでとこれから。3/19〜21
釜石の今に触れ、人に出会う釜石大博覧会開催!

この記事へのリンク

2016年02月26日

「東日本大震災に学べ! 東京防災の知恵を実践しよう」開催レポート

お知らせ

こんにちは、Think the Earthの鈴木です。おかげさまで、Think the Earthは2016年2月19日で15周年を迎えることができました。支援・応援頂く皆様のおかげです。ありがとうございます。

今回15周年特別企画イベントとして、Think the Earthの事務所の拠点となっている代官山から発信できることを考えました。そして、co-lab代官山の協力を得て、Think the Earth ✕ co-lab代官山 特別企画イベントとして2016年2月18日にSodaCCo STUDIOにて、「東日本大震災に学べ! 東京防災の知恵を実践しよう」を開催しました。

ゲストにお呼びしたのは、東京防災BOOKの共同編集長のNOSIGNERの太刀川さん。東京・都市部で有事が起きた時、どう行動すればいいのか、東京防災BOOKの意図を参加者と学ぶことと、実際に防災の知識として役立つワークショップ実施しました。

03_bousai0218.jpg

「次に何かが起こった時に、躊躇なく動いてほしい」

NOSIGNER太刀川さんは、震災後に東北の現地に行ったり、デザインの力で復興に貢献できないかと考え行動してきました。そのひとつが、「OLIVE」というWikiを活用した、震災時に使えるアイデアのデータベース化。
機能としては、
①スグに使えるアイデアと、②流行っていないけど重要な知恵を残しておくため。
その重要性や使いやすさに共感した多くの人が震災後に投稿をしたといいます。
そしてわずか、3週間後のPVが100万にも登りました。

多くの人が活用することで、現場からは重宝されたはずですが、デザイナーとしては一つ葛藤があったそうです。それは、デザインの統一がとれないこと。アイデアとしてはすぐその場で使えるので、その点のクオリティは高いわけですが、イラストなどはデザイナーが書いているわけではないのでデザインフォーマットがバラバラになってしまうのです。

しかし、そこにOLIVEの運営経験で得た教訓があります。「不格好だけど、すぐにやりはじめる」ということ。緊急時には、何よりもスピードを持って用意することが求められます。

デザインでモノゴトを変革するデザイナーの仕事からすると、アイデアやデザインが美しくない場合も当時多数あったようです。ただ、アイデアが現場でどんどん活用されていくことで、不格好だけど「使える形」になっていくプロセスがとても大事だということを学びました。また、今後、防災の準備していることに越したことはないけど、有事が起きてしまったら準備だけでは役に立たないのでは?という問いの生まれでもありました。

「次に何かが起こった時に、躊躇なく動いてほしい」。

その思いで、自分にできる役割を探し行動できるように、防災のコミュニケーションのあり方をデザインから変える動きとして東京都の東京防災のプロジェクトに関わることになります。

東京防災BOOKで伝えたいことは、『防災やろう』。

「防災」と聞いてワクワクする人はどれだけいるでしょうか。実際、イメージとしてもあまりおもしろくないもの。太刀川さんは、「つまらないから防災をしないという意識はまずい」と考え、どうやったら色んな人に見てもらえるか、手にとってもらえるかを意識して、東京防災BOOKに工夫したデザインを盛り込みます。それが、早いコミュニケーションと遅いコミュニケーションを一緒にやるという考え方。

04_bousai0218.jpg

たとえば、「パラパラ漫画をページの片隅に載せる」、「マンガ家が描いた防災マンガを載せる」、「文字で知識をしっかり載せる」など。東京都の全世帯に配布するものなので、様々なアプローチを試み、一冊にデザインしたそうです。個人が、ちょっとやりはじめる、という設計がデザインに反映されています。

お手元にある方は、再度見なおしてみてください。
またWebからもご覧になることができるので、東京に限らずご参考ください。
東京防災

想定力をつけることが大事。

後半は、東京防災BOOKに掲載してある知恵を実際にやってみるワークショップを実施しました。まずは3人一組になって、被災者体験談を知ること。手持ちのスマートフォンを使って、「被災体験」の記事を検索し5分間読み込みます。その後、1分間、今見たこと・感じたことを目を閉じて想像しました。そこからグループになった参加者同士で、何を想像したかを6分ほど共有しました。家なのか、オフィスなのか、通勤中なのか、実際に体験したことなのか、各個人の話が各グループで進みます。

05_bousai0218.jpg
06_bousai0218.jpg

そのあとは、暖を取るワークショップとして、ダンボールや梱包材、新聞紙を活用して、どうやったら暖かいかを同じく3人一組になり作っていきました。

07_bousai0218.jpg

実際に暖かいかを感じてもらうために、会場の窓をあけ室内の温度を下げて臨場感を出していきます。予想以上に盛り上がる参加者の皆さん。体に巻き付けたり、頭にかぶったり。

08_bousai0218.jpg
09_bousai0218.jpg

身にまとうものを作るグループもあれば、小屋を作るグループもあり、お互いの創作意欲をかきたてあって、楽しんでワークショップは進みました。
01_bousai0218.jpg
10_bousai0218.jpg
11_bousai0218.jpg

最後の交流会は、防災ワークショップらしく食事にも一工夫。お皿もペットボトルでつくりました。

12_bousai0218.jpg

13_bousai0218.jpg


実際に防災食を食べ、どんな味か、どのくらい準備してくのがいいのか等、最後まで防災について話していました。

15_bousai0218.jpg

防災は楽しくない・面白くないという懸念がウソのような会となり、盛況のうちに第1回目の代官山から東北復興・防災を考えるイベントは終えました。今回はイベントで知識・知恵を実際に体験し、参加者とともにサバイバル技術が向上しましたが、「もしも」の時の備えとして、日常の仕事や遊びの中で実際に動けるための体験はしておいて損はないと感じました。

太刀川さんがおっしゃるように、すぐに動く、いまやろうという意識がないと行動にはすぐに移せません。家族以外でも手を取り合える関係を築くために、まずは自分が何をすることができるか把握し「動ける姿勢」はもっておきたいですね。


(推進スタッフ 鈴木高祥)

この記事へのリンク

2015年09月05日

対話の場を目指す「百年の愚行展」

お知らせ

こんにちは!Think the Earth広報の笹尾です。現在「百年の愚行展」@3331アーツ千代田を開催しています。

百年の愚行展_B2poster.jpg

Think the Earthが『百年の愚行』を発行したのは2002 年のことです。
あれから10年以上経過しましたが、今だに愚行は止まっていません。そこで、改めて「9.11」から「3.11」まで現代の「愚行」を象徴する事件や事象についてまとめた『続・ 百年の愚行』を 2014年に発行しました。出版する際には、クラウドファンディングReadyforを通じて支援頂ける方を募りました。

そして、今回の「百年の愚行展」も、開催するための資金をReadyforで集め、実施することができました。本当にありがとうございます!本展では、この 2 冊の書籍で紹介した 20 世紀から 21 世紀 にかけての愚行を象徴する写真を展示するほか、国内外で現在進行している様々な動きについても映像を使って紹介しています。

『百年の愚行』シリーズに込めたメッセージの一つは「行動すること」 です。そこで「百年の愚行展」の期間中、毎週金曜日にトークイベントを実施し、参加者のみなさんと一緒に考える場をつくることにしました。

8月28日(金)のゲストはコピーライターの並河進さん。並河さんは「ソーシャルコピー講座」と題して、難しい社会的課題をテーマに、みんなに伝わるコピー書くための技術を紹介して頂きました。

並河さん.JPGコピーライターの並河進さん

例えば、「身近な関係性に例える」「未来へのグッドシナリオを書く」「行動を起こす」「新しい言葉をつくる」などコピーを書く時、どんな切り口、モノの見方で考えればいいのか、具体例と丁寧な解説で分かりやすく説明してくれました。

並河さんの話を聞いた後は、参加者みんなで平和のためのコピーを考えます。30分間、もくもくとコピーを書く人、愚行展の写真を見つめる人、会場を歩き回る人・・・みんなそれぞれのスタイルでコピーを作っていきます。出来たコピーは並河さんが読み上げてみんなに共有&講評しました。

並河さん2.JPG
集まったコピーをチェックする並河さん

「ケンカはしたら仲直り、人も国も」「投稿したくない日常を過ごしている人がいる」「少なくとも国の偉い人とうちの子どもの命は無関係だ」「誰かが勝てば、誰かが裏で泣いている」「振り向く、息子と妻は笑う」など、素晴らしいコピーがたくさんありました!

namikawasan3.JPG
今日の感想をシェアする参加者のみなさん

私自身8/15の終戦の日に実施された「ソーシャルコピー講座」 を受けて、本当に学びが多かったです。今まで完成したコピーを見ると、あまりにもすんなりと心に届くものだから、「自分でも考えられそう」なんて思っていたけれど、実際書いてみてその難しさを実感しました。

本来コピーは商品を伝える言葉だけど、各個人に言葉の技術がもっと広がれば、それを武器に自分が伝えたいことを的確に伝えられる。並河さんが教えてくれた「言葉をものさしにした視点の技術」は、個人がSNSを使い、情報発信を当たり前にするようになった今、誰もが必要としているスキルではないでしょうか。私は、もっとコピーの勉強をしてみたいと思いました。

そして先週9月4日(金)のゲストは元農水大臣の山田正彦さん。この日のテーマは「TPP」についてでした。(TPP= 環太平洋戦略的経済連携協定。Trans-Pacific Partnershipの略称)

TPPは一体何が問題なのか、みなさんご存知ですか?私が一番最初にイメージしたことは「海外の農作物が安く手に入るようになり、国内の農林水産業の立場が厳しくなる」ということ。でも、山田さんのお話を聞いてみると、どうやら問題はそれだけではありません。

yamadasan.JPG
この日のトークイベントは元農水大臣の山田正彦さんとThink the Earth理事長の水野さんとの対談型式で行われました

今回話を聞いて、特に心配になったのは日本の医療制度への影響です。
今は病気になったら、国民健康保険を使って、適切な価格で病院に行くことができますね。けど、TPPに加盟した場合、自己負担型の診療が増えていく、つまり病院で高額な医療費を請求される可能性があるということです。私たちが今飲んでいる薬も、10倍以上高くなるかもしれません。

そうなると、高い医療費を払うために民間の保険に加入する必要がありますが、TPPに加入して、日本の医療制度がアメリカのようになれば、保険料自体が高くなり、医療を受けることができるのは、お金持ちの人だけになってしまいます。

もう10年も前の話ですが、タイで入院をしたことがあります。病院の設備は完璧で、タイの医療がとても発達していることに驚きました。でも、医療費が高額で一般の人は見てもらえない。病院に行けるのはお金持ちの人だけだと聞きました。その時私が払ったお金は一泊の入院でおよそ8万円(日本円に換算して)。これは、現地の人が普通に病院に行ける額じゃないと感じました。日本も同じようになってしまうのでしょうか?

yamadasan3.JPG
参加者の方からもたくさん質問を頂きました

他にも食品添加物の表示がなくなったり、公共サービスの価格が値上がりするなど、私たちの生活に関わる問題が本当にたくさんありました。知れば知るほど、疑問や不安がつのるTPPの問題。今後も、山田さんの活動を追いかけたいと思いました。

ご興味がある方は、山田正彦さんが推進するTPP交渉差止・違憲訴訟の会」をご覧下さい。

そして今週金曜日(9月11日)のゲストは「百年の愚行」に寄稿頂いた小説家の池澤夏樹さんです。テーマは「9.11から3.11まで――21世紀の愚行について考える」です。池澤さんのお話を聞けるチャンスはなかなかありません!ぜひ、ご参加下さい。

お申し込みはこちら
その他のトークイベントについてはこちら
※展覧会は9月27日(日)までです。

(笹尾 実和子)

この記事へのリンク

< 前のページへ 1234567891011