2014年11月19日

地球合宿2014〜都市について考える〜

お知らせ

最近「都市」をテーマにしたイベントやカンファレンスがたくさん行われています。それは、2020年に東京オリンピックの開催が決まったことが大きいと思います。そんな中で、Think the Earthでも「地球合宿2014」と題し、都市の変化をテーマにしたイベントを未来館と共催で開催しています。(9・10・11月の3回連続イベントです!)

今や、世界中の人口の半分が都市に住んでいて、21世紀末にはおよそ7割の人口が都市に住むと言われています。東京の都市人口ランキングは今も、そして10年後も世界で1位。こんな狭い土地に世界で一番人がたくさんいる、って改めて考えるとちょっとビックリしませんか?(詳しくは最新のアースリウムでチェック)

日々忙しく過ごしていると、大きな視点で物事を見ることを忘れてしまいがちです。この「地球合宿2014」では、地球視点で都市を見る、ということにチャレンジしました。
10月に行われた「地球合宿2014〜TOKYO・オン・データ」のテーマは生物多様性と気候変動。まずは参加者みんなで自己紹介タイムです!今日参加した理由、知りたいことをチーム内でお話してもらいます。

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色画用紙を使って、自己紹介をしていただきました

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参加理由はみんなそれぞれ。こちらの方は「東京の未来について色々な意見が聞きたい」

この日お話をして頂いたのは、国立環境研究所 の肱岡靖明さんと五箇公一さんのお二人です。肱岡さんには、気候変動と都市の関わり方についてお話いただきました。

地球温暖化は、2100年とか遠い将来に起こると思われがちだが、どうやらそういう話でもないらしい。東京の気温は過去132年の間で3.3℃も上がりました。気温は長いスパンで上昇しています。東京の気温上昇が高い原因は温暖化と共にヒートアイランドの影響もあります。東京は緑地が少なく、どこもコンクリートで埋め尽くされているため、気温が下がりにくい、という特徴もあります。今後、東京の気温が上昇し、猛暑日がふえることは確実でしょう。

温暖化が進むことで、将来どういうリスクが起きるのでしょうか?
水不足、海面上昇による生態系の変化、そして、降水量の変化に伴った水害などが考えられます。例えば、今、下水道から水があふれる基準はおよそ50ミリを超える雨が降ると水があふれるようになっています。でも、最近のゲリラ豪雨に対応するのなら、もっと大きな下水管を作って、75ミリまで対応できるようにした方がいいでしょう。また、海面上昇に伴い、今ある防波堤より高いものに変えるべき場所も出てきます。でも、一度作った社会のインフラを変えるのは、お金も時間もすごくかかってしまうのです。

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みなさん、真剣に肱岡さんの話をきいています

気候が変化することで、社会が対応できなくなる。そこで「今の状況に合わせて個人や社会が変わろう」という適応策の考え方が出てきます。今すでに影響が出ていて、それに対して実施している活動は適用策と言えるのです。熱中症対策もそうです。今はスマフォで色んな情報を見ることが出来ます。降雨情報システム「東京アメッシュ」で、天気を予測して行動するのも、個人ができる「適応策」のひとつと言えます。

肱岡さんは都市を考える上で「自分たちがどういう社会を作りたいかを考えるべき」という視点を教えてくれました。世界のトップレベルの人材が集まる都市がいいのか、文化価値が高い都市がいいのか、教育、安全重視の暮らしやすい都市にしたいのか。それによって、自分たちの行動が変わってくる。本当にその通りだなと思いました。

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自分の求める都市はどんな姿ですか?と参加者に問いかける肱岡さん


続いて登場頂いた五箇さんには、生物多様性と人間の関わりについてお話いただきました。都市に住んでいると、生物多様性とは切り離された生活のように感じてしまいますが、そんなことはありません。都市ではたくさんのものが消費されています。

例えば、私の大好きなタコ。日本人が消費しているタコは、世界の約8割といわれていて、モロッコ/モーリタニアのたこを年間2万輸入したことで、絶滅しかかっているそうです。(ちなみに日本で一番タコを消費している都市は大阪だとか。笑)

タコに続いて今度はうなぎ。世界のウナギの7割は日本人の胃袋に収まっていると言われています。1990年代からほとんどとれなくなり、多くのうなぎはヨーロッパから輸入していますが、ニホンウナギはすでに絶滅の瀬戸際に追い込まれている状態です。

こうした都市での大量消費は、乱獲の原因につながり、生物多様性をなくして原因のひとつです。人間の活動によって動物たちがどんどんと絶滅している。未だかつてないほどのハイスピードで。人間も生き物だから、生態系の多様性があってこそ、私たちも生きていくことができるのです。当たり前のことなのに、都市に住む私たちは生き物の連鎖を感じることができていないように思いました。

5地球合宿.jpg遺伝子の多様性、生態系の多様性、景観の多様性・・・色んな多様性と人間の関わりについてお話してくださいました


また、生物多様性が崩れることによって、感染症が増えることも考えられます。例えば、
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という感染症は、死亡率が10%を超えるちょっと怖い病気。その媒介するのはダニの一種「マダニ」。都会などにも普通に出没するという。なぜ都会に出てきたのでしょうか?もとは野生動物の血を吸っていたけど、野生生物が都会にくるようになったかことが原因だそうです。

6地球合宿.jpg実はダニが大好きだと言う五箇さん。ダニのすばらしさも語っていただきました!笑

今、人間と野生生物の境界線が崩れてかけている。それは、人間にとっても、動物にとっても不都合が多そうです。そこで、五箇さんからは「野生生物と人間の住処をどうわけるか」というゾーニングの提案がありました。生態系の円の中に、私たちの住む都市、があります。都市は、人間が生き残るための、手段のひとつであり、人間が安全にくらせる大切な場所です。ただ、生物圏との関わりをどうするか、ということをちゃんと考えることがとても大事です。私たちは、生物多様性に負荷をかけない都市、というものを考える必要があると思いました。

お二人のお話を聞いた後は、参加者の方に「気候変動に立ち向かうために/生物多様性との共生・共存を目指した大都市 東京の理想的な未来像のために、行政 個人ができることは何か?」をチーム別で考えてもらいました。

7地球合宿.jpg行政のデータがつかえるんじゃない?人口減少をポジティブに考えてみたら?色んな意見が聞こえてきます


8地球合宿.jpg難しいテーマだけど、みなさんとても楽しそう!

発表のアイデアとしては、例えば、下水のあふれやすい場所が分かるハザードマップを作る、第2のふるさとを地方持つべき、自転車専用道路の設置、働く場所と生活する場所をうまく分けた「暮らしのゾーニング」など、たくさんの意見が出て、自分の生活と都市との関係が少しずつ見えたように思いました。

個人的には、9月と10月に開催した「地球合宿」を通して、都市は生き物ではないけれど、そこに集まる人、インフラ、構造物などの様々な要素によって都市の空気感は変わります。都市の変化の早さや動きはまるで生き物みたい。そんな不思議な感覚を持つようになりました。「都市」という生き物がどう生きていくのか。それを作っていくのは他でもない、都市に住む私たちです。

11月の「地球合宿2014」は今週の22日、23日に開催します。
地球合宿2014の締めくくりとなるこの日は、「東京/TOKYO」の「魅力」と「リスク」について、を参加者みんなで議論しながら、2日間にわたってアイディアを出し合います。たくさんの方に参加頂けることを楽しみにしています!ぜひ、お気軽にご参加下さい。


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申込みはこちら↓

地球合宿2014「TOKYO・100人ディスカッション」

(笹尾 実和子)

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2014年03月31日

写真で世界一周の旅!Think the "Earth Day" Party 2014

プロジェクト裏話おすすめ infoお知らせ

こんにちは、曽我です。
東京では桜の満開宣言が出たと思ったら、春の嵐が吹き荒れてせっかくの桜が散ってしまわないかと心配ですね。。私は関西出身なんですが、地元にいる頃から東京の開花宣言は早いなぁと思っていて、今年も4月に入る前に満開宣言が出たので、6年住んでいますが今だにビックリしています。

さて、明日で4月に入りますが、Think the Earthは4月22日アースデイの日に毎年恒例になったThink the "Earth Day" Partyを開催します!

earthdayparty.jpgThink the "Earth Day" Party2013の様子

今年のThink the "Earth Day" Partyも皆さんに楽しんで頂きたいと思い、アースデイ当日は楽しく地球を感じることができたらいいなと思い、Think the Earthのスタッフでいくつかプログラムを考えました。その内のひとつ、「みんなでつくる"世界(日本)一周写真の旅"」の内容をご紹介させて頂きます。

タイトルに「みんなでつくる」と入っていますが、参加される皆さまから世界(日本)を旅した中で、残したい風景、感動した景色、出会った人々、貴重な植物...などの写真を募集し、集まった写真を地図を使いながらぐるっと世界一周の旅をしている気分でご紹介させて頂こうと思っています。

そこで一足先にThink the Earthのスタッフで作る世界一周写真の旅!をご紹介させて頂きます。

では日本からスタートです!
どこがスタートがいいかなと考え、日本昔ばなしに出てきそうな風景が残っていた岩手県遠野市から出発したいと思います。

iwate3.jpg岩手県遠野市 日本昔ばなしに出てきそうな風景に心が奪われました。2011年9月(曽我)

まず最初に向かったのは、日本から南に進み赤道を越えた場所に位置するインドネシアのバリ島です!

bali.jpgインドネシア バリ島 お盆を迎えるバリ島の家々。町中で紅白の国旗がはためいていました。2013年8月(長谷部)

kechak.jpgバリ島の伝統的な男性合唱と呪術的な舞踊。60人くらいの男性が「ケチャケチャ」という独特の掛け声とリズムで行うもの。2013年8月(長谷部)

インドネシアの舞踊は写真でみてもすごい迫力ですね。バリ島はリゾートのイメージがあったのですが、行ってみないとその場に根づいている伝統的な文化を知ることはなかなか出来ないんだなぁと改めて感じました。

つぎに向かったのは、インドネシアから西に進みインド洋を越えた先にあるアフリカ大陸のジンバブエです。

victoriafalls.jpgジンバブエ ビクトリアフォールズ 空からビクトリアフォールズを眺めました。2006年9月(山口)

空からの圧巻の風景!けど、私は怖くて乗れそうにありません。。。

つぎにアフリカ大陸を北上して向かった先はヨーロッパです!

firenze.jpgイタリア フィレンツェ ウフィツィ美術館から見たアルノ川 2011年3月(インターン高木)

milano.jpgミラノのドゥオーモ 2011年3月(インターン高木)

イタリアは行ったことはありませんが、ドゥオーモは何度か写真や映像で見たことがあります。ヨーロッパの大聖堂はすごい迫力ですね!イタリアは一度は行ってみたい国のひとつです。

さて、つぎに向かったのはカナダ。

niagarafalls.jpgカナダ ナイアガラフォールズ 圧倒的な水の力を感じるナイアガラの滝。アメリカ側にある風の洞窟まで行くと、滝に打たれることもできますよ! 2013年7月(笹尾)

vancouver.jpgカナダ バンクーバー大自然と近代的なビルが共存する街、バンクーバー。都会のすぐ近くに海も山も両方あって、夏は本当に涼しい!  2013年7月(笹尾)

ナイアガラの滝も写真や映像ではみたことがありますのが、こちらもすごい迫力!身近に行ったことがある人から聞くお話はリアルなので写真をみたときに迫力が増しますね。この船が滝に飲み込まれるんじゃないかと心配です。。笑

最後に向かったのはハワイ!

haleakala.jpgハワイ マウイ島ハレアカラ山 ハレアカラをテーマにしたフラソングがたくさんあります。本当に美しい朝日でした。2013年10月(曽我)

そして、ただいま日本!

tokyoshibuya.jpg東京都渋谷区 オフィス近くの桜も満開です!2014年3月31日(曽我)


Think the Earthのスタッフで旅する世界一周でしたが、全員ではないのにこのボリューム!皆さんから集めたらもっと色んな場所に立ち寄って楽しい旅になるんだろな、と今からワクワクしています。

以下、Google mapでみんなが行った場所をポイントにし、線と線で繋ぎました。まさに世界一周の旅ですね!画像をクリックすると拡大するのでぜひ見てみてください。

travelmap.jpg※地図をクリックすると拡大します  By google map地図へのリンク

このようにThink the "Earth Day" Party当日は皆さんから送っていただいた写真で世界一周の旅にでかけたいと思いますので、こちらもプログラムも楽しみに当日ご参加ください!

当日の参加方法は以下のURLに記載しています。皆さまのご参加をお待ちしています!
http://www.thinktheearth.net/jp/info/2014/03/party2014.html

(曽我 直子)

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2013年10月25日

新しい『百年の愚行』の表現

お知らせ

書籍『百年の愚行』の続編を出版するためのプロジェクトをクラウドファンディングREADYFOR?にて立ち上げ75日目、たくさんの方に応援して頂き、目標の300万円を達成することができました!本当にありがとうございます。

◯書籍『百年の愚行』の続編を出版します!
https://readyfor.jp/projects/idiocy

目標が達成する前ですが、アートディレクターの佐藤直樹さんに『百年の愚行』の続編をどのようにイメージされているか、お話を伺いました。募集終了まであと数日となりましたが、このプロジェクトについてもっと知って頂き、一人でも多くの方に参加してもらえたら嬉しいです。


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Q:『百年の愚行』の続編はどんな本にしていきたいか、現段階でのイメージを教えてください。

続編は写真集というよりは、問題解決の糸口がつまっている書籍というイメージです。読んだ人たちの行動が変わる切り口、例えばそれは普段の消費活動かもしれないし、政治的なものかもしれない。何かそういうヒントを編集部で探っているところです。

今回、明らかに新しい視点として入っているのは「集合知」だと思うんですよね。20世紀の段階でも「集合知」によって何か解決しようという可能性は見えていたけど、それはまだ未来の話であって、現実的じゃなかった。インターネットの普及はまだ始まったばかりだったわけですから。

前作の話を少ししておくと、当時、今ある問題をまとめて、世に問おうとした時、新聞というメディアが蓄積していた写真を、ただ報道された写真という以上に、情報として伝わっていくための新しい扱い方を発明したいと考えていました。

新聞は20世紀になってから確立したメディアです。次第にテレビの役割が大きくなるけれど、それで新聞が死滅するわけではなく、交代するわけでもなく、並走するように新聞独自の力を持っていました。
これまでの100年間を振り返って、かつ、次によりよい方向へ自分たちの行動を変えていくかを考えた時に、報道写真の情報をどう見るか、どう分析するかという視点を無視することはできません。前作の表現は、そんなふうに考えていった先の必然だったと思うんです。それまで問題として明確に認識できていなかったことを、新しい表現で提示することで少しは変わるのではないか、と希望を持っていました。

ところが、10 年以上経って、どんどん手に負えない問題が増え、事態はより複雑になっています。小崎さんも言っていることですけど、9・11や3・11などの事件が起こって、まだ何も解決できていないという状況では、やっぱり表現形式も以前とは変わってきます。あの頃できなかったことを探りながらやっている。だから単純に報道写真を並べる、ということにはならないでしょう。これからもう一度論議を整理し、今という時代の必然性をもって、みんなに考えてもらうためにはどうしたらいいか、ということを考えています。


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Q:たった10年前のことだと思うのですが、お話を聞いていると、情報のあり方がずいぶん変わったように感じます。ご自身の体感としてどうでしょうか?

この10年で激変しましたね。たぶん、インターネットがあることがあたりまえの若い人たちは、『百年の愚行』が作られた時の、僕らの情報を集める時の困難さは、ちょっと想像がつかないのではないでしょうか。

10年前と比べて一般の人が写真を見て感じる価値観は大きく変わりました。いい、悪いではなくて、当時写真はもっと特別なものでした。
デジタルカメラのレベルも激変しました。10年前はデジカメで撮影した写真の品質はとても低かった。それがあっという間に画質、画素数、プリントの技術も飛躍的に向上しました。

今は誰もがカメラ機能をもった携帯を持ち歩いていて、すごい数のレンズが世界中にネットワークされている。それが今のリアルな現実です。
今、私たちがどんな情報環境にいて、何をリアルに感じているのか、写真を見た時の感じ方や伝わり方はどうか、そういうことを考えずにはいられない。これも10年前とは違う視点のひとつです。


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Q:写真の価値が変わったことで、続編で使う写真はどんなものになるのでしょうか?

今はiPhoneでとった写真が、新聞の一面にのる時代です。たまたまそこにいた人が、わーっ!と驚いて撮った写真が一番リアルだったりする。『百年の愚行』はプロが撮った写真でした。今この方法で作ると、演出が入っているように見える可能性があります。愚行として見せたくて撮った、という感じになっちゃう。そうなると、「今も愚行が続いています。」というメッセージばかりを強化してしまう可能性があります。反◯◯と言うことと、本当の意味でそれを無くすことは同じではないし、繋がらない。僕らはそういうことと向き合い、届くに値するメディアを作らなければならないと思っています。だから写真の集め方も含めて、この状況のリアリティをどう伝えるか、ということはしっかり考えたいです。

福島原発をテーマにした写真はたくさんあると思いますが、どんな表現にするべきか悩んでいます。例えば、海外で報道されている写真と日本のニュースで使われている写真がこんなに違う、という比較のしかたがあってもいい。必ずしも新聞の写真である必要はなくて、テレビの画像だっていいと思います。そこも含めて、もう一回議論しなきゃいけないところですね。それに、リアリティの感じ方は、これからまた変わってくるかもしれないですしね。

(聞き手;笹尾実和子)

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2013年10月09日

アースコミュニケーターインタビューVol.2 安斉紗織さん

地球日記お知らせアースコミュニケーター

こんにちは、インターンの木村です。
アースコミュニケーターの方へのインタビュー第二弾をお届けします。
今回はIsland Gallery(アイランドギャラリー)店長の安斉紗織さんです。

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安斉 紗織(あんざい さおり)
Island Gallery店長
http://islandgallery.jp/

1983年生まれ。女子美術大学卒。
大学在学中にドキュメンタリー映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』に魅了され、学園祭で同作の自主上映会を開催する。卒業制作「自然をまとう」では、優秀賞を受賞。卒業後、しばらくは旅をしたり、西表島で制作活動をしたりして過ごす。さまざまな巡り合わせを経て、現職。ブログ「さおたんのしっぽ」http://saotan.jp/
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----まず、Think the Earthとの出会いや、これまでの交流について教えて下さい。

もともと、当店Island Galleryのオーナーである石島英雄がThink the Earth理事の上田さんと知り合いだったんです。石島はかねてから、上田さんの活動に注目していたようです。ある時、石島と上田さんが、都内の地下鉄でばったりと会う機会があり、ギャラリーに帰ってきた石島が私にそのことを話してくれました。「今日は、さおりの好きそうなことをしている人に会ったよ」と言われて。当時から私は、地球のことを考えるのが好きだったので、すごく興味をもちました。上田さんのことを知ったのが、Think the Earthのことを知るきっかけにもなりました。

それから少し経った2008年に、私たちは、明治神宮文化館で名嘉睦稔(なかぼくねん)の展覧会を行ったのですが、その時に上田さんをゲストとしてお呼びし、名嘉睦稔やThink the Earthの活動について、話していただきました。このとき、私ははじめて上田さんに直接お会いしました。イベント当日は会場で『百年の愚行』や『世界を変えるお金の使い方』、『地球時計』の販売も行いました。私もそこで、本を読ませていただいて、「こういうことを知りたかった!」と感銘を受けました。Think the Earthの具体的な活動を知ったのは、このときだったと思います。

その後も、みずのがっこうを一緒にやらせてもらったり、震災後、Think the Earth基金へ展覧会の売り上げの10%を寄付させてもらったりと、Think the Earthと交流を続けてきました。

----次にアースコミュニケーターになられた経緯を教えて下さい。

私はもともと地球のことに関心があり、大学時代は学園祭で『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』の自主上映をやったり、自然に還る素材で作品を作ったりしていました。漠然と、地球の事を考える活動をしたいな、と思っていたんです。でも、いざ社会へ出て仕事をはじめてみると、日々の業務に追われ、なかなかそういう活動をできずにいました。すごく葛藤がありましたね。そんなとき、2009年くらいだったと思いますが、上田さんとお食事をさせていただく機会があったんです。その席で、上田さんから地球への熱い想いを伺いました。上田さんはちょうどボルネオから帰国されたばかりで、そこで見てきた厳しい現実と、未来への明るい展望をそれぞれ話してくださいました。お話を聞いて、自分も地球のためになにかできることがあるかもしれない、と改めて感じ、家に帰ってすぐに上田さんのお話をブログに書いたんです(http://saotan.jp/148)。

ブログを書いた後、もっとなにかできないかな、と思いました。すぐに行動しないと、この問題意識もいずれ忘れてしまうと思ったんです。そこで目に留まったのがアースコミュニケーターでした。地球のことを考え活動している人たちを応援するThink the Earthを応援する。遠回りではありますが、この方法でなら、地球のために私も活動できると思いました。気づいたら、会員登録のボタンをぽちっとしていましたね。

----続いて、安斉さんご自身のことについて伺います。先ほど大学時代に『地球交響曲』の自主上映会を開催されたとおっしゃっていましたが、その経緯をお聞かせ下さい。

きっかけは、大学一年生の時にたまたま『地球交響曲』を見たことでした。すごくハマってしまって。

----『地球交響曲』の第三番には、Think the Earth理事の上田が助監督として携わっていますが、それは当時ご存知でしたか?

当時は知らなかったです。後々知って、驚きました。すごい偶然ですよね。『地球交響曲』には本当に縁を感じているんです。自主上映会を開催するまでにも、不思議な偶然がたくさんありました。

大学四年生の春、私は『地球交響曲』の第四番を学園祭で上映したいと考えていました。理由は、純粋に『地球交響曲』のファンだったから、そしてその中でも特に第四番が好きだったからです。第四番には名嘉睦稔(なかぼくねん)という沖縄のアーティストが出てきます。私は彼のことがすごく好きでした。この方のことを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思っていたんです。

自主上映会の開催に向け準備を進めていた頃、たまたま祖父の家へ行く機会がありました。そしたら、なんと祖父の家の前の駐車場に『地球交響曲』の監督がいらっしゃったんです! こんなことがあるだろうかと思いました。お話を聞いたら、祖父と同じマンションに住んでいらして。すぐに『地球交響曲』のファンであること、自主上映会をやろうとしていることを伝えました。すると監督が「今、第五番を作っていて、それがすごくいいから、楽しみにしていてね」とおっしゃって。家に帰ってすぐに、第五番のことを調べました。そしたら、第五番に、私の通う女子美術大学を卒業された方が出ているとわかったんです。染織作家の石垣昭子さんという方なんですけど。先輩ということで、すごく縁を感じて、急遽上映するのを第四番から第五番に変更することにしました。本当に色々なものが繋がっていくのを感じました。上映会当日は、石垣さんにゲストとしてきていただき、お話していただきました。その時の石垣さんとの出会いは、私の卒業制作、ひいては卒業後の活動にまで良い影響を与えてくれたと思っています。

私の卒業制作「自然をまとう」は、石垣さんの創作で出たゴミから作りました。ゴミといっても、自然にかえる素材で、美しいものでした。はじめて見たとき、これは使えそうだなと思いました。私は、後々ゴミになるようなものは作りたくなかったんです。私のゼミの先生が、植物からアートをつくる人だったことにも影響されています。私はずっとフラダンスをやってきたんですが、作品はフラの衣装からインスピレーションを得て作りました。

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----Island Galleryとの出会いについてお話いただけますか

ここには、学生時代にも何度か来ていました。その頃は、まだ店の名称が『ボクネンズアート東京』でしたね。名嘉睦稔が好きだった私にとって、すごく気になる場所だったんです。『地球交響曲』の自主上映会のチラシをここで扱ってもらったこともあります。当時からすごく居心地がよくて「いつかここで仕事ができたらな」と思っていました。ここで仕事をする自分の姿がすごくリアルにイメージできたんです。一度、スタッフを募集しているか問い合わせたことがあったのですが、その時はだめで、就職活動も途中でやめてしまっていた私は、卒業後、しばらくふらふらしていました。

けれど程なくして、私のブログにIsland Galleryからメッセージが入ったんです。新しいスタッフを募集しているので、やってみないか、というお誘いでした。Island Galleryのオーナーである石島と私は学生の頃から面識があり、ギャラリーで働きたいと直接伝えたこともありました。それを彼が覚えていてくれたみたいで。また、不思議と同じタイミングで石垣昭子さんからも、西表島で創作活動をしてみませんかとお誘いをいただき、悩んだ末、結局西表島に3ヶ月間滞在した後、Island Galleryのスタッフになりました。

----最近のIsland Galleryの活動について教えてください

お店の名称が変わったことからもわかるように、最近は名嘉睦稔以外の作家さんも扱うようになりました。動物写真家の高砂淳二さんや、サーファー写真家の芝田満之さん、沖縄を拠点に活動されているchojiさんなどの写真を扱っています。どの作家さんの作品も素敵ですよ。是非一度ギャラリーにお越しいただき、実際にご覧いただきたいですね。

また、先日ソーシャルネットワークのGoogle+を活用した展覧会も行いました。Google+上で、人気と実力があるアマチュアの方を3名選んで、その方たちの写真展をここでひらいたんです。すごく好評でした。普段、ネット上で、彼らの写真にコメントをしているファンの人たちが実際に顔をだしてくれる一幕もありました。是非今後もやっていけたらな、と思っています。ご期待ください!

----最後に、安斉さんがブログ上で度々使われてきた「アートのチカラ」という言葉について、お聞きします。安斉さんにとって「アートのチカラ」とは、どのようなものですか?

このギャラリーへ来てくださるお客様を見ていると、つくづく、アートは非日常に連れて行ってくれるものだなと思います。疲れていたり、悲しいことがあったりしても、ここへ来て、一枚の絵を見るだけで、一時それから離れることができる。励まされ、元気が湧いてくる。私にとって、「アートのチカラ」とは人を癒やす不思議な力のことだと思います。


----ありがとうございました!

*Island Gallery 展覧会のお知らせ*

10月21日より、名嘉睦稔さんの写真展が行われます。
11月2日、3日には、サイン会も開催されます。是非足をお運び下さい!

名嘉睦稔木版画展『太陽の花 星の花』
http://islandgallery.jp

会 期 10月21日(月)~11月4日(月・祝)
時 間 11:00-19:00
会 場 Island Gallery
    東京都中央区京橋1-5-5 B1
    tel / 03-3517-2125
※会期中無休・入場無料・11月2日(土)17:00まで

*Island GalleryのThink the Earthな商品*

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『究極の自然音 出羽三山〜神さまの通り道〜』
『究極の自然音 八重山〜神々が集う場所〜』

バイノーラル方式でレコーディングされた自然音のCDです。
コンテンツには音楽やナレーションは一切入っていません。
都会にいながらにして、奥深い自然の様子を感じることができます。
是非これを聞きながら、Think the Earthしてみてください!
究極の自然音シリーズ / IslandSound

Think the Earthでは引き続き、アースコミュニケーターを募集しております。
ご興味のある方は是非こちらをご覧ください。


関連記事:アースコミュニケーターインタビューvol.1 山阪佳彦さん

(インターン木村俊介)

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2013年07月26日

アースコミュニケーターインタビューvol.1 山阪佳彦さん

地球日記お知らせアースコミュニケーター

こんにちは、インターンの木村です。

Think the Earthには、私たちの想いに賛同し、応援してくださっているアースコミュニケーター(会員)の方たちがいます。その顔ぶれは、実に個性豊か。さまざまな年齢、職種の方たちが、アースコミュニケーターとして日々Think the Earthを盛り上げてくれています。

アースコミュニケーターにはどんな人がいるの?
アースコミュニケーターになったらなにか良いことがあるの?

そんな疑問をもった皆さまへ。今回から、魅力的なアースコミュニケーターの方たちへのインタビューを、Think the Earthインターンの僕達が不定期でお届けします。

記念すべき第一回目は株式会社MAQ クリエイティブディレクターの山阪佳彦さんです。

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山阪 佳彦(やまさか よしひこ)
株式会社マック 専務取締役 東京本部長 クリエイティブディレクター
http://www.maq.co.jp/

1961年大阪生まれ。
コピーライターとしてTCC新人賞、広告電通賞、朝日広告賞ほか多数受賞。2006年、ゴミ置き場をアートにするプロジェクト「GARBAGE BAG ART WORK」をスタートさせる。現在、任意団体purple eyes(パープルアイズ)理事を務める他、「いただきますの日」をはじめとする様々なプロジェクトにも携わり、幅広く活動中。

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ーーまず、アースコミュニケーターになられた経緯を教えていただけますか?

山阪佳彦(以下山阪):Think the Earth 理事の上田壮一さんが「NPOもちゃんと儲からないとだめだ」とよくおっしゃっていて、その通りだなとずっと思っていました。持続可能な社会の実現をサポートしたり、推進したり、もしくは何かを啓発したりする活動をしている人は、世の中にたくさんいると思うんですけど、その人たちの活動自体が持続可能じゃないことが結構多いように思うんです。高い志があっても、続けていけない団体が多い。

もちろん、資金的なことだけが問題だとは思いませんが、少なくともちゃんとマネタイズされて、いくらか儲けがあれば、最低限の活動を続けることはできるのではないかな、と勝手ながら思っています。お金を稼ぐことはやっぱりすごく大事なことだと思うんですよ。ですから、アースコミュニケーターとして、本当に僅かではありますけど、資金的にThink the Earthに協力できたら、応援できたらと思い、会員になりました。
  
ーーアースコミュニケーターになって良かったことはありますか?

山阪:今説明した通り、僕は何か特典を期待してアースコミュニケーターになったわけではないのですが、年に四回くらい開催されているセミナーはすごく良いと思いますね。特に学生さんにおすすめです。

学生の頃に、たくさんの人の話を聞いておいた方がいいですよ。それはたくさん本を読んだ方がいいというのと一緒だと思います。価値観というのはたくさんあるし、特にこういうソーシャルな活動に関しては色々な論を持った方がいらっしゃる。その中から、自分に合ったものを見つけたり、比較したりして考えを深めていくといい。セミナーはそれをするすごく良い機会だと思います。

ーーアースコミュニケーターに興味を持っている方々へ何かメッセージはありますか?

山阪:多くの人にとって、アースコミュニケーターになるというのは、僕が考える以上に、ハードルが高いことなのかもしれません。でも、そこを越えれば、様々な価値観に触れる機会が得られますよ。

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ーー続いて山阪さんご自身の活動について伺います。「GARBAGE BAG ART WORK」や「いただきますの日」など創造性に富んだ活動をされている山阪さんですが、なにか問題意識をもってそれらに取り組まれているのでしょうか?

山阪:正直、問題意識はあまり持っていません。ないとは言いませんが。僕は、社会問題を解決したくて活動しているというより、そのような問題に興味を持ってもらうために活動している感じなんですよ。クリエイティブの立場から、きっかけ作りをしたいと思っているんです。そこはThink the Earthの活動と通ずるものがある気がします。

ーークリエイターとして、山阪さんが心がけていることはありますか?  

山阪:僕は、問題を客観的に見る目と、渦中にいる当事者の目の両方を持っていたいといつも思っています。どちらに片寄ってもいけない。これは、これまでの活動を通じて実感したことです。問題には、当事者にしかわからない複雑な部分と、外部の人にしか見えないシンプルな部分、両方が必ずある。

僕は今、purple eyes(パープルアイズ)という団体でDVの啓発活動をしているのですが、この2つのまなざしをいつも意識して、やっているつもりです。例として、purple eyesが一昨年行った「3個に1個は辛い飴キャンペーン」というものを紹介します。

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これは、飴が3粒入った袋を銀座で配りDVの啓発を行おうというものでした。配った3粒の飴は、一見どれも同じものなのですが、実は一粒だけ辛い味がします。これは、結婚した女性の3人に1人がDV被害を受けたことがある、という内閣府の調査数字をもとにしたもので、一見すると甘く幸せに見える夫婦関係にもDVという問題が発生する可能性があることを表現しています。

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「3人に1人はDV被害者です」と書いた紙を配るより、こういう形の方が効果があると思います。実際、2000個用意した飴が、僅か一時間足らずで無くなってしまいました。DVの啓発をしたい当事者の目と、クリエイターとしての客観的な目、両方を意識することで、こういうアプローチも可能になります。楽しそうなものが入り口にあって、その先に啓発したいテーマがあるわけです。

これからも僕はクリエイティブの力で、問題に興味をもってもらう、そのきっかけ作りをしていきたいですね。

ーーありがとうございました!


Think the Earthでは現在、アースコミュニケーターの方を募集しております。
ご興味のある方は是非こちらをご覧ください。

(インターン木村俊介)


 

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