2017年05月09日

上海いってきました

地球日記

旅行下手なのが悩みなので、昨年からちょこちょこ遠出しています。

昨年は沖縄と青森へ行き、活動範囲の最南と最北を更新しました。ならばこのGWは西へ行くか、と2日間上海へ。

予算をなるべく押さえるために、LCCで午前3時羽田発の深夜便を利用します。上海へ着いたのは午前5時。どこの施設も空いていない(むしろリニアすらも動いてない)時間なので、3時間ほどロビーで暇つぶしをしてから街へ出発です!

街へ出てみると、中心地の町並みは新しく、特に「新天地」と呼ばれるエリアは東京ともロンドンとでも言えそうな商業地区。地下鉄の切符販売機はわかりやすくて切符はICカード、レンタサイクルはアプリで貸出管理されています。

一方で、主要駅を少し離れると、すこしぼけたビルが立ち、道端には肉まんを売り歩く台車が止まり、工事中の土地がたくさん。なんというか、日本で言えば80・90年代がそっくり抜けて、"昭和"と"ミレニアム"が同居しているかのようです。

私が上海で行ったのは、いくつかのアートスポットと観光スポット。残った時間は散歩をしてました。


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自動切符販売機。路線図を参照しながら切符を購入できて便利

上海当代美術博物館(Power Station of Art)
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発電所を利用した現代美術館。テート・モダンぽい
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美術館の周りは開発中の地区。美術館の煙突には(たぶん)現在の気温が表示される
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展示していたのは、まさかの日本人建築家・伊東豊雄さん

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中国の若手アーティストを集めたギャラリー
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めちゃくちゃオシャレなお店も
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広い。日本人はあんまりいませんでした

外灘
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ザ・上海

豫園
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ひたすら庭園
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庭の敷地外には商店街。スタバもありました

新天地
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駅構内にこんなものが。突然のプロパガンダでびっくり
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有名ブランドの店も並ぶ道。この道の先にドローンメーカー「dji」の店もありました
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小道を一歩入ると母の手料理のにおいが漂う住宅街

その他
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村上隆的なあれ
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この辺は駐在の人が多いのか、日本人のママ友がお出かけしてました
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ガッチリしたマンションがたくさんあります

上海の人は意外と英語を話しません。それでもスマホを使って会話をしようと試みてくれたり、手振り身振りでなんとか会話したり、コミュニケーションを図ろうとしてくれるのがありがたかったです。

今回旅行をして感じたことは、根本的にはどこも同じだな、ということ。多少の文化の違いなどは、適当に行って散歩している程度ではあまり感じません笑。今回の旅行は中国人の友達もでき、とても面白いものとなりました。

ちなみに中国ではfacebookはもちろんgoogleのサービス全般も使えませんでした。垣根が無いはずのインターネットに壁ができていることにちょっと面白さと矛盾と皮肉を感じます。

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曲線の美しい上海浦東国際空港
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詩人・吉本ばなな『キッチン』の翻訳本。思わず購入


(まつもとあさみ)

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2017年04月19日

そこにある声を聞く 「崩れゆく絆―アルフレド・ジャーが見る世界のいま」@森美術館の感想

地球日記

森美術館が開催しているラーニングプログラムアージェント・トーク」に参加しました。とてつもなく動かされた内容だったので、ご紹介させていただきます。
 ※トーク記憶を辿ってそのまま書いているので、一部内容には齟齬があるかもしれませんが、ご了承ください

「アージェント・トーク」は来日したアーティストに招いて講演してもらう趣旨で、今回のゲストはアルフレド・ジャー(Alfredo Jaar 1956年 - )さん。

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(画像クリックでジャーさんのHPが別ウィンドウで開きます)

個人的には、理論と感性が同居していて、ジャーナリズム色の濃い作品をつくる人だな、という印象です。

「文脈を理解せずに、行動を起こすことはできません」「"この世界の状況下で、どのように作品をつくるのか?"と、アトリエに入った時に考えるのです」と、話し始めたジャーさんは、まず彼の作品を、スライドと制作過程の説明を交えながら紹介してくださいました。

(表記は作品名、製作した場所、製作年、ジャーさんによる説明の順番)
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●《We Shall Bring Forth New Life(Umashimenkana)》福島(日本)2013
福島の小学校から持ってきた25の黒板を使ったインスタレーション。日本語タイトルの「生ましめんかな」は栗原貞子さんの詩から。
●《Lights in the city》モントリオール(カナダ)1999
5度の焼失と再建を経験した建物が舞台。街のホームレスの「街の人にとって私たちは透明だ」という彼らの言葉を受けて、彼らを可視化させる主旨で行われた。
●《The Skoghall》Skoghall(スウェーデン)2000
製紙工場のために作られた街に、紙で美術館を建て、24時間展示した後に燃やすプロジェクト。街には文化的施設がなく、文化に目を向けてもらいたいと行った。
●《One Million Finish Passports》ヘルシンキ(フィンランド)1995
難民受け入れ数の少ないフィンランドで、100万冊のフィンランドパスポートを展示。この100万という数は、中東にいる難民の数(1億人と記憶してます)の1%。
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いずれの作品も、入念なリサーチとフィールドワークを経て、出来事の概要やそこにある問題などをあぶり出したものがテーマ。フィールドワークでは、関係者や当事者へのヒアリングも行っています。関係者や当事者の声を聞くことで、誰かが不用意に傷つくことがなく、アクションを起こす人が必ずいる作品となる。きちんとしたリサーチの上に成り立つ作品だから、鑑賞者も含むあらゆる人に意識の変化が起こるのだ、と感じました。

作品紹介のスライドの合間には、トルコの海岸に流れ着いた少年(アイランちゃん)の写真が挟まれていました。

「難民問題は以前からありますが、この写真から世界の注目が集まるようになりました」とジャーさん。彼の提示する他のスライドには、超過人数でゴムボートに乗り、鉄条網をくぐり、壁やフェンスを越え、押し留める人々の間をすり抜けて自国から逃れる人々の姿が映っています。

ヨーロッパにはドイツのメルケル首相、北アメリカにはカナダのトルドー首相など、難民を多く受け入れる国があります。その一方で受け入れを拒否する国があり、とんでもなく右翼思想を持つ国のリーダーも誕生しています。ジャーさんはハンガリーのカメラマンにまつわるニュースを挙げます。「国のトップの思想が国民の態度に影響を与えるのです」。

また、今回のアメリカの大統領選の結果を受けて、フランスやイタリアの雑誌は大きく拒否反応を示したがアメリカの雑誌は迷っているような様子で、日本では首相がいち早く次期大統領との会談に取り付けた、と各地の状態を伝えてくれました。

トークが終わった後の私の脳みそはほぼパンク状態で、何をしたら良いのか、自分の焦点をどこに当てたら良いのかわからなくなりました。ニュースを見ているだけでもあちらこちらで不安なことが起こり、全ての問題が同時進行で進んでいるように感じます。起こっていることは全て絡み合い、世界中にある壁は日に日に高くなっているように見えます。

それからひと晩考え、まだ全然消化できてませんが、この文章を書いているうちにひとつ。ジャーさんが行っているように、調べられることは調べ、行けるところは行き、そこにある声に応えていくことで、何か浮かぶかもしれない、と思いつきました。

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最近六本木も良いなと思うようになりました

(松本麻美)

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2016年09月20日

壮大な大自然!@グランドキャニオン・ヨセミテ

地球日記

こんにちは、曽我です。
先日、夏休みをいただきサンフランシスコに行ってきました。そして、せっかく行くのでと思い、グランド・キャニオンとヨセミテにも行ってきました!

SFLV_01.jpgグランド・キャニオン

SFLV_02.jpgヨセミテ国立公園

まずは旅の前半、グランドキャニオンに行きました。ラスベガスからグランド・キャニオンまでの距離はなんと450km!これは、東京ー会津若松、大阪ー福岡間と同じくらいの距離になるそうです。今回はこの距離を陸路で向かいます。ほぼ信号がない道をずーーーーっと進みます。そのため、450kmという距離ですが4時間〜5時間で着きます。(飛行機で行くこともできます)

途中、東西アメリカ大陸を横断するのにとても重要な役割を果たしていた国道66号線、通称ルート66(Route66)が通る町セリグマンに寄りました。ルート66は1926年に国道として創設され、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結んだ全長3755kmにもおよぶ国道。物資や人々が西に移動するための主要道路として使われていたそうです。高速道路の発達によりに1985年に役目を終え、廃線になりました。

SFLV_04.jpgSFLV_05.jpgピクサー映画のカーズのモデルになった車だそう!

1985年に廃線になりましたが、セリグマンに住む1人の男性が歴史的なルート66の保存を認めるよう働きかけ、再び地図上に名前がのるようになりました。セリグマンには30分ほどしか滞在しませんでしたが、思わぬ寄り道で少しアメリカの歴史を知ることができました。

さて、いよいよグランド・キャニオンに到着です!
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目の前に広がる巨大な峡谷!景色が壮大すぎて、これはいったい...と、ため息が漏れました。グランド・キャニオンの一番古い地層は恐竜時代より古く、最古の地層は20億年前だそう。一番新しい層でも2億5000万年前です。壮大な景色だけでなく、その地層の古さにもただただ驚くばかりでした。

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グランド・キャニオンは今から7000万年前に、この地を含む広い地域が地球の地殻運動で隆起し、広大な台地が形成されました。さらに、約4000万年前コロラド川による浸食が始まり、約200万年前に今の形状になりました。侵食は今も続いているそうです。

私が訪れた日は天気が悪く、途中雷雨にあいましたが夕方にはとても綺麗な夕日を見ることができました。グランド・キャニオンに沈む夕日を見ながら、地球の偉大さを感じました。

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さて、次に向うのはヨセミテ国立公園です!ヨセミテへは、サンフランシスコから、こちらも陸路で向いました。片道300km。グランド・キャニオンよりは近いですが、なかなかの距離です。

ヨセミテへ向う途中にAltamont Pass Wind Farmというとても大きな風力発電所を通過しました。

SFLV_08.jpgSFLV_09.jpgこの辺り一帯に数多くの風力発電が設置されています

後日調べたのですが、アメリカ国内でもカリフォルニア州は風力発電の数が一番多く、Altamont Pass Wind Farmは最も古い風力発電所だそうです。また、騒音問題や鳥類への被害も深刻で、新しい風力発電を導入するなど対策を行っていることがわかりました。一度ゆっくり見学に行ってみたいなと思いました。

さて、車はヨセミテへと近づいていきます。岩が白くとても天気がよかったので最初、遠目では雪山に見えたのですが、近くにくると全て岩ということに驚きました。

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ヨセミテ国立公園には森も川もあり、とても緑が多く気持ちのいい場所でした。これまでにアメリカの国立公園はいくつか行ったことがあるのですが、私が訪れた公園の中では一番緑が多く、ハイキングコースも多くありました。

SFLV_11.jpgSFLV_12.jpgSFLV_13.jpg

今回訪れたヨセミテ渓谷は一番観光客が訪れる場所ですが、国立公園全体の1%でしかありません。約9割は手付かずの自然が保護されているということでした。これほどの壮大な自然を目の前に、まったく想像できないスケール感に驚くばかりでした。

また4月には雪解け水が流れだすヨセミテ滝があり、その風景もとても素晴らしいとのこと(落差は739m、北アメリカで一番だそう)。8月には水が枯れてしまうため、私が行った日に滝は見ることができず、残念でした。

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最後にガイドの方が一番気に入っている絶景ポイントに連れて行ってもらい、ヨセミテの旅は終了です。ロッジに泊まっている方もいて、次回はぜひ1泊したいと思いました。

帰りもまた4時間ほどかけて帰ります。サンフランシスコの夏は日没が20時くらいのため、ダウンタウンに戻る頃にはまだ日が沈んでおらず、とてもきれいな夕日が見ることができました。

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旅をすると、その土地のことを調べたり、現地の人に話を伺ったりと自分が知らなかった世界が一気に広がるので本当に素晴らしい体験だなと改めて感じました。

またみなさんにオススメの場所など伺って、旅の予定を考えたいと思います!

(曽我 直子)


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2016年09月12日

講演「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」

地球日記

8月30日(日)、いつもお世話になっているデザイン会社「AXIS」で、講演がありました。

講演のゲストは、AXISで発行しているデザイン雑誌『AXIS』182号(2016年7月1日発売)のカバーを飾った、緒方慎一さんです。

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イベントの告知ページ(クリックでリンクに飛びます)


緒方さんは、和食料理店の「HIGASHI-YAMA Tokyo」や和菓子店「HIGASHIYA」の運営、陶・滋や漆プロダクトブランド「Sゝゝ(エス)」の展開など、和の文化を活かして新しいものを創りだしています。

緒方さんならではの哲学を、講演のタイトル「数百年先を見据えたものづくり --世界に発信する日本式」にもとづいて伺うことができました。

今回は、そのなかでも特に印象に残ったことについて書きたいと思います。


緒方さんによると、日本式は5つの形を持っているそうです。

・自然のかたち
・人間の感じるかたち
・陰陽のかたち
・儚いかたち
・無垢なかたち


この中でも興味深いと思ったのは、「自然のかたち」と「人間の感じるかたち」です。

まず、「自然のかたち」について語り始めた緒方さん。日本のものづくりは、すべて自然崇拝に繋がるのだそう。

日本人は、もともと自然の豊かな環境で暮らしてきました。

森で狩りをし、木の実を集め、海や川で漁をする......。自然に囲まれ、その恵みを受けながら暮らしていくうちに「自然=神様」という意識が生まれ、多神教になります。

そんな多神教の文化が他国の文化を取り入れ、和洋折衷な文化を生み出し、そこから現在の日本文化に繋がる「和」の美意識が生まれました。

日本文化の代表とされる"自然を生け捕る"借景や、"自然を見立てる"銀閣寺の「向月台」(庭園内にある、円錐形に盛られた砂の造形)、盆栽、和菓子などもその感性から生まれてきたのだそうです。

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銀閣寺の「向月台」


次の「人間の感じるかたち」は、ずばり"五感で感じる"ものを追求します。

例えば夏の窓辺に掛ける風鈴。高い澄んだ音色で、涼しさを演出します。暑さをしのぐ方法では、打ち水もよく行われていますね。これらは、人の感情に訴えかけ、心地よさをつくりだす"かたち"なのです。

緒方さんの作品である使い捨ての器「wasara」は、このエモーショナルなかたちを追求したもの。手漉きの紙のようなテクスチャーや手に馴染むかたちが、人の五感に働きかけ、心地よさを生み出します。

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WASARAのホームページ(クリックでリンクに飛びます)


講演後に、実際に手に取ってみましたが、手に乗る厚手の紙の重さと均されていない表面の触り心地が本当によく、「使い捨てとは本当にもったいない!」と思ったほど。

このお皿を普段使いできたら、一日一日をゆったりと過ごせるはずです。

講演のなかで緒方さんは「自分の活動は日本を意識してやってきたわけではなく、やってきたことを見たら、こうなっていた」と振り返ります。

わざわざ意識しなくてもにじみ出てくるものが、その人のルーツであり生きてきた環境そのものなのだ、と感じました。


◎緒方慎一さんが代表を務める会社
株式会社SIMPLICITY( http://www.simplicity.co.jp/ja/
◎緒方さんが運営するお店
八雲茶寮(http://yakumosaryo.jp/
HIGASHIYAMA-Tokyo(http://higashiyama-tokyo.jp/
HIGASHIYA(http://www.higashiya.com/
◎プロダクト
Sゝゝ(http://www.sss-s.jp/
WASARA(http://www.wasara.jp/


(松本麻美)

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2016年05月17日

第3回「地球のお医者さん」

地球日記

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こんにちは。インターン生の山下真奈です。さて!第3回目、ついに最終回となる今回は・・・毎年3月に行われ、多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコースを広く知ってもらうことを目的に学生の課題作品を発表するプロジェクト「できごとのかたち展の2016年度」に出展された、久保亮太さんと半田早奈英さんの作品をご紹介します。

二人は私と同じく、Think the Earthの上田さんの授業を受講していたゼミ仲間です。初回の記事で書かせていただいた「地球と健康」(※)というテーマの課題に対して、私と同様に制作をしていた二人はどのようなアプローチをしたのでしょうか。
※第1回「地球のお医者さん」

まずは久保亮太さんの作品を紹介します。
「江戸の時間で生きてみるツール」

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常に忙しなく、どこか生き急いでいるような現代人。そんな彼らに提案する、"江戸時代の時間で生活してみる"コンテンツです。江戸の人々は太陽の動きに合わせた「不定時法」という時間の刻み方で生活していました。そんな自然のリズムに合わせた、心にゆとりのある生活を現代でも送るために、不定時法に則って作られた日割りのスケジュール帳、それからその不定時法に合わせて鐘の音が鳴る、電子時計の二つのツールを制作しました。

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全部で4冊、春・夏・秋・冬の四季ごとのスケジュール帳となっています。和綴じをしていて、趣のある印象を受けます。江戸の時を感じる...という言葉にぴったり。

冊子の小口を見ていただくとわかるのですが、各季節ごとにオレンジの部分と青の部分の面積がちがいますよね。これは、その時々の「日照時間」を表しています。夏のスケジュール帳のオレンジの部分が多いのは、太陽の出ている時間が多いため。逆に冬のスケジュール帳の青の部分が多いのは、日照時間が少ないためです。

太陽の動きに合わせた「不定時法」に沿って作ったスケジュール帳ならではの工夫です。

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こちらは夏のスケジュール帳です。
3_4B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

3_5B.jpg(※画像をクリックすると拡大します

中身はこんな感じ。よく見ると、毎日毎週毎月、毎季節ごとに、時間の刻まれている間隔が違います。これは、昔の江戸の時間の刻み方「不定時法」の法則で作られているためなのですが、先ほどから何度か出てくるワード「不定時法」とは、一体何なのでしょうか?

不定時法とは、"夜明け"から"日暮れ"までの時間を6等分する時間法です。きっちりと時を刻む時計のような道具がなかった江戸時代以前までは、太陽の高さで大体の時刻を計る、この時間法が使われていたそうです。このスケジュール帳と電子時計は、そんな「不定時法」で毎日を過ごせるようなツールとなっているのです。

時の流れはいまも昔も一定で普遍的なもの。ですが、日の出と共に起き、日没と共に寝る...。そんな、自然と共にあるような過ごし方を江戸時代まではしていたんですね。

忙しく息の詰まるような現代の時の刻み方ではなく、自然と共に、ゆったりと、時を刻んで生きるということ。江戸の時を感じ現代人に「心のゆとり」を持たせるアイディアです。


次に半田早奈英さんの作品を紹介します。
「しゅうかん朝ごはん」

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朝ごはんを食べる、ということは日々の健康と深い関係があります。朝、きちんと食事を摂ることで気持ちよく、かつ健康的に一日を始められます。特に子どもにとってはとても大切なことです。

しかし、朝は食欲が出ず、嫌がってあまり朝ごはんをきちんと食べない子どももいます。しっかり朝ごはんを食べないと、栄養が頭に行かず、ぼんやり...体にもあまり力が入らず、だるくなってしまいます。朝ごはんをきちんと毎日食べる習慣をつけることは、成長期の子どもに特に重要なのです。

ですが、親にとって朝は忙しい...そこで、お皿を変えるだけで子どもが朝ごはんを進んで食べられる習慣をつくれ、手軽に朝ごはんに楽しさをプラスできる。そんな、一週間の朝ごはん用の日替わり紙皿を制作しました。

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種類は全部で、一週間分の7通り。カラフルでとても可愛らしいデザインです。それぞれに違う絵柄が印刷されていますが、なにやらところどころに何かを置けるような場所が...気になる使い方はこちら!

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朝ごはんを月曜日のお皿の上に乗せると、朝ごはんがキャラクターになりました!7つの違う"しかけ"がお皿に施されているので、朝ごはんをあまり食べられない子どもでもこれなら楽しく食卓に向かうことができそうですね。

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他にも、電球になって朝ごはんがぴかぴか光ったり、風船に連れられて飛んでいったり...様々な工夫が盛り込まれているので、明日はどんなご飯だろう?どんなお皿だろう?なんて、わくわくしますね!このお皿を使うことによって、朝ごはんをきちんと食べて、一日を元気よく健康に過ごしてもらいたい。そんな想いのつまったアイディアです。


こちらは「地球と健康」の課題の、最終プレゼンの様子です。作品の展示をし、受講者全員とその他の授業を担当していた先生方に対し、それぞれが作品をプレゼンします。

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「カバンの中身を整理して、心の整理整頓をするアイディア」

「"笑顔"を習慣づけ、心を健康にするアイディア」

「質の良い睡眠を促すアイディア」

「バーチャル温泉体験(!)」...などなど。

この「地球と健康」をテーマにした作品は、私や久保くん半田さんの3作品に限らず様々なアプローチのものがあり、どの作品も個性的でとても面白いものでした。

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「地球を健康にする」ことは、必ずしも地球の環境問題を改善する...ということではありません。

"地球"に住む人々、動物、そのほかいろんなもの・・・。

自分たちを取り巻く環境や生活を、よりよくしていくアイディアを考えること、行動をすること、発明をすること、提案をすること。なにか小さなきっかけから、自分やそのまわりの環境をよくしていくことはできます。それは誰かから気づかせてもらうこともあれば、自ずとひらめくこともあります。

その全てが「地球を健康にすること」であり、「地球のお医者さん」の仕事なのかなと、私は思います。また、地球おにぎりに関する広報のメディアとして「地球ドクター」というフリーペーパーを製作しました。こちらのPDFから内容の一部をお読みいただけますので、よろしければご覧下さい。

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今回は3回にわたりブログを読んでいただきありがとうございました!まだ、これからも「地球おにぎり」をより良いアイテムにしていくために、挑戦していきたいと思います。

(Think the Earthインターン 山下真奈)


「地球のお医者さん」全3回
第1回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/04/post-362.html
第2回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/2-6.html
第3回「地球のお医者さん」
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2016/05/3-1.html

協力
・OISCA中国 植物博士 冨樫智さん
・Think the Earth 上田壮一さん/ 曽我直子さん
・多摩美術大学情報デザイン学科 教授 宮崎光弘さん
・多摩美術大学情報デザイン学科4年 
  久保亮太くん(「江戸の時間で生きてみるツール」) 
  半田早奈英さん(「しゅうかん朝ごはん」)
  近岡麗華さん(第2回・第3回 写真提供)

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