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フィリピン台風16号災害、パヤタス地区の復興のかたち  vol.3

2009.10.30 中川 真琴

◆緊急支援から通常支援へ

今回の洪水は、脆(ぜい)弱な生活基盤の上に成り立っていたパヤタス地区特有の問題ももたらしています。資源を回収して得られる収入は一日に約50ペソから150ペソ(約100円から300円)。その日の生活費を稼ぐため、水を多く含んだゴミ山がいつ崩れてもおかしくないことを承知で、住民は今もゴミ山に登って資源回収をしています。また仕事柄、手や足に擦り傷を負っている人が多く、そこからの感染症も心配されます。集積場からのメタンガスや汚水で日ごろから衛生状態は悪く、洪水はそれに拍車をかけました。

同じような災害が再び起きる可能性を考え、集積場から離れた安全な地域に住みたいと願う住民もいますが、引越し費用や新しい土地での生計手段を考えると難しい状態です。これらの問題は一時的な緊急支援だけで解決するものではありません。洪水被害が浮き彫りにしたこれら恒常的な問題の解決には、PICOやICANなどによる地道な活動が不可欠であると感じられました。

「すべてを失ったときは大泣きしたけど、今は笑顔で頑張っている」とおっしゃった被災者のお母さんのたくましさが印象的だったパヤタス地区。地区のみなさんが安心して暮らせる日が一日も早く来るよう心から祈ります。

写真:簡単な造りの家と、仕分けられた資源ゴミ(撮影協力:ICAN)

◆フィリピン台風被害の支援先一覧はこちら



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マニラ・フィリピン (アジア/オセアニア

中川 真琴