福岡伸一

分子生物学者

地球環境の歴史をふりかえったとき、世界が変わった日はいつかと問われれば、私はためらいなく最初の性が生み出されたときと答えるだろう。重要なのは、しかし、アダムがイブを作ったのではなく、イブがアダムを作り出したという事実である。最初、遺伝子の使い走りにすぎなかった男はやがて、森を拓き、道をつくり、そして余剰を生み出した。そのような必然の帰趨として現在がある。生物学の箴言はこうである。いばるな男、と。

 

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