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インタビュー:1 主役は匠の技


  きれいな水と空気に囲まれた組み立て工場

2007年11月8日

wn-2の最終工程である組み立ての取材に、岩手県二戸市にやってきました。
なだらかな山に面し、自然に囲まれた場所に二戸時計工業株式会社の工場はあります。

インタビュー[主役は匠の技]インタビュー[主役は匠の技]

ここで組み立てられるのは、3万円くらいまでの普及型機械式時計、15万円くらいまで中級機械式時計や、その他アナログクオーツのムーブメント、コイルです。
組み立てられる時計のうち、普及モデルのコンプリート組立には、世界唯一の自社製ロボットによる自動組立ラインを採用しています。中級モデル以上になると、職人による手作業で組み立てられています。

インタビュー[主役は匠の技]「私たちは、職人の技で時計作りをすることに誇りを持ち、二戸から発信するMade in Japanにこだわっているんです。」と統括部長の小笠原さん。そのこだわりは、職員の皆さんがつけている名札にも表れています。この名札は地元、二戸が日本一の産出を誇る漆で塗られ、4ヶ月掛けて5回塗りが施された一品。もし、なくしてしまったら、4ヶ月待ちで大変なことになってしまいます。


インタビュー[主役は匠の技]

  匠の技による組み立て

「今日は、側入れ(ケースに入れる作業)をするところまで作業を行います。」と製造課長の田口さんに工場内をご案内いただきました。

組立作業所は完全なクリーンルーム。
まずは防塵衣を着用し、エアシャワーを浴びます。
慣れない取材スタッフにとって、初めて着る防塵衣は着用の仕方がわからず苦戦しました。
インタビュー[主役は匠の技]インタビュー[主役は匠の技]
インタビュー[主役は匠の技]
ようやく着付けが完了し、初体験のエアシャワー!


組立作業所で絶え間なく鳴り響くのは、「プシュー、プシュー」と、自動組立ラインの針取り付けの音。その脇で、机を並べて作業する方々がいらっしゃいます。
インタビュー[主役は匠の技]インタビュー[主役は匠の技]
インタビュー[主役は匠の技]
この机の上で、wn-2が作られています。
精密機械の製造にふさわしく、机の右手側には顕微鏡が装備されています。


インタビュー[主役は匠の技]組み立て作業は、手作業で行われる非常にデリケートなもの。
職人さんの目は真剣そのものです。


インタビュー[主役は匠の技]こちらは、まだ組み立て前の地球針です。


インタビュー[主役は匠の技]丁寧にはめ込みます。

地球針を組み立てた後は、正確な位置あわせの確認です。
まず、一番確認のしやすいアラビア半島に、それから明石、ハワイ、キューバ、グリニッジと、インジケーターをぐるっと地球一周させて確認します。
時々、顕微鏡をのぞきながら作業が進んでいきます。
インタビュー[主役は匠の技]
この後に防水検査、動作検査が待っています。
組み立てから検査まで、通常の時計の実に2倍の時間がかかり、合わせて14日間が必要だそうです。
この機械の中に入れて防水検査が行われます。


  職人さんへインタビュー

インタビュー[主役は匠の技]組み立てを行ってくださっているのは、二戸時計工業で、一番組み立て技術が高いという田村美智子さんです。とてもキュートな笑顔の田村さん。この道なんと23年です。
技術の話になると、急に真剣なまなざしに変わります。

○ wn-2の製造が始まったとき、また大変な時計が来た!と思いませんでしたか?

えー!?と思いました(笑)。

○ wn-2の組み立てで、難しいのはどこでしょう?

他の時計とくらべて工程が多いこともありますが、やっぱり、時針(地球針)の位置あわせです。
初めに組み立てたときは、(時間の位置合わせをするのに)キューバ?どこ?と地理を覚えるのが大変でした。
それに、半球型で(時間が)あわせづらい上に普通と逆回転ですし。
癖のある時計なので、ちょっと難しい面もあります。

○ wn-2になって、シルバーの地球がでましたが、何か変わりはありますか?

あれは、恥ずかしいです。(笑)
というのは、組み立てているときに、シルバーの部分にずっと自分の顔が映ってみえているので、めちゃめちゃ恥ずかしくなっちゃうんです。

また、田村さんは盛岡にある盛岡セイコー工業株式会社から指導者として二戸へ呼ばれた方で、現在組み立てを行っている方々は、ほとんどが田村さんの教えを受けているのだそうです。

○ 匠の世界で難しいことと言えば、技の伝承だと思いますが、新しい人たちに技術を伝えるのにあたって難しいのは何でしょうか?

「もう、すべてにおいて!なんていうのかな・・・。
ある程度、作業標準書というものがありますよね。この組み立てにはこうしなさいというものなんですが、そこのなかのさらに細かいのがあるんですよ。(文字では)書けないような。
そこを上手く伝えることが大変かな。」
「カンの部分ってありますからね。」と田口さんも補足。

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職人さんの技術は、努力だけでは越えられない壁もあるようです。
同じ岩手県の盛岡市にある、盛岡セイコー工業の雫石高級時計工房でも作業を見学しましたが、そのなかで「ふれ取り」という機械時計の時間を作り出す最も重要な部品の調整がありました。案内してくださった盛岡セイコー工業の福士企画推進課長によれば、「これは非常に難しいデリケートな作業で、これが出来るのは、10人に1人しかいないんです。努力だけでは無理で、やはり才能というかセンスが必要なんです。」とのこと。
最新技術で作られた様々な装置や道具を使ってもなお、五感の鋭さや、手先の感覚などが高いレベルで要求される匠の世界を垣間見ることができました。
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○ それでは、最後にwn-2を使う人にメッセージをお願いします。

長く愛用してください!愛情込めて作っているので。

取材:中島愛子、山口倫之(Think the Earthプロジェクト)