
第5話 「水がはぐくむ京の暮らし」

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おいしいものはおいしい水から
水がはぐくむ京の暮らし |
2004/7/16 |
その昔、平安京を作った桓武天皇は、中心を通る朱雀大路を境に東を左京、西を右京として市や寺を対称に設置しました。ところが、左京の地盤は砂れき層だったので井戸水が豊富に出て、右京は粘土層なので井戸水が出ず、100年も経たないうちに右京は衰退してしまいました。千年以上も前から、京都の町づくりに地下水が関係していた、というお話です。
京都盆地の地下水量は琵琶湖の約8割にあたる211億立方メートル。その豊かな地下水が京都の生活を支え、文化を育んできました。京都を南北に流れる鴨川の源流に建つ貴船神社には水を司る神が祀られ、水源の山林は今でも大切に保全されています。
京都のくらし・文化には、豊富な地下水の恵みがいたる所で見受けられます。
京友禅には、染めに適した16-17度という地下水ならではの一定水温が大切。また鉄分が少ないので変色しにくいのもよいのだとか。
禅僧が中国から持ち帰った豆腐・湯葉は、精進料理の素材として京の味をつくってきました。今でも、地下水を利用して豆腐をつくる小さなお店が市内各所にあり、使う水の種類、製法でそれぞれの“地域の味”を育て守っています。適度な軟水は大豆を浸しやわらかく煮るのに適しているのです。
老舗のお麩やさんでは毎月の水質調査で品質を保ち、茶道の裏千家では毎朝井戸から汲み出した水で茶を点てる・・・京都の台所と言われる錦市場は、井戸を利用した天然の冷蔵庫があったからこそ発展したのでしょう。おいしくて安全な水があるからこそ、日々の商いや生活を続けている人たちがいます。
お酒造りにも欠かせないお水。平安時代にはすでに醸造所があり、十数種類のお酒を祭礼用に造っていました。江戸時代初期には1000軒以上あった造り酒屋も今ではその数が減ってしまいましたが、嵐山の南に位置する松尾大社の亀乃井には、毎年全国の造り酒屋が醸造祈願で参詣し、ここの水を仕込み水に混ぜて醸造するのだとか。カリウム、カルシウムをバランスよく含んだ中硬水が、きめ細かくやや甘口のお酒を造ります。
都市化によって失われてしまったものもありますが、今でも、京の町には名水の井戸・湧水が点在し、飲み水や豆腐づくり、酒造りに欠かせないものになっているのです。京都を訪れることがあれば、名水めぐりをしてみてはいかがでしょう?
http://www.kyotocity-taxi.com/kyotodata/johodata203.htm
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| 文:Think the Earthプロジェクト 原田 麻里子
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