ピースウォーターの現場@スーダン:難民の帰還/平和を支える水

  • 開催日:2010年7月14日 執筆:木村絵里(Think the Earthプロジェクト インターン)

20年あまりのあいだ続いた紛争で、いまも安全な飲み水を確保できない困難な状況にあるスーダン。現地で支援を行っている国際協力NGO、ピースウィンズ・ジャパンのスタッフ佐久間さんから、現地の水事情や活動内容を紹介して頂きました。




授業概要
ピースウォーターの現場@スーダン:難民の帰還/平和を支える水
日時:2010年7月14日(水)19:00-20:30
場所:東京・千代田区 丸の内さえずり館
先生:ピースウィンズ・ジャパン スタッフ 佐久間隆さん
参加人数:14人


プログラム:佐久間さんのスーダン支援活動レポートをお聞きしたあと、参加者のみなさんからの質疑応答タイム。国際支援のプロとして、世界中、必要とする人たちのすぐ隣で働き続ける佐久間さんに、会場からはたくさんの熱い質問が寄せられました。
授業内で語られた佐久間さんの言葉を中心にレポートいたします。

主催:Think the Earthプロジェクト
協力:認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)




内戦で荒廃したスーダンに必要なものとは

ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は、1996年からこれまで20の国と地域で緊急・復興支援をしてきました。佐久間さんが赴任したスーダンはアフリカ最大の国で、その面積は日本の6.6倍。国内を南北にナイル川が流れていますが、乾季に水が枯れてしまう気候に加え、1983年から22年間続いた内戦によりインフラが荒廃してしまいました。

2005年に和平合意が結ばれても、水・学校・診療所の3つがなければ避難民は故郷に帰ることができません。その中でもPWJは調査の結果、特に水のニーズが高いと判断し、井戸の建設に取り組みました。

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それまでスーダンの人々はナイル川や溜め池の水を使っていました。しかしそれらの水は清潔とは言えず、病気になる危険性が潜んでいます。また近くに水場がない場合は、遠くの混雑した井戸まで水を汲みに行ったり、水を求めて移住したりしなければなりません。

特に水汲みの仕事は子どもと女性の役目なので、子どもが学校に行けないという問題もあります。水がないと、命だけではなく生活全体に大きく影響することを実感しました。


井戸を建設するまでには

では、井戸はどうやって作るのでしょうか?
まず掘る場所を決めるためには、実地調査が必要です。このときに村の役人や村長の方に村を案内してもらって視察するそうですが、地元の人たちは何本目の木を右折して・・・という感覚で道を覚えているので、車に乗ってしまうとスピードが速すぎて道が分からなくなってしまうこともあったとか。普段、決まった道を急いでばかりの私たち日本人と比べると、大きなカルチャーショックを覚えました。

井戸建設の話に戻りましょう。迷子になりながらも掘る場所が決まると、次は村の人と井戸を管理する「水委員会」を組みます。水汲みは女性の仕事なので、水委員会には必ず女性も参加してもらっているそうです。

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そして大型機械で60〜120mの深さを一気に掘り、建設後も住民にメンテナンス方法を教えたり水衛生のワークショップをしたりと維持管理の指導を行います。村人のなかには字を読めない人もいるため、絵を使って説明するなど工夫をこらしているようです。

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2006年から4年で131本の井戸が完成し、「おかげできれいな水が20分で手に入れられるようになった」「病気が少なくなった」「学校に行けるようになった」と喜びの声が挙がっています。

*井戸のほかに15基の公共トイレ建設、12の小学校の補修作業も行ったそうです。

セミナーの5日前に帰国したばかりという佐久間さんから、ひとつクイズが出ました。それは「私たちが1日に使っている水はどのくらいか?」という問題。
みなさんはどのくらいだと思いますか?


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答えは一人当たり307リットル。知らないうちに、こんなにたくさんの水を使っているんですね。
スーダン南部では、食用油の空き容器を一人ひとつ持ち、それに一日分の水を入れて大切に使っているそうです。その量は20リットル。日本のわずか15分の1にしかすぎないですね。

水不足に悩んでいる国があることは知っていたけれど、実際に現地へ行った人の話を聞くとさらに現実感が増し、まずは自分たちが水を大事に使うことから始めなければならないな、と思いました。