島国ツバルから学ぶ環境問題とわたしたちのこれから

  • 授業レポートUP

温暖化による海面上昇で危機的状況になりつつある島国、ツバルのお話を、現地で環境活動などに取り組んでいるTuval Overviewの遠藤さんが解説してくれました。執筆:日下部理(Think the Earthプロジェクト インターン)

授業概要
赤道直下の島国をレポート@ツバル:塩害から学ぶ水の大切さ
日時:8月29日(土)
場所:東京都・世田谷区 IID世田谷ものづくり学校
主催:Think the Earthプロジェクト
先生:ツバルオーバービュー 遠藤 秀一さん
参加人数:25人
プログラム:前半は遠藤さんによるツバルの島の特徴やツバル人のライフスタイル、そして現地の水事情などについてのお話をお聞きしました。後半は質疑応答を行いました。短い時間ながらも初めて知ることばかりで、色々と考えさせられる授業となりました。
天気:晴れ


雨が降るとみんなイキイキ!
ツバルは、南太平洋に浮かぶ珊瑚礁の環で出来た九つの小さな環礁島からなる国です。人口は約1万人、国土は九つの島全部を合わせても26km四方程しかありません。もともと自給自足で暮らしてきたツバルの人々は、生活の全てが海と共にあります。穫れた魚をそのまま海の中で捌いて食べたり、ビールだって海に入りながら飲むそうです。そして驚きなのは、なんと産湯までが海というお話も!海は彼らにとって、台所であり居間でありお風呂でもあるのです。
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そんなまわりを海に囲まれた島国ツバルですが、実は真水は雨水からしかとれません。その為、雨期になって雨が降るとみんなイキイキします!
RIMG0118.jpg*天然のシャワーを楽しむこどもたち!
また一年を通して淡水で存分に水浴びが出来るのもこの季節だけです。
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ツバルを通して見る日本
海抜が1~5メートルしかないツバルは、温暖化で海面が上昇すれば国そのものが水没するという危機に直面しているかたわら、実は生活用水が殆ど無いという問題も抱えています。島全体が珊瑚礁の固まりであるツバルは、地下に水が浸透し易い為、昔はあった井戸水も今では海面の上昇にともない海水が混じり、殆どが使えなくなってしまっているのが現状です。また、雨期に降る雨は降水量3000mm/ℓとけして少なくはないのですが、一年間分の需要を満たす程の大きく性能の良い貯水タンクが無い為に、水不足に陥ってしまうのです。
RIMG0120.jpg*貴重な真水を雨期に出来るだけ貯めます。

そこで現在では、夏期など水が足りない時は浄化装置で、海水を真水に変えています。その為の火力発電所があるものの、産業が乏しいツバルには、その発電所を動かす為の石油を買うお金がないのです。そこでその殆どの費用を外国からの援助に頼っているのが現状です。そうやって生活していく水をつくっているツバルですが、実は、日本の方が生活用水をつくるのに石油をたくさん使っているのです!勿論、水だけではなく、色んなモノも石油に依存している日本人。
「石油が無くなったら一番危ないのは実は日本かもしれない」とは遠藤先生。
普段の自分の水の使い方や、それでも明るく陽気に暮らしているツバルの人達を見ると、"わたしたちの方が彼らから学ぶことが多いのではないか"と思わされた授業でした。
RIMG0122.jpg*真剣に授業を聞く参加者のみなさん。

RIMG0129.jpg*海とともに一日のとばりが降りるツバル。


ツバルが教えてくれること
短い時間でしたが、考えることの多かった今回の授業。参加者のみなさんも色んな思いを抱いた様です。「このまま海面が上昇すると近い将来ツバルは沈んでしまうのは知っていたが、"現在"被害が生じているとは知らなかった。」(20代男性)、「日本に住む私たちとは異なる生活を営むツバルの人々ですが、彼らが抱える水問題は、私たち自身が抱える問題でもあるという事実を知り得たという点で勉強になった。」(20代女性)、「一番問題なのは、石油生活、石油製品に頼っている日本人というのが最も印象に残りました。」(40代男性)など環境に関わることから、はたまた「ツバルでも首都の人口が4~500人になると自給自足が出来なくなると聞くと、それじゃあ今の東京で自活が出来ないのは当然であり、人のコミュニティの在り方として一体どういう形が望ましく、どこを目指して行けば良いのだろう?という疑問を抱きました。」(20代男性)や「お金や海外の影響で昔からの暮らしが壊れるのは悲しいです。"豊か"の価値観って何なんですかね??自問自答してしまいます。」(30代女性)など、更に大きな問題をも考えさせてくれる授業だった様です。
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遠藤先生はこれまで活動費をご自身の講演料などからまかなってきましたが、ツバルオーバービューではこの度、活動を資金面で支援して下さる替助会員の募集をはじめたそうです。何かツバルの為にしたいと思われた方は、是非会員になってみて下さい!また募金も随時募集していますので、よろしくお願いします。