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おわりに〜地震との付き合いかた?

 地球は、誕生してから46億年を経ていますが、まだ内部は冷え切っておらず、高温で溶けた岩石がうごめいている惑星です。今回のアースリウムで見てきたように、地震はこうしたダイナミックな惑星規模の現象として捉えることができます。
 地震のエネルギーは凄まじいもので、たとえばマグニチュード8の地震は1メガトンの水爆1000発分と言われています。人が多く住む場所で大規模な地震が発生すると、多くの死者を出し、復興にも長い年月を要する大災害になります。地震被害を少なくするためには正確な予報が必要になってきますが、地球内部のことはまだわかっていないことも多く、地震の正確な予知は原理的にも難しいと言われています。最近ではFM電波を使った観測など、興味深い研究も始まっており、今後の成果が待たれています。いつか、天気予報と同じように地震予報がテレビで放送される日が来るといいですよね。
 とはいえ、いまはまだ予報はありません。皆さんが、このテキストを読んでいる次の瞬間に足下で地震が発生する可能性は決してゼロではありません。いつ起きてもいいように、常日頃から用心と準備を怠らないこと、そしていざ地震が起きたときのリスクを最小限に抑える努力をすることが大事になってきます(日頃のご近所づきあいが、地震発生後の安否確認や地域の復興のスピードを左右したという話もあります)。地震だけでなく台風などの自然災害は突発的に発生します。常に自然を畏れ、謙虚に生きる感性を持つことも大事なのかもしれません。

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