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2021.04.30 | SDGs for School スタッフブログ

超文化祭2020@オンライン開催レポート(後半)

落合 航一郎
落合 航一郎 インターン

超文化祭2020午後の部は日々SDGsに関わられている企業の方と、高校生時代から活動を続ける大学生が、視聴者および中高生を巻き込みながら対談する企画、SDGs Session for Schoolからスタートしました。フェアトレードカンパニー株式会社の鈴木啓美さん、スターバックスコーヒージャパン株式会社の武藤昌宏さんにお越し頂き、横浜国立大学の入江遥斗さん、村瀬祐也さん、早稲田大学の細部彩音さん、慶應義塾大学の藤井美和さんと私、落合航一郎の5名の大学生と対談しました。

フェアトレードカンパニーさんとのセッション
ピープルツリーというフェアートレードの専門ブランドを運営するフェアトレードカンパニーさん。その名前の通り、生産過程において経済的にも社会的にもソーシャルグッドの側面を持つ衣料品や雑貨などを展開されており、ビジネスで社会を良くしていくという企業本来の姿を体現されています。お話の中では「企業とは何か」というトピックもあがりました。
「そもそも企業とは社会に必要とされて成り立っているもの。今、問題となっているのは過剰に利益や効率を追い求めた結果、大切なものを失ってしまっていることではないのか。」と鈴木さんは言います。資本主義社会において、「企業は利潤を求め、NPOは社会を良くする」という極端な二分化があるという思い込みついて考え直せる貴重な議論となりました。

スターバックス コーヒー ジャパンさんとのセッション

スターバックス コーヒー ジャパンさんは、コーヒー等を通して人々が安らぐ場所、時間の提供し、コーヒ豆を世界で初めての持続可能な農作物にするという目標を掲げています。コーヒーの豆かすのリサイクルや、FSC認証製品の利用など精力的に社会貢献にチャレンジしているスターバックスさんとの対談の中ではチャットでの質問も飛び出し、ドリンクを提供するサービスならではの「プラスチックストロー」問題に関する議論が生まれました。
「スターバックスではプラスチックストローの紙素材への切り替えを進めています。ストローなど食品に触れるものに再生紙を使う場合には厳しいガイドラインに従う必要があるため、現時点では量産が困難です。そのためスターバックスではFSC認証紙ストローを採用しています。また、ストローが必要ないような飲み口のフタの導入も進めている。」と武藤さんが教えてくれました。ソーシャルグッドと再生紙使用ガイドラインとの板挟みや、そもそもストローが必要なのか、といった議論が生まれ、有意義な時間になりました。

みらいをつくるブレイクアウトルーム 企業×学生セッション
大学生と企業のトークセッション後、中高生をはじめ参加者と企業が直接対話するブレイクアウトルームセッションが行われました。このセッションにはサラヤ株式会社さん、曹洞宗さん、株式会社博報堂さん、不二製油株式会社さん、メイド・イン・アース(株式会社チーム・オースリー)さん、株式会社LIXILさんの全部で6社に参加頂きました。ここではその一部のセッション内容を参加した大学生がご紹介します。

【ルーム1:サラヤ】
サラヤさんのセッションでは、コロナで打撃を受けているボルネオ島の観光業をどのように復興するかを話し合いました。観光と環境保全の相関は大きく、エコツーリズムの付加価値によって自然が守られているのが現状です。多様な意見から共通して指摘されたことは、現地と日本にいる私たちとの環境意識のギャップでした。プランテーション開発によって二酸化炭素排出や森林破壊、それに伴う生物多様性の損失などが発生しています。しかし、現地の人々がその問題を認知しているとは限りません。結論として、現地の人たちにも環境問題の存在を伝えることで、プランテーション経営だけではない職業の選択肢が生まれ、間接的に観光地復興へと繋がるのではないかというアイデアが生まれました。(細部)

【ルーム2:LIXIL】
持続可能な未来を実現するには、環境問題の解決が必要不可欠です。実は、私たちの家が環境に大きな負荷をかける原因になっていることも…!私たちの生活に深く関わっているにもかかわらず、住居の持続可能性は衣や食に比べると見落とされがちです。
LIXILのセッションでは、断熱性能の高い窓や壁をはじめとするLIXILの技術が私たちの住まいをより心地よく、環境負荷も減らせることを、数値を通して体感することができました。また、LIXILはセッション終了後に「住から未来をつくるプロジェクト」を立ち上げ、持続可能な住まいを「自分ごと」として考え、行動する手法を学生と一緒に模索中。超文化祭から動き出した、新しいプロジェクトの潮流に期待です。(入江)

【ルーム3:不二製油株式会社】
不二製油さんのブレイクアウトセッションでは、私たちにもっとも身近な植物油脂であるパーム油についてのワークショップが行われました。パーム油がどのように私たちの手元にやってくるかといった製造過程、その過程で起きてしまっている課題などをあらためて認識できました。例えば、パーム油は菜種油や大豆油に比べて耕作面積あたりの収穫量が非常に長けており、食品に使用する際にも雑味が少ないことから需要が高まる一方で、違法な森林伐採や、土地の権利問題が起きてしまっています。それらを改善するためのRSPO認証をはじめとするサステナブルラベルについても知ることができ、次のアクションにつながる時間でした。(落合)

ドネーションプレゼン
昨年の超文化祭に引き続き、今年も学生団体によるドネーションプレゼンを実施しました。学生ならではの視点で生まれたアクションを学生自らがより加速させるために工夫を凝らしたプレゼンが行われドネーションを募りました。今回の超文化祭ドネーションプレゼンには千葉県立小金高等学校のチームインディペ、新渡戸文化高等学校のオーガニックコットンプロジェクトチームと元海兵軍から学ぶ太平洋戦争〜私たちはこの先何ができるのか〜、和洋九段女子高等学校のteam ami、昭和女子大学附属昭和高等学校のUEKIYA・つながる動物園、新渡戸文化中学校のNitobeアイビーズ、文化学園大学杉並高等学校のmake everyone happyの計7団体が参加しました。

「ボナペティ〜小金パン」 身近な無駄をポジティブに環境保全
発表者:千葉県立小金高等学校 チームインディペ

チームインディペの皆さんは、 地産地消、地域おこしをテーマに、地元食材を使った新しいパンをパン屋さんや自治体の人と一緒に考えました。自らの足で課題発見、分析、農家との認識の違い等を考察し過去の活動から得た知見を基に、SDGsを取り込みながら今後の展望を発表しました。活動を通して感じた人脈の広がりやモチベーションの変化を取り上げ、今後は計画されているフリーペーパーで食品ロスや環境問題についての情報発信を目指しています。活動に対する情熱が垣間見える発表でした。

未来のための制服づくり
発表者:新渡戸文化高等学校 オーガニックコットンプロジェクトチーム 

SDGsやサステナブルラベルについての知識が深まるにつれて、未来に対しての関心が高まり身近な制服から行動を起こせないかと画策したそうです。制服の素材や、その背景に潜む課題、オーガニックコットンの利点等も説明し、ドネーションは制服のサンプル作成やチラシの作成に当てたいと熱弁してくれました。

すごろくでSDGsを”楽しく”学ぼう
発表者:和洋九段女子高等学校 team ami

一緒に世界を変える友達を作りたい、というフランス語で友達を意味するamiをチーム名に添える皆さんはSDGsを身近に感じながら楽しく学ぶことができるSDGsすごろくを作り、学校のみならず企業や大学などへ行って、様々な方にSDGsすごろくの体験をしてもらいました。今後は環境に優しいバナナペーパーを用いてSDGsすごろくの製品化を考えているそうで、その資金集めに向けてSDGsやすごろくに対する熱い思いを語ってくれました。

元海兵軍から学ぶ太平洋戦争〜私たちはこの先何ができるのか〜
発表者:新渡戸文化高等学校

現代社会において若者が戦争への関心が低すぎるということに課題意識を持ち、どのように語り継いでいけば良いのか、実際に元海兵軍の方から聞いた話を発表してくれました。インタビューをすることで、戦場の様子や命の尊さについて学ぶことができたと、ドネーション資金についてさらなる取材や機材等活動費に充てたいと続け、今後の活動に意気込んでいました。

動物を通して世界の環境問題を考える
発表者:UEKIYA

動物を通して世界の環境問題を考えたいという目標を掲げ活動しているUEKIYAの皆さん。旭山動物園とコラボして企画されたオンラインイベント、つながる動物園について説明し、知り、考え、行動することの大切さを伝え、第二回、第三回への参加、そしてUEKIYAとさらなる繋がりを持ってほしいと呼びかけました。ドネーションは同イベントで使用するシールや寄付型グッズの制作費に充てるとし、実際に配布するシールのデザイン等を交えながら発表していました。

森林破壊をSTOP〜動物達の住処を守る〜
発表者:新渡戸文化中学校 Nitobeアイビーズ

FSCアワード2020に参加し身近でできるFSCマークの普及アイディアを考えたnitobeアイビーズの皆さんは、そのアイディア実現のためにドネーションを募りました。FSC認証や生物多様性が失われている現状に触れ、絵本とワークショップを用いた中高生、子ども、大人が一緒に作る持続可能な教育サイクルの実現を熱弁しました。サステナブルラベルごとの絵本のシリーズ化やアイビーズオリジナルグッズ販売、FSCに関するワークショップの開催など今後の展望も語ってくれました。

植林を通して人間にも動物にも住みやすい街を
発表者:文化学園大学杉並高等学校 make everyone happy 

森林に住む動物が市街地に出てきてしまい、人間も動物も損をする形になってしまうことを課題として捉え、その解決策として植林を挙げました。考えたプロジェクトMake Everyone Happyは全国の学校で植林を行い人間にも動物にも優しい街を作ろうというもので、SDGsの目標を交えながら説明してくれました。大規模な目標であると語りながらも、同プロジェクトに携わる仲間も募り、その裾野を広げる布石を打っていました。

プログラムを終えて
2020年の超文化祭はオンラインでの開催となりましたが、予定通りプログラムを終えることができました。小中高生、大学生、社会人の様々な年代から多種多様な人々が集まった時間はとても実りが多く、みらいを作る文化祭の名の通りに参加者の今後の活動や成長に期待が膨らむ時間でした。

「中高生の皆さんはどんな小さい声でも応援してくれる大人が必ず近くにいるはずだから、それを信じてアクションを続けて欲しい。そして第2回の超文化祭はかつて中高生だった大学生が運営に参加している。これはこのイベントが第二フェーズに入ったと言えると思うんです。」と新渡戸文化学園の山藤先生が話してくれました。
最後には日本環境教育フォーラムの川嶋直さんが進行を担当して楽しいオンライン交流会を行いました。小中高校生、大学生、社会人が混ざってざっくばらんにお話をしました。活動を続ける中高生が仲間を募集する場面もあり、まさに人と人とが繋がっていく様子が伺えました。

超文化祭はこれからさらに学生や企業の皆様と共にパワーアップしていきたいと考えています。ぜひ今後もご協力、ご注目ください!

(インターン 落合航一郎)

落合 航一郎
落合 航一郎(おちあいこういちろう) インターン

高校生時のボルネオ島への渡航を皮切りに多数の企業と社会問題改善に向けたプロジェクトに取り組む。SDGs for Schoolには当初から参加し、Earth Day Tokyoや超福祉展など様々なイベントに登壇するかたわら、パーム油産業問題についての研究も行う。現在は慶應義塾大学総合政策学部1年生で、この夏からThink the Earthにインターンとして参加。SDGs以外にもデザインや建築など様々な分野に手を出しながら日々奮闘中。