百年の愚行(ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY)

「百年の愚行展」が京都で開催されます


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9.11から3.11まで 〜21世紀の愚行について考える
(対談:池澤夏樹×小崎哲哉)

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2015年8月22日から9月27日まで東京・千代田区の3331 Arts Chiyodaで「百年の愚行展」を開催しました。アメリカ同時多発テロ発生からちょうど14年目となる9月11日に『百年の愚行』の寄稿者であり、小説家・詩人の池澤夏樹氏と、『百年の愚行』シリーズ編著者の小崎哲哉による対談が行われました。当日の対談を採録しましたので、ぜひご覧ください。


対談を読む



「百年の愚行」展を開催しました


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『続・百年の愚行』を発行しました

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編著:小崎哲哉 +Think the Earth
AD:佐藤直樹 +ASYL
発行:一般社団法人 Think the Earth
発売:紀伊國屋書店
仕様:A5判/並製/232頁
ISBN:978-4-87738-450-0

特別寄稿:ベネディクト・アンダーソン/山極寿一/王力雄 ベルナール・スティグレール/イリヤ・トロヤノフ






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『百年の愚行』続編の出版に向けて

編集ディレクター 小崎哲哉


2002年に刊行した『百年の愚行』は、20世紀に人類が犯した「愚行」を10に分類し、100枚の写真と5人の寄稿家による特別エッセイ、そして10本のコラムで構成した写真集です。刊行後12年、21世紀に入ってからは14年が経過し、「9.11」や「3.11」など様々な事件や事象が起こりました。残念なことに「愚行」はいまだに続いているようです。


「3.11」は、20世紀的な「愚行」が行き着く果てのひとつだったと思います。原発事故の直接的な原因はひとまず措くとして、構造的な遠因は「速度と効率」をひたすら追い求めるグローバル資本主義に内在していたと言えるでしょう。その大もとに我々自身の「もっと豊かに」「もっと快く」「もっと多くのものを」という欲望が横たわっていることは付け加えるまでもありません。いまは亡き文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロース氏が『百年の愚行』に寄稿して下さったエッセイは、その意味で非常に示唆に富んでいます。冒頭の2段落を引用します。


「私が授かった長い人生は、ほぼ20世紀全体と重なります。その20世紀が舞台となったさまざまの悲劇のなかでも私が第一に留意するのは、私が生まれた時点で15億だった世界の人口が、職に就いた時には20億、そして現在は60億に達しているという事実です。
 人がこの地球上に現れて以来、これ以上の大規模な災厄が他の生命体に、そして災いの責を負う人類に降りかかったことはありません。この点こそ、ただひとつの真なる問題なのです。私たちの文明を脅かす諸悪の直接的、間接的原因を、個別の要因に求めてはなりません」
(矢田部和彦訳)


国連によれば、世界人口は2011年10月31日に70億人に達しました。2050年までに90億人以上になることは確実だと言われています。つまり「大規模な災厄」が止む気配は無く、事実、戦争やテロ、差別や迫害、大量生産や大量消費、環境汚染や資源争いは依然として続いています。貧富の差は拡大し、大国のエゴは肥大し、メディアや市民活動の監視・規制・弾圧も一向に減らない。「私たちの文明を脅かす諸悪」は増大する一方です。


忸怩たる思いを抱きつつ『百年の愚行2』を刊行します。「愚行」と「諸悪」の映像を集め、現代の賢人と称すべき専門家にエッセイを寄稿してもらう、という構成は前書とほぼ同じです。大きく異なるのは、進行中の「愚行」を記録に留め、その拡大を阻止すべく、ウェブサイトを活用すること。特にこの島国では、言葉の壁もあってか、海外への関心が薄すぎないでしょうか。地球規模で起こっている「愚行」についての報告や論考を、なるべくリアルタイムに、そして予算の許す限り翻訳して、お届けしたいと考えています。


この試みを長く続けるためには、多くの方々のお力添えが必要です。情報や資金の提供など、様々な形でご協力を賜れると助かります。「愚行」の拡大を少しでも阻むために力を貸して下さい。「愚行」を犯すのも、それを止められるのも、我々人間だけなのですから。