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2019.09.06 | 宮原 桃子

おもちゃセットにNO! 英国の姉妹がファストフードのプラスチック玩具廃止を訴え

姉妹のエラとケイトリン(署名キャンペーンページより)

子どもとレストランへ行くと、必ずと言ってもいいほど目にするのが、キッズメニュー。子どもたちの目を引くため、メインの食事の他に、ジュースやゼリー、プラスチックの玩具などが付いてくることがよくあります。こうした玩具は、レストランにいる間や帰宅後の束の間は遊ばれても、すぐに忘れられてしまうことも多いでしょう。

この状況に、危機感を持った子どもたちがいます。9歳と7歳のイギリス人姉妹エラとケイトリンは、学校で環境問題について学んだことをきっかけに、プラスチックごみが引き起こす海洋汚染や生物に対する影響を考え始めたそうです。姉妹は、環境保護を呼びかけるポスターを家の窓に貼ったり、リサイクルに力を入れたりしたほか、BBCの「War on Plastic(プラスチック撲滅キャンペーン)」という番組に参加して、マクドナルドのハッピーセットの玩具を大量に積んだ引き車を、マクドナルド英国本社前まで引っ張って問題をアピールしました。

©︎Graham Knott

彼女たちはさらに、マクドナルドやバーガーキングなどのファストフード店に対する署名キャンペーンを立ち上げ、「キッズセットについてくるプラスチック玩具は、すぐに飽きられてゴミになるのでやめてほしい!“Give us food, not plastic(プラスチックじゃなくて、食べ物をちょうだい)”」と声を上げました。署名キャンペーンには、すでに37万人以上の賛同があり、世界中で反響を呼んでいます。

これを受け英国のマクドナルドは、キッズセットのプラスチック玩具を今年度上半期の6割減にしていくと、ホームページで発信。今後は、ボードゲームや本などを増やしていくそうです。

目先の楽しさよりも、地球環境を守ることを選んだ姉妹。彼女たちをはじめ現代の子どもたちは、学校やメディアなどを通じてさまざまな社会課題を学んでおり、立派なエシカル・コンシューマー(倫理的な消費者)、そして改革者と言えます。気候変動の危機を訴えた学校ストライキで、世界的な注目を集めたスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんも、9月20日に世界各地で「グローバル気候マーチ」を行おうと呼びかけています。グレタさんはこう語っています。

「子どもだけに将来の問題を押し付けてはいけません。今度は、大人も協力すべきです。みんなの力が必要です」

大人が築いてきた世界の現状に、業を煮やした子どもたちが立ち上がっています。私たちは、そんな子どもたちの声にきちんと向き合い、ともにサステナブルな未来を築いていく責任があるのではないでしょうか。

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宮原 桃子
宮原 桃子(みやはら ももこ) 地球リポーター

日本貿易振興機構(JETRO)に勤務後、フェアトレードファッション・ブランド「People Tree」にて、バングラデシュ・インド・ネパールにおける生産管理に従事。現在は、企業のサステナビリティ推進を支援する「 エコネットワークス」に、コンテンツプロジェクトマネージャーとして参画。ライフワークとして、フェアトレード絵本「ムクリのにじいろTシャツ」を制作したほか、親子向けにフェアトレードを学ぶワークショップを企画する「フェアトレードガーデン世田谷」(本部・東京)の運営に携わる。社会や世界で起きていることを「自分ごと」として感じ、考え、行動する。そんなきっかけになるような記事をお届けしたいと思います。

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