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「さかなガイド」で環境負荷の少ない魚を選ぼう

2012.08.29 大野 多恵子

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WWFジャパンが製作した「さかなガイド」


ほどよく握られたシャリに、新鮮なネタ-寿司は日本人にとって欠かせないご馳走であり、日常でも人気の高いメニューです。でも、環境悪化による水産資源の枯渇で、このおいしい寿司が食べられなくなったら?

そこで、WWFジャパンではこの8月、「さかな(寿司)ガイド」(PDF)をリリースし、どの魚介類がどのような資源状況にあるか、環境負荷の高い魚は何かなどを伝え、私たちが「選ぶ」ことの大切さをアピールしています。リストには日本人が特に好んで食べる22の魚介類が挙げられ、環境への悪影響が深刻な順に、赤→黄→緑で表示されています。

魚介類の消費量は世界でもトップクラスの日本。その半分を海外からの輸入に頼っています。1950年以降、天然でとる量は4倍に増加し、さらに養殖も増えたため、薬剤を使うことなどで海への環境悪化が心配されています。世界中の海では、すでに32%の資源が「とりすぎ」、また53%が「限界までとられており、緊急措置が必要」という現状です。

「さかなガイド」を見れば、各魚介類が生息する海がどのような状態か、漁獲や養殖の方法が悪影響を及ぼしていないかなどの総合評価がひと目で分かります。例えば評価がいい緑のゾーンに入っているのは、日本近海でとれるサバ、サンマ、アジ、イカなど。評価が良くない赤のゾーンに入っているのが大西洋やインド洋でとれるマグロなどです。また同じアマエビでも、とれた場所によってゾーンが違い、カナダが緑、グリーンランドが黄で、ロシアが赤です。

こうしたことを知った上で、私たち消費者が「選ぶ」「食べる」というアクションを起こすことで、売る側、漁をする側の行動が変わってきます。それが世界中の海を守ることにつながっていくのです。また、店で魚を買うときは、持続可能な漁業によってとられた水産物に付けられている「海のエコラベル」MSCや、養殖版「海のエコラベル」ASCにも注目したいものです。これからもずっと美味しい寿司や魚を食べつづけるために、「なんとなく食べる」から、ぜひ「選んで食べる」というアクションを起こしていきませんか!



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大野 多恵子