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オバマ大統領がローマ法王に家庭菜園のタネの贈り物

2014.04.07 山田 由美

Mrs. Obama's Kitchen Garden, White House Garden Tour, Fall 2010, Washington, DC:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Adam Fagen

3月27日、オバマ大統領は初めてローマ・カトリック教会のフランシスコ法王とバチカンで会談しました。50分ほどの話し合いのあと、オバマ大統領は特別に作らせた、ある箱をローマ法王にプレゼントしたのです。

その箱の中身はホワイトハウスのキッチンガーデンで使っている果物や野菜の種。「もし機会があればホワイトハウスにお越しいただき、庭をご覧になってください」と言う大統領の誘いに、ローマ法王は「もちろん」と答えました。

ホワイトハウスの庭と言えば、有名なのがキッチンガーデンです。ホワイトハウスには1800年の建設以来いろいろな庭が作られていますが、歴代の大統領やファーストレディーが場所や種類を替えつつ、野菜や果物の栽培を続けてきました。それがキッチンガーデンやベジタブルガーデンと呼ばれています。

オバマ大統領とミシェル夫人は2009年から約100平方メートルの畑で55種類以上の野菜や果物を栽培。特に夫人は子どもたちのために自分の手で育て、調理することに力を入れてきました。今ではすべてのアメリカ人に健康的な地元の食べ物を選択していける力をつけさせたいと願い、子どもたちに向けた熱心な啓蒙活動も続けています。

実際収穫したものはオバマ大統領一家が食べるだけでなく、国内外の招待客にも振る舞われ、また地域にも寄付されています。実は昨年秋に予算案の対立などでアメリカの政府機能が一部停止してしまった際、この庭もスタッフから放置されて大量の野菜と果物が熟しすぎたというニュースもあったくらい、ここでは十分な量が収穫されているのです。

ホワイトハウスでも使っている種が贈り物に選ばれたのは、先にローマ法王が「別荘の庭を一般に公開する」と発表したからでした。果たしてこの種がまかれることになるのでしょうか。

今回ホワイトハウスは「贈った種とは別に、トーマス・ジェファーソン財団が運営する『モンティチェロ』(第3代大統領の邸宅跡地で広大な菜園があり世界遺産に指定されている)が、アメリカ国内で数トン分の収穫ができるだけの種を寄付する」と発表しています。

ちなみに現在、このキッチンガーデンの見学は地元の子どもたちに限られているので、残念ながら実際に見ることはできないのですが、代わりに「ホワイトハウスハニーエール」というビールで雰囲気を味わうことができます。

なんと、庭で採れたハチミツを使ってビールまで醸造しているホワイトハウス。イベント用に作っているため売り物ではないのですが、あまりの反響でシェフがレシピを公開しました。個人がビールを自家醸造することが合法なアメリカではこのレシピをもとにホワイトハウスの味を愉しんでいる人もいるようです。

※日本ではアルコール度数1%以上のお酒を自家醸造することは残念ながら違法です。



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山田 由美