百年の愚行(ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY)
カート・ヴォネガット著/金原瑞人訳/NHK出版

ドレスデン大空襲に材を取った『スローターハウス5』でデビューし、20世紀後半の米国を代表するひとりとなった小説家(1922〜2007)の遺作エッセイ集。「優れた芸術家は炭坑のカナリアのように世界の危機を察知し、警鐘を鳴らす」と主張した人だけあって、洞察・明察・名言に満ちている。そのほとんどがユーモアに(往々にして相当にブラックなユーモアに)包まれているのがうれしい。正論は、笑いと一緒に述べたいし読みたい。

われわれはここ地球で ばかばかしいことばかりしている。誰にも違うとは言わせない