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余り紙で雑誌を作る ファーマーズマーケットから生まれた「NORAH」

2013.09.28 平澤 直子

余り紙を有効活用して作られるNORAHは全部で12パターン。紙の風合いによって写真の雰囲気もだいぶ違って見えます photo by Naoko Hirasawa

東京、青山にある国連大学。週末になると、新鮮な野菜やエシカルな製品、エコロジカルな製品を求めて大勢の人が集まり、ファーマーズマーケットが開催されます。その青山ファーマーズマーケットから、都市生活における食や農のあり方を探求し、さらに多様な視点から深めていくための季刊誌「NORAH」(ノラ)が創刊され、この9月には第2号が発売されました。

ファーマーズマーケットから創刊されたという点もさることながら、この雑誌で注目したいのは使用されているその「紙」。印刷会社でどうしても出てしまう余り紙や、メーカーで売れ残っていた紙を主に使用しています。したがって、1冊の「NORAH」に含まれる紙は複数種。中ページは4種類の紙から構成され(組み合わせパターンは2種類)、また、表紙も6種類用意されています。計12パターンの「NORAH」はそれぞれ写真の印象や風合いが異なりますので、中から自分のお気に入りのパターンを見つけるという、今まで雑誌を選ぶ上ではありえなかった楽しみ方もあるのではないでしょうか?

2011年の世界の紙(段ボールなどの板紙も含む)の消費量は約4億トンと2007年からほぼ横ばい、紙の主原料である木は、森林面積にして年間1300万ヘクタール(2000年から2010年のデータ、日本の国土の約1/3)ずつ減少しています。「NORAH」の余り紙活用という新しい提案は、これらの大きな数字からすれば小さな取り組みにすぎないのかもしれません。しかし、この提案を消費者が受け入れ話題となれば、似たような取り組みが増え、ゴミにしかならなかった紙が活用されるようになり、紙の消費量の減少、ひいては森林面積の減少量の縮小にもつながっていくことでしょう。「NORAH」をきっかけに、そのようなムーブメントが起きることを願ってやみません。



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