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Art & Design

その2ユーロのTシャツ、製造の裏にある真実を知っても買いますか?

2015.05.19 河内 秀子

昨夏にオープンして以来、大にぎわいのPrimarkの向かいに設置された2ユーロTシャツの自販機

2ユーロ(約270円)のTシャツ、9ユーロ(約1200円)のジーンズ......。ユーロ安の影響を受けて徐々に物価が高くなると言われてはいるものの、それだからこそ? エコ意識の高いドイツでも、ファストファッションの勢いはとどまるところを知らないようです。

衣料経済専門誌、TextilWirtschaftの昨年末の発表によれば、ドイツ国内の2013年の売り上げトップはドイツの通販Otto Group、次いでH&Mが3.4%の伸びを見せています。そして2009年からドイツに新たに参入し、支店を増やし続けているPrimarkは、18位ながらなんと売り上げ65.5%増! しかし、その安価な衣料品生産を支えている人たちは、いったい誰なのでしょうか?

4月18日、ファストファッションショップが集まるベルリン市内中心部に「Tシャツ、たった2ユーロ」と書かれた自動販売機が設置されました。買ってみようと寄ってきたお客が2ユーロコインを入れてサイズを選び、スイッチを押すと......「時給13セント以下」「1日の労働時間は16時間以上」安価な衣料品生産を支えるハードな労働環境の現状とそれを支える人々の映像が写し出されます。

実はこれ、昨年から始まった「FASHION REVOLUTION DAY」に向けて提案されたアクションの一環なのです。

思いもよらない、ショッキングな映像が......

ショッキングな映像に、息を呑む人たち。20秒間様々な映像と情報が流れた後、「その2ユーロでTシャツを買いますか、それとも寄付しますか?」と2つのボタンが現れます。設置した日に集まった150人の人たちの約90%が、寄付を選びました。「これからは洋服を買う前に、それがどこで作られているのか気をつけたいと思った」という声も多かったそう。

2013年の4月24日バングラデシュで起こった衣料品工場ビル崩落事故、安価な衣料品生産を支える劣悪な労働環境を記憶に留めるために始まった「FASHION REVOLUTION DAY」。自動販売機のモニターには、最後にこのようなメッセージが流れます。「世界が忘れないように、あなたの力を貸して下さい。ファッション革命を始めるために、シェアして下さい」。

自動販売機が設置されたのはたった1日でしたが、お客のリアクションが撮影された映像がネットを中心に、じわじわと広がり話題を呼んでいます。



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このニュースの地域

ベルリン、ドイツ (ヨーロッパ/ロシア

河内 秀子