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Art & Design

目標は、廃棄物ゼロ。「ゆりかごからゆりかごまで」フェスティバル開催中

2011.03.03 河内 秀子

「Cradle to Cradle」マークを獲得したオランダ初の粘土建材メーカー「Daas Baksteen」。サステナブルなエネルギー利用やリサイクル可能な素材だけでなく、製造や運搬の過程でのエネルギーの50%カットも実現 (c) Hideko Kawachi

自分が出すゴミの量に驚いたことはありませんか? オーガニックでフェアトレードの商品を選んだとしても、人は毎日何かを捨てています。なんとか廃棄物を出さないで、暮らしていくことはできないだろうか? そんな疑問に答えてくれる展覧会が、ベルリンの建築ギャラリー「Aedes」で3月16日まで開催されています。

「Cradle to Cradle - Festival」は「Cradle to Cradle」(ゆりかごからゆりかごまで)という概念に基づいてデザインされた製品や建築方法を一堂に集めた展覧会。

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すべての素材が生物学的に循環するという、トリンプ の「ピュア・オリジン」シリーズやほぼ100%リサイクル/再利用可能な素材でできたハーマン・ミラーの家具なども展示 (c) Hideko Kawachi


従来の「エコ効率」「エコ決算」の概念では、 環境への影響を分析、評価する際に「ゆりかごから墓場まで」、つまり「生産→廃棄」という一方通行の中で、その製品がどうやって環境への負担とコストを抑えているかが重要とされていました。しかしこの「ゆりかごからゆりかごまで」は「廃棄物」を「栄養」ととらえ、生産につなげていくことで「生産→生産」と、持続的に循環させていこうとしています。目標は廃棄物ゼロ、エネルギー消費もゼロ。

フェスティバルでは、この「Cradle to Cradle」デザインで世界トップの国、オランダの製品を中心に製品とその背景を展示しています。例えば、「Van Houtum」社の100%古紙リサイクルのトイレットペーパー「Satino Black」。サステナブルなエネルギーで製造し、その過程で使用される水はできるだけ循環させています。展示はプロダクトだけでなく、概念を建築や都市計画へ応用した進行中のプロジェクトもあり、地元の木材だけを用い、太陽エネルギーで施工、屋根や壁を植物で覆って水分を貯める機能を備えた建築などが紹介されています。

講義や討論会も催され、言葉だけでは想像しにくいこの概念が、どう形になるのかがより深く理解できたと好評を呼んでいます。



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このニュースの地域

ベルリン、ドイツ (ヨーロッパ/ロシア

河内 秀子