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靴から木が生える!? すべてが自然に還るスニーカー

2011.03.04 宮原 桃子

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(c) Peter Stigter


1月末に開催されたアムステルダム国際ファッション・ウィークのグリーン・ファッション賞。2等を受賞したのは、1足すべてが生分解される斬新なスニーカーを作った「OAT Shoes」。環境保護とモードなデザインの両立を目指す、創業2年のまだ新しいオランダのブランドが、初コレクションで受賞しました。ファッションショーではアダムとイブに扮(ふん)したモデルが、盆栽のような小さな木が生えたスニーカーを手押し車に載せて歩き、鮮烈な印象を与えました。

このスニーカーは、生分解性プラスチックのほか、オーガニック・コットンでカバーされたコルクの靴底、麻のキャンバスなど、すべて生分解できる素材で製造されています。これまでも、靴底など一部のみに生分解性素材を使うブランドはありましたが、1足すべてが生分解できる靴は世界初とのこと。

生分解に要する時間は、土壌や気候など環境によって差はあるものの、同商品では原則6カ月以内に9割程度が分解される生分解性プラスチックを使っています。また麻のキャンバスは、通常のガーデニング用の土で2-3カ月で分解されたそうです。理想的な条件は、気温・湿度が高い気候と微生物を多く含む土壌とのこと。また同社は、製造・輸送過程での二酸化炭素発生を抑えるため、素材は極力欧州内で調達するほか、ブルガリアの製造工場の労働環境・賃金水準なども細かくチェックしているそうです。

3月末からオランダとベルギーで900足の限定コレクションが発売されるほか、オンラインでも欧州向けに発売。日本を含む欧州域外への発売は現在検討中。

ファスト・ファッションが主流のファッション業界でも、年々グリーン・ファッションやフェアトレード・ブランドが増え、生分解性素材の利用も進んでいます。自然に還るとはいっても、捨てる前にリユース・リサイクルすることが重要ではあるものの、私たち消費者がまずこうした商品を選ぶことが大きな一歩になるでしょう。



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このニュースの地域

アムステルダム、オランダ (ヨーロッパ/ロシア

宮原 桃子