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COP10開催地 名古屋で、幻のスズメバチが定着

2010.07.26 奥山 賢治

いよいよ今年10月、名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議
(COP10)。その名古屋市に定着しつつあるのが「幻のスズメバチ」と名高いチャイロスズメバチです。チャイロスズメバチは、ほぼ全身が黒褐色の縞模様で、体長2-3センチと小型。自ら巣を作れず、モンスズメバチなどの女王バチを殺し、巣に寄生する珍しいスズメバチなのです。

千草区で初めて巣が発見された1992年以降、同区や周辺区で徐々に増えてきていた捕獲例が、昨年は過去最多の19件。チャイロスズメバチの主な生息地は長野県から北の東日本。西日本の岡山県や兵庫県など十数カ所でも生息確認がなされていましたが、いずれも山間地とのこと。

初めて巣が発見された市内の東山公園では市生活衛生センターが捕獲罠(わな)を設け、研究を続けてきました。25年にわたり、スズメバチの研究をしている同センター技師の山内博美さんは「都市に順応してきているのか、生息がより広範になり、市内で毎年、営巣しているのは確実」と話しており、またスズメバチの生態の専門家で、名古屋市で初めてチャイロスズメバチを確認した故・松浦誠氏(元三重大教授)も「山の生活環境が悪化し、山を追われてきた一方で、都市部でも街路樹が増え、エサとなる虫が増えた」と指摘していたそうです。

生物物多様性への関心が高まる昨今。COP10が開催される名古屋で、貴重な生物多様性に注目したいところです。



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奥山 賢治