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Biodiversity

アフリカの紛争地帯で新種の木を発見

2009.05.10 高田 久代

植物学上これまで知られていなかったアカシア科の木が、エチオピア東部に約8000平方キロにわたり生息していることがわかりました。

この木は、6メートルほどの高さに育ち、ピンク色の甘い香りの花をつけるAcacia fumosa(アカシア・ファモサ)。ウプサラ大学(スウェーデン)のマッツ・チューリン氏によって発見・命名され、2008年9月にNordic Journal of Botany(北欧植物学誌)オンライン版に報告されていましたが、キュー王立植物園(イギリス)のデービット・メイベレー氏が発見について改めてまとめ、4月24日号のサイエンス誌に掲載されました。

アカシア・ファモサが生息する地域はエチオピア領ですが、住民のほとんどはソマリ族で独立を目指し戦いを続けています。ソマリアの植物学誌の編集者を18年間務めたチューリン氏さえ、2006年以前にこの地域に立ち入ったことはなく、調査期間中は何度も武装グループに尋問をうけました。

新種の発見自体はそれほど珍しいことではありませんが、アカシア・ファモサは、広大な生息地にもかかわらず、紛争地帯だったため、学術的には存在が知られていませんでした。今回の発見例は、長年争いが続く他の地域にもあてはまるのでは、と植物学者たちの注目が高まっています。



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エチオピア (アフリカ

高田 久代