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オーガニック・コットン市場、35%増の急成長

2010.06.22 宮原 桃子

Champs de coton / Agriculteur:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Le Xav'.

オーガニック・コットン認証団体である米オーガニック・エクスチェンジが、5月に発表した市場リポートによると2009年、世界のオーガニック・コットンの小売売上高(衣料品とホームテキスタイル商品)が、前年比35%増の43億ドル(約3900億円)に達しました。最近はC&A(本社:ベルギー)、ナイキ、H&Mなどの大手ブランドもオーガニック・コットン製品を増やしており、急速に浸透しつつあります。

しかし一方で、発展途上国の貧しいコットン農家にとって、オーガニック栽培への切り替えは勇気のいる決断です。より多くの時間と労力を求められる上、無農薬・無化学肥料の状態が3年以上経過しないと認証が得られないため、短期的な収穫量・収入減少のリスクなどの生活不安を抱えるためです。

そこで、この「移行期」のコットン農家を応援するべく、オーガニック繊維製品世界基準(GOTS)では「organic -in conversion」という認証制度を設けています。消費者が移行期コットン製品を選ぶことで、将来的にさらに市場が広がるはずです。

ただ、市場の広がりとともに、認証のないオーガニック・移行期コットンも流通し始め、消費者が商品の信頼性を判断しづらいケースも増えています。非常に安価なオーガニック・コットン製品も現れ、オーガニックであっても労働者がフェアに扱われているか憂慮すべき場合もあります。今年1月には独ファイナンシャル・タイムズが、H&Mなど大手が使用していたインド産オーガニック・コットンが、認証基準に反する遺伝子組み換えコットンを含む疑いがあると報じ、騒動となりました(H&Mは混入を否定)。

市場の広がりは歓迎すべきことですが、消費者は、メーカー側が本気で環境・社会に取り組んでいるのかをきちんとチェックした上で商品を選ぶ、厳しい目を求められています。



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宮原 桃子