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サッカーW杯、切望されるフェアトレード・ボール

2010.04.14 宮原 桃子

世界の手縫いサッカーボールの約7割はパキスタンのシアルコット産で、W杯開催年はここで約6000万個も製造されます。しかし、手縫い作業に多くの子どもがかかわっていることが、10年以上前から問題となっていました。

FIFAはこれを受け1996年、ワールドカップ関連商品メーカーに児童労働禁止を求め、97年にILO、UNICEF、シアルコット商工会議所などと共に、シアルコットでの児童労働排除協定を締結。現状は大幅に改善されつつも完全には排除されておらず、他産業に子どもが流出している実態も問題視されています。また、更に多くの労働者配慮を求めるフェアトレードについては、FIFAは基準採用に至っていません。

前回開催地のドイツでは、フェアトレード認証機関TransFairがW杯でのフェアトレード・ボール採用をFIFAに求めたものの、実現に至りませんでした。TransFairによると、W杯公式ボールはアディダスなどの大手メーカーが手掛けており、フェアトレード・ボールを議題に乗せることすら難しいとのこと。

また、2006年公式ボールは機械製造の縫い目なしのボール、2010年は最新技術を駆使した手縫い仕上げボールで、FIFAの求める高い技術水準にフェアトレード・ボールが追いついていないことも背景にあるそうです。

ただ、ドイツの学校やスポーツクラブなどではフェアトレード・ボールが普及しつつあり、今後の広がりに期待が持てます。W杯でフェアトレード・ボールが見られる日は、そう遠くないかもしれません(※)。

※2014年公式ボールはアディダスによる供給が決定済み。



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宮原 桃子