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鉄鉱石の値上げ交渉から考えること

2010.03.24

Iron Ore Wharf:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Guanlong D.

今年に入って、2010年度の鉄鉱石価格の値上げ交渉が活発化していることが継続的に報道されています。主産国であるオーストラリアやブラジルの資源メジャーが、日本をはじめとするアジアの製鉄会社に対して前年価格を大幅に上回る強気の価格を提示しており、日本企業の中には対前年比90%増での価格交渉を強いられているところもあるという一部の報道もあります。

さらに1年間の価格を固定して決める現行の契約方式から、市場価格に連動させて四半期ごとに改定する方式へ移行する交渉も進行中であり、これが実現すれば市場価格上昇分を売価に転嫁できる点で売り手が有利になると見込まれています。

これらのことから、売り手である資源国の交渉力がいかに強いかを見てとることができます。こうした価格交渉の結果は、買い手であるアジアの製造業の今後の収益性に大きなインパクトを与えることが予測されます。

鉄と言えば自動車にとって欠かせない原材料ですが、たとえばリコール問題で揺れるトヨタ自動車にとっても品質とコストの両立は早急に対処すべき課題と言えるでしょう。毎日自動車に乗る人にとっても身近な問題だと思います。

鉄はオールドエコノミーの代表であり、鉄が国を支えるという伝統的なパラダイムだけで産業が成り立っている時代ではありませんが、依然として私たちの生活に密着していることも確かです。その鉄は地球の限りある資源から生まれていることに思いを馳せながら、たとえば自動車に依存しない生活の可能性について、これらの価格交渉の報道を通して考えてみてはいかがでしょうか。



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