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あなたの生活には奴隷が何人必要?
「Slavery Footprint」診断で考えたい搾取の構造

2015.06.23 平澤 直子

Discover your #SlaveryFootprint today. www.madeinafreeworld.com

@madeinafreeworldが投稿した写真 -

Made in a Free World/instagram


「Slavery Footprint」 を知っていますか? エコロジカル・フットプリントと同じように、自分の生活がどれだけの「Slavery=奴隷」の犠牲の上になりたっているかを示すものです。

奴隷と聞いても、「歴史の教科書に載っていた」程度の認識である人が多いと思いますが、強制労働の撲滅を訴えるNPO Made In A Free Worldによれば、21世紀の今も、だまされて、または強制的に、無給または薄給で労働に従事している人=奴隷が、2900万人以上いるといいます。そのうち55%が女性、26%が子どもで、大多数が企業の単純労働で搾取されているといいます。

この現状を憂いたシンガーソングライターのジャスティン・ディロンは2011年、米国務省とパートナーシップを組んで「Slavery Footprint」を測るウェブサイト(英語)を作りました(現在はジャスティン・ディロンがCEOを務めるNPO Made In A Free Worldが管理)。このサイトを開くと、「どこに住んでいますか?」という質問から始まり、「家にはどんな部屋がありますか?」の質問に答えてマウスを動かして自分の家を再現していったり、「クローゼットには何が入っていますか?」の質問に答えて下着からアクセサリーまで、まるで子どもの頃によく遊んだ着せ替えのような気分で衣類を動かしたり。そうしているうちに、自分の生活にかかる「Slavery Footprint」が算出されるという、インフォグラフィックスを活かした楽しいサイトになっています。

算出後に出てくるのは「『Slavery Footprint』を減らすにはどのブランドを買ったらいいか教えたいところだけど、まだできない」というメッセージ。そして同じページから、「IKEA」「Amazon」「Nintendo」といったグローバルカンパニーに、サプライチェーンを見直すよう嘆願するメールを送ることができるようになっています。すでに110万通以上のメールが送られ、11の会社が「Made In A Free Worldネットワーク」に参加しています。そしてネットワークに参加した会社は、サプライチェーンを見直し、フェアな条件での材料調達、商品製造を実現しています。

目指すのは、Made in IndiaでもMade in BangladeshでもなくMade in a Free World. 強制労働ではなく、自分の意思での労働、フェアな条件での労働のみで製品がつくられる世界。強制労働を強いているのも、また、Free Worldを実現するのも、消費者であるあなたです。奇しくも6月19日は奴隷解放の日(1865年、米テキサスで奴隷解放が宣言された日)。まずは自分の「Slavery Footprint」を知ることから始めませんか。

Slavery Footprint Story from Made In A Free World on Vimeo.



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平澤 直子