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フランスの幼稚園で始まった「哲学のじかん」2年間の軌跡

2011.06.03 関 和音

(c) Ciel de Paris productions 2010

「愛って何だろう」「自由って何だろう」
多くの大人たちにとって、このような問いはありふれて、いまさら気にも留めることはないかもしれません。しかし、このような問題に3歳から5歳の幼稚園児たちが真剣に向き合っていると知ったら、あなたはどのように思うでしょうか。

7月9日に公開となる映画「ちいさな哲学者たち」(監督:ジャン=ピエール・ポッツィ、ピエール・バルジエ)は、フランスの幼稚園の哲学のクラスの様子を、2年間に渡って追ったドキュメンタリー作品です。

子どものための哲学」というプログラムが、米コロンビア大学教授のマシュー・リップマン氏により提案されたのは1970年代のことでした。マシュー教授の考えは、子どもが本来持つ「考える力」を、ほかの人と話し合うことでさらに伸ばしていこうというものでした。

「子どものための哲学」をもとにして、2007年に世界で初めて開かれたのが、フランスのパリ近郊のZEP(教育優先地区)にある、ジャック・プレヴェール幼稚園の哲学のクラスです。年少と年中の園児たちは2年間に渡り、「愛」「自由」「豊かさ」などについて語り合ったと言います。その成果は、「子どもたちがこんなに賢かったなんて!」と親たちが驚くほどのものであったそうです。

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(c) Ciel de Paris productions 2010


本作のプロダクション・ノートには、哲学者のミシェル・オンフレの「すべての子供は哲学者だ。そして、ある子供たちはいつまでも哲学者のままであり続けるのだ」という言葉が引用されています。私たちは、子どものころと変わらず「哲学者」であり続けられているのでしょうか。一度、考えてみたいものです。



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関 和音