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ダイオキシン汚染被害で、ビオ卵の人気が急上昇!

2011.01.20 河内 秀子

カフェで見かけた「私たちのケーキにはビオの卵だけしか使っていません」という表示。レストランなどでも、卵や鶏肉、豚肉が入っているものは、「これはビオのもの?」と尋ねるお客が多いそう
(c) Hideko Kawachi

ドイツで昨年末、家畜用飼料からがんなどを誘発するおそれのある高濃度のダイオキシンが検出され、新年早々5000近い養鶏・養豚農場が営業停止になり、卵や豚肉が店頭から回収されるなど、波紋が広がっています。

問題とされているのは「Harles & Jentzsch」(ハーレス&イェンチュ)の飼料用油脂。実は、すでに遅くとも2010年3月から、高濃度のダイオキシンが検出されていたことがわかっています。工業用油脂も製造しているこの会社では、飼料用油脂に工業用油脂を混ぜたり、ダイオキシン量の検出が認可内になるまで測定を続けさせたりしながら偽装工作を続けていました。今までに、少なくとも3000トンのダイオキシンに汚染された油脂が市場に出回ったことがわかっています。最大時にはEUで認可されている78倍ものダイオキシンが含まれていたそう。

事件の背景にはディスカウントマーケットの台頭があるとも言われています。とにかく、1セントでも安く、便利に買いたい、というのが消費者の本音。しかし、安売りのチェーン店が幅を利かせる今、「農家は激安の飼料を買うしかないところまで追いつめられている。消費形態を変えなければ、同様の事件の再発はまぬがれない」との意見も多く聞かれます。

この事件以来、オーガニック商品の売り上げはうなぎ上り。オーガニックスーパーマーケットチェーン「Bio-Company」では特に卵が売れて年末から売り上げ3割増となり、売り切れが心配されているほど。ビオ卵の飼料は、有機認証団体「デメター」や「ビオランド」が大部分を自給しているため、大きな信頼を寄せられています。

肉や卵のスキャンダルが続き、「いっそのこと...」と野菜中心に食生活をシフトさせるドイツ人も増えて来ているようです。



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このニュースの地域

ベルリン、ドイツ (ヨーロッパ/ロシア

河内 秀子