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眠れる鉱山で「地底農業」!?

2010.05.11 奥山 賢治

Kamioka mine:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by tsuda

四大公害病の一つ、イタイイタイ病。その発生源として知られ、2001年に採掘を停止した「神岡鉱山」で、農業への取り組みがなされています。鉱山の特性を「地底農業」にうまく活かし、ワサビなどを試験的に栽培しているのが「HIP(ヒップ)有限会社」(岐阜県飛騨市)です。

鉱山の地下空洞にアルミ製の小屋を建て、プランターに水を循環させ、蛍光灯と発光ダイオード(LED)の光を当て、ワサビを10株ずつ栽培。坑内は天候の影響を受けず、1年を通じ気温14度、湿度97%。不純物がほとんどない湧き水も豊富で、気温が低いため、病虫害の心配もないそうです。

2009年12月に植えたワサビの生育は順調で、試験栽培を担当するHIPプロジェクトマネージャーの中谷勝さんは「地上での水耕栽培と比べ3倍のスピードで育っている」と語っています。通常のワサビ田だと栽培に約2年半もの期間を要するところ、1年に短縮することが目標。同社は鉱山の中で音楽を流しながら、日本酒やワインを貯蔵する「音響熟成酒」などの特産品作りにも挑戦しています。  

あの小柴昌俊教授のノーベル賞受賞で話題となった「カミオカンデ」と同じ原理の「スーパーカミオカンデ」(世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置)の実験もなされている神岡鉱山。かつて負の遺産とも呼ばれた廃坑が、新たな姿で再び日の目を見ることとなりそうです。



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