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古着持ち込みで女性シェルターを支援 日本で広がる洋服ポスト

2013.10.23 平澤 直子

世田谷代田での「洋服ポスト」臨時開設を知らせるポスター:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by raizo
 

洋服や靴の詰め込まれた袋を持って歩く人、それを笑顔で受け取る人。最近、都内各地でそんな光景がよく見られるようになりました。

受け取るのは洋服ポストネットワーク協議会のスタッフ。「洋服ポスト」(※1)を都内各所に開設して古着を回収・売却し(※2)、その売却益の一部を社会貢献活動に寄付するNPOです。2011年に浜松町の港区立エコプラザに初めて開設されて以来(同所での開設は2013年3月で終了)、神宮前、麻布、西早稲田、赤坂、代田、勝どきと都内各所で開設され、多いときにはたった2時間で約2.4トンもの古着を回収してきた「洋服ポスト」ですが、10月18日に8番目のポストが大久保駅近くの矯風(きょうふう)会に新設されました。

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「洋服ポスト」に古着を持ち込む人々:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by raizo


矯風会は、1886年に創設された女性と子どもの人権を守り、その福祉に貢献するキリスト教の女性団体で、創設時から多くの女性保護施設に関わってきており、今も女性のためのシェルターを運営しています。内閣府男女共同参画局のデータによれば、2012年度の全国223か所の支援センターへの配偶者暴力に関する相談件数は約9万件で、一時的に保護を受けた女性の数は約1万1000人にものぼりますが、保護を受け入れているシェルターを運営する団体は全国で101(2011年11月現在)しかありません。そして、このようなシェルターでは少しの情報から身の危険につながることもあるため、支援を募るのも大変なのだそうです。

矯風会に設置されたポストに集まった洋服1キロに対し10円が矯風会に寄付されます。つまり、このポストへの古着の持ち込みにより、同会、ひいては保護が必要な女性を支援することができます。古着の処分を考えている方は、ぜひ「洋服ポスト」への投函を!

なお、売却益の寄付先は各「洋服ポスト」により異なりますので、持ち込み先を選ぶことでみずから支援先を選ぶことができます。矯風会のほか、東日本大震災の復興をみずから目指す岩手県陸前高田市の長洞元気村、東北で追悼と復興の意味を込めて花火を打ち上げているLIGHT UP NIPPON、養護学校、各自治体の社会福祉協議会など、寄付先はさまざまですので、持ち込み予定の方はこちらのページを参考に、持ち込み先をご検討ください。

※1 「洋服ポスト」は一部を除き常設ではありません。開催日時をお確かめの上、お出かけください。
※2 回収された古着は株式会社原宿シカゴに売却され、世界の古着マーケットで販売されます。



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