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Art & Design

糸と紙コップが奏でる壮大なメロディ「ストリングラフィ」

2014.11.25 平澤 直子

写真提供:スタジオイヴ

11月30日、西東京市の多摩六都科学館で、ストリングラフィのパフォーマンスとワークショップが行われます。

ストリングラフィとは糸と紙コップからなる楽器装置で、そのシンプルな構造からは想像できないほどの素晴らしい弦楽器の音色が発せられます。

考案者は作曲家の水嶋一江氏。1992年、山形県月山の麓で行われたパフォーマンス・フェスティバルに参加していた氏は、森の中で木と木の間に糸を張り、森全体を楽器にして演奏してみたいと考えました。そして糸電話の原理を応用して糸の両端に紙コップを取り付け糸を擦(こす)ると、紙コップがスピーカーの役割を果たし、思いがけないほど大きな音を発しました。その音は、「ヴァイオリンの音、人の声や動物の鳴き声、風の音の様でもあり、(ストリングラフィは)自然界の音と楽器の音の、両方の特質を表現できる奥の深い楽器」だという事に気付いたといいます。

その後改良を重ね完成したストリングラフィは、1本1音、16から23本を1セットとして音階になるよう調弦され、雅楽から、クラシック、ポップスまで、多様な曲を紡ぐことができる巨大な楽器となりました。多いときには800本もの糸が演奏空間に張り巡らされ、10年ものの紙コップ(※)とともに、まるで「糸の森」のようにやさしく聴衆を包み込みます。

1996年、国際現代音楽家協会主催の"World Music Days'96"のインスタレーションの部に日本人として初めて入賞し、世界各地でパフォーマンスを行ってきた水嶋氏と氏の所属グループ「ストリングラフィ・アンサンブル」ですが、最近は学校、病院、高齢者施設など、様々な現場における幅広い活動を目指しているといいます。その一環として、スタッフブログ地球ニュースでも紹介したWonder Art Production/ARTS for HOPEの「森のアート海のゲイジュツ」にも参加しました。

また、月に一度はホームスタジオである「スタジオイヴ」で0歳から入場可能な子ども向けコンサートを行っており、こちらでは、小さな「簡易版ストリングラフィ」を500円で購入することができます。売り上げの一部は東日本大震災の被災地に寄付されるとのこと、興味のある方はコンサート会場へお越しください(コンサート会場のみでの販売です)。

※ストリングラフィに使用する紙コップは10年間同じものを使用しています。時間とともに変化する紙コップの紙質が、楽器の音色を美しく彩っているそうです。



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平澤 直子